キノフィルムズ

公開終了
2019年4月12日(金)公開

マローボーン家の掟

美しい楽園で死体とともに暮らす若き4人兄妹
純粋無垢な彼らが守る“掟”が打ち破られたとき、
屋敷に隠された恐ろしい秘密と邪悪な何かが動き出す―。

イントロダクション

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海にほど近い森の中にひっそりとたたずむ大きな屋敷。そこに暮らすマローボーン家の4人兄妹は、世間の目を逃れるように生きていた。忌まわしい過去を振りきり、この屋敷で再出発を図る彼らの願いは、自由で幸せな人生をつかむこと。しかし心優しい母親が病死し、凶悪殺人鬼である父親を殺害したことをきっかけに、4人の希望に満ちた日々はもろくも崩れ出す。母の死後に生まれた“5つの掟”を守り暮らす彼らに降りかかる、屋根裏部屋から響いてくる不気味な物音、鏡の中にうごめく得体の知れない影。いったいこの屋敷には、いかなる秘密が隠されているのか。やがて平穏を保つための“掟”が次々と破られ、逃げ場なき極限状況に追いつめられた長男ジャックが、最愛の妹と弟たちを守るために下した決断とは……。
スペインの類い希な才能と米英の新世代俳優の濃密なコラボレーションによって完成した、想像を絶する謎と衝撃に満ちたサスペンス・スリラー

ストーリー

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1960年代末のアメリカ・メイン州。緑豊かな片田舎にひっそりとたたずむ古めかしい母がかつて住んでいた屋敷に、母の姓マローボーンと苗字を変え4人兄妹が引っ越してきた。責任感の強い長男ジャック(ジョージ・マッケイ)、家族思いの長女ジェーン(ミア・ゴス)、頭に血がのぼりやすい次男ビリー(チャーリー・ヒートン)、まだ幼くて天真爛漫な末っ子サム(マシュー・スタッグ)。祖国イギリスでの悲惨な過去を捨てて彼らは、この人里離れた屋敷で新しい人生を踏み出そうとしていた。しかしその矢先、心優しい母親ローズ(ニコラ・ハリソン)が病に倒れ、この世を去ってしまう。「皆を守ってね。どんなときも」。ローズの遺言を胸に刻んだジャックは妹と弟たちに呼びかけ、「誰も絶対に僕たちを引き裂けない。僕らはひとつだ」と固く誓い合う。 すると間もなく、突然の銃声によって兄妹は恐怖のどん底に突き落とされる。イギリスで悪名を轟かせた凶悪殺人鬼の父親(トム・フィッシャー)が脱獄し、執念深く彼らを追ってきたのだ。ジェーンの絶叫を耳にしたジャックは、血も涙もない父親に敢然と立ち向かっていくのだった……。

6ヵ月後。ジャックが父親を殺害したことで、4兄妹は静かな日常を取り戻していた。それでもジャックの内心は穏やかでない。どこからともなく響いてくる不気味な物音、天井ににじみ出す異様な黒い染み。兄妹以外の誰かが徘徊しているような気配が漂うこの屋敷は、明らかに何かがおかしい。臆病なサムは暗がりや鏡に"オバケ"が現れるのではないかと、いつもビクビクしている。それは死んだ父親の呪いのせいなのか、それとも屋敷そのものに忌まわしい秘密が隠されているのか。不安げな妹や弟たちを案じたジャックは、母の死後に生まれた「成人になるまでは屋敷を離れてはならない」「鏡を覗いてはならない」「屋根裏部屋に近づいてはならない」「血で汚された箱に触れてはならない」「"何か"に見つかったら砦に避難しなくてはならない」という5つの"掟"を厳守するよう言い聞かせていた。 妹弟の親代わりを務めるプレッシャーに押しつぶされそうなジャックの心のよりどころは、地元の美しく聡明な女性アリー(アニャ・テイラー=ジョイ)の存在だ。ある日、街の図書館に務めるアリーのもとを訪ねたジャックだが、そこで弁護士のポーター(カイル・ソラー)から思いがけないことを告げられる。彼らが屋敷を正式に相続するために、母親ローズの署名と手数料200ドルが必要だというのだ。母親が死亡した事実を隠し、生活資金も残りわずかのジャックは動揺を隠せない。そして妹弟と相談した結果、ジェーンが母親の筆跡を真似て書類にサインし、父親が犯罪で稼いだ"箱"の中の大金に手をつけ、急場をしのぐことにする。しかし、それは「血で汚された箱に触れてはならない」という自分たちの掟に背く行為だった。
初めて掟を破ったその直後から、兄妹は次々と悪夢のような事態に見舞われていく。母親の部屋にこっそり入ったサムが、誤って鏡を覗いてしまい、得体の知れない影を目撃。掃除中に奇妙な音を聞いたジェーンは、天井裏に潜んでいた正体不明の何かの手に触れられ戦慄する。さらに、煙突から屋根裏部屋に忍び込んだビリーだが、屋根裏に潜む何かに襲われて重傷を負ってしまう。 果たしてマローボーン家の屋敷に潜む"何か"とは?
そしてジャックを容赦なく苛んできた本当の恐怖の正体とは……。

