2月21日(金)、TOHOシネマズ 日比谷他にて公開
脚本家・田中陽造が40年前に執筆した”幻の脚本”を、根岸吉太郎監督が映画化。天才詩人・中原中也を日本を代表する文芸評論家・小林秀雄。そして2人の非凡な青年たちに愛された女優・長谷川泰子。まだ何者でもなかった実在の若者たちの決して戻れない愛と、青い春を描く。
京都。まだ芽の出ない女優、長谷川泰子(広瀬すず)は、まだ学生だった中原中也(木戸大聖)と出逢った。20歳の泰子と17歳の中也。どこか虚勢を張るふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。価値観は違う。けれども、相手を尊重できる気っ風のよさが共通していた。
東京。泰子と中也が引っ越した家を、小林秀雄(岡田将生)がふいに訪れる。中也の詩人としての才能を誰よりも知る男。そして、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。男たちの仲睦まじい様子を目の当たりにして、泰子は複雑な気持ちになる。才気あふれるクリエイターたちにどこか置いてけぼりにされたようなさみしさ。
しかし、泰子と出逢ってしまった小林もまた彼女の魅力に気づく。本物を求める評論家は新進女優にも本物を見出した。そうして、複雑でシンプルな関係がはじまる。重ならないベクトル、刹那のすれ違い。ひとりの女が、ふたりの男に愛されること。それはアーティストたちの青春でもあった。
駆け出しの女優/長谷川泰子 役
1998年6月19日生まれ、静岡県出身。
12年「Seventeen」の専属モデルとして芸能界デビュー。ドラマ「幽かな彼女」(13)で女優としての活動を開始。主な出演作に、『海街diary』(15)、『バケモノの子』(15)、『ちはやふる』シリーズ(16、18)、『四月は君の嘘』(16)、『怒り』(16)、『三度目の殺人』(17)、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(17)、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)、『ラストレター』(20)、『一度死んでみた』(20)、『いのちの停車場』(21)、『流浪の月』(22)、『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』(23)、『水は海に向かって流れる』(23)、『キリエのうた』(23)など。公開待機作に『片思い世界』(25年公開予定)、『宝島』(25年公開予定)、『遠い山なみの光』(25年夏公開予定)などがある。
文芸評論家/小林秀雄 役
1989年8月15日生まれ、東京都出身。
2006年デビュー。近年の主な出演作に、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)、『ドライブ・マイ・カー』(21)、「大豆田とわ子と三人の元夫」(21)、『1秒先の彼』(23)、『ゆとりですがなにか インターナショナル』(23)、『ラストマイル』(24)、NHK連続テレビ小説「虎に翼」(24)、「ザ・トラベルナース」(24)、『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(24)などがある。
天才詩人/中原中也 役
1996年12月10日生まれ、福岡県出身。
17年俳優デビュー。22年、Netflixオリジナルシリーズ「First Love 初恋」で佐藤健扮する主人公の若き頃を好演し、一躍注目を集める。主な出演作に、「ドラフトキング」(23)、「僕たちの校内放送」(23)、「ゆりあ先生の赤い糸」(23)、Netflixオリジナルシリーズ「忍びの家 House of Ninjas」(24)、「万博の太陽」(24)、「9ボーダー」(24)、「海のはじまり」(24)、『きみの色』(24)など。待機作にNHK夜ドラ「バニラな毎日」