ジョージ・マッケイ

|ジャック|
1992年、イギリス・ロンドン生まれ。舞台照明に携わる父と衣装デザイナーの母のもとで育ち、スカウトの目に留まったことをきっかけにP・J・ホーガン監督作品『ピーター・パン』(03)で映画デビューを飾った。その後はTVムービー「TSUNAMI 津波」(06)、『ディファイアンス』(08)、『兵士ピースフル』(12・未)などに出演。2013年には架空の第三次世界大戦を背景にした青春ドラマ『わたしは生きていける』(13)、人気ミュージカルの映画化『サンシャイン/歌声が響く街』(13)で主要キャストを務め、BAFTAのライジング/スター賞にノミネートされた。近年もサッチャー政権下のイギリスの実話に基づくハートフルなドラマ『パレードへようこそ』(14)、ヴィゴ・モーテンセンと共演した家族劇『はじまりへの旅』(16)、Netflixの音楽映画『ずっとあなたを待っていた』(18・未)などに出演し、若くして幅広いキャリアを築き上げている。

アニャ・テイラー=ジョイ

|アリー|
1996年、フロリダ州マイアミ生まれ。2014年にイギリスのTVシリーズ「刑事モース ~オックスフォード事件簿~」の一編に出演。インディペンデント・スピリット賞の新人作品賞、新人脚本賞ほか数多くの賞を受賞したロバート・エガース監督のホラー映画『ウィッチ』(15)で初主演を務め、脚光を浴びた。M・ナイト・シャマラン監督のサスペンス・ホラー『スプリット』(17)のヒロイン、ケイシー役に抜擢され、ジェームズ・マカヴォイと共演。シャマラン監督の近作『ミスター・ガラス』(18)にもケイシー役で出演している。そのほかの主な出演作は「バイキング・クエスト」(15)、『モーガン プロトタイプL-9』(16・未)、『バリー』(16・未)、「ミニチュア作家」(17)、2019年にNetflixで配信されるTVシリーズ「ダーククリスタル:エイジ・イブ・レジスタンス」(声の出演)など。『X-MEN』シリーズ最新作『The New Mutants』(19)の公開も控えている。

ミア・ゴス

|ジェーン|
1993年、イギリス・ロンドン生まれ。 幼少期をブラジルで過ごしたのちに母国へ戻り、ラース・フォン・トリアー監督作品『ニンフォマニアックVol.2』(13)で映画デビューを果たした。『The Survivalist』(15)でイギリス・インディペンデント映画賞の有望新人賞にノミネートされ、モデルとしても活動。最近では、ルカ・グァダニーノ監督が鬼才ダリオ・アルジェントの名作をリメイクした『サスペリア』(18)で主要キャラクターのひとりであるサラ役を演じている。そのほかの主な出演作は『エベレスト3D』(15)、『キュア ~禁断の隔離病棟~』(17・未)、『High Life』(18)など。

チャーリー・ヒートン

|ビリー|
1994年、イギリス・ブリドリントン生まれ。16歳の時にロンドンへ移り住み、ロックバンドでの活動を経て、2015年のTVシリーズ「主任警部アラン・バンクス」の一編でデビュー。2016年にスタートしたNetflixの人気シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」におけるジョナサン・バイヤーズ役で世界的に注目された。そのほかの主な出演作は、ナオミ・ワッツと共演したスリラー『Shut In』(16)など。2019年公開予定の『X-MEN』シリーズ最新作『The New Mutants』(19)では、サム・ガスリー/キャノンボール役でアニヤ・テイラー=ジョイと再び共演する。

マシュー・スタッグ

|サム|
2009年、イギリス生まれ。ジャスティン・カーゼル監督、マイケル・ファスベンダー主演の歴史劇『マクベス』(15)、犯罪スリラー『The Chameleon』(15)、TVシリーズ「ロンドン・スパイ」(15)で子役のキャリアをスタート。その後はBBCのTVドラマ「戦争と平和」(16)、NetflixのTVシリーズ「ボディガード -守るべきもの-」(18)などに出演している。

スタッフ

  • 監督・脚本:セルヒオ・G・サンチェス

    1973年、スペイン・オヴィエド生まれ。ギレルモ・デル・トロが製作総指揮を務めたJ・A・バヨナの監督デビュー作『永遠のこどもたち』(07)の脚本を担当。ある孤児院の忌まわしい過去を解き明かすこのホラー映画は世界的な成功を収め、ゴヤ賞では脚本賞を含む7部門を独占した。東南アジアで大津波に襲われた家族の実話に基づく『インポッシブル』(12)では、再びバヨナ監督とタッグを組み、ゴヤ賞脚本賞にノミネートされている。ホルヘ・トレグロサ監督作品『ザ・エンド』(12)、フェルナンド・ゴンサレス・モリーナ監督作品『Palmeras en la nieve』(15)の脚本も手がけた。これまでに『7337』(00)、『Temporada baja』(03)という2本の短編とTVムービー「Las manos del pianista」(08)を監督した経験があり、本作が劇場映画の監督デビュー作となる。

  • 製作総指揮:J・A・バヨナ

    1975年、スペイン・バルセロナ生まれ。カタルーニャ映画・視聴覚学校を卒業し、CMとミュージック・ビデオを手がける。監督デビュー作『永遠のこどもたち』(07)でゴヤ賞14部門にノミネートされ、新人監督賞など7部門を受賞。続く『インポッシブル』(12)もゴヤ賞14部門の候補となり、監督賞を含む5部門を受賞した。2014年にはTVシリーズ「ナイトメア ~血塗られた秘密~」のふたつのエピソードの演出を務め、長編3作目のダーク・ファンタジー『怪物はささやく』(16)ではゴヤ賞9部門を独占した。アドベンチャー超大作のシリーズ通算5作目となった『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)のメガホンを執り、非凡な演出力を改めて証明したことも記憶に新しい。

  • 製作:ベレン・アティエンサ

    キャリアの初期に『パンズ・ラビリンス』(06)、『アラトリステ』(06)、『永遠のこどもたち』(07)、『チェ 28歳の革命』(08)、『チェ 39歳 別れの手紙』(08)などに製作総指揮で携わる。『永遠のこどもたち』で初めて組んだJ・A・バヨナ監督とはその後もコラボレーションを継続し、『インポッシブル』(12)、『怪物はささやく』(16)、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)で製作を務めた。そのほかに製作で参加した主な作品は『ザ・エンド』(12)、『ブラック・ハッカー』(14)、『ザ・レイジ 果てしなき怒り』(15)など。

  • 撮影監督:シャビ・ヒメネス

    スペイン映画界を代表する撮影監督のひとりである。『10億分の1の男』(01)で初めてゴヤ賞撮影賞の候補となり、2度目のノミネートとなった『アレクサンドリア』(09)で同賞を初受賞した。ジャウマ・バラゲロ監督とのコラボレーションでも知られ、『ネイムレス 無名恐怖』(99)、『ダークネス』(02)、『機械じかけの小児病棟』(05)の撮影監督を務めている。そのほかの主な作品は『モルタデロとフィレモン』(03)、『マシニスト』(04)、『レッド・ライト』(12)、『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』(16)など。

  • 美術監督:パトリック・サルバドル

    ガベ・イバニェス監督作品『シャッター ラビリンス』(09・未)、フェルナンド・ゴンサレス・モリナ監督の『空の上3メートル』(10・未)と『その愛を走れ』(12・未)などにアート・ディレクターとして携わる。初めてプロダクション・デザインを手がけた映画は、イバニェス監督と再び組んだSFサスペンス『オートマタ』(14)。同作品で構築したディストピア世界は高く評価され、ゴヤ賞美術賞にノミネートされた。

  • 音楽:フェルナンド・ベラスケス

    J・A・バヨナ監督と組んだ『永遠のこどもたち』(07)、『インポッシブル』(12)でゴヤ賞音楽賞にノミネートされ、『怪物はささやく』(16)で同賞を初受賞した。そのほかの主な作品は『美しすぎる母』(07)、『ロスト・アイズ』(10)、『デビル』(11)、『チャイルドコール 呼声』(11)、『ラスト・デイズ』(13)、『MAMA』(13)、『ヘラクレス』(14)、『クリムゾン・ピーク』(15)、『コロニア』(15)、『高慢と偏見とゾンビ』(16)、『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』(16)など。マドリードのテアトロ・レアル歌劇場などのオーケストラで演奏する一流のチェロ奏者でもある。

配信

2019年10月2日(水)より各種プラットフォームにて配信開始

マローボーン家の掟

2017年/スペイン・アメリカ/原題:MARROWBONE/シネマスコープ/5.1ch/110分/G
配給:キノフィルムズ・木下グループ
©2017 MARROWBONE, SLU; TELECINCO CINEMA, SAU; RUIDOS EN EL ATICO, AIE. All rights reserved.
※配信開始日・終了日は各プラットフォームにより異なる場合がございます。Blu-ray・DVDはメーカーウェブサイト、各小売店等にてお買い求めください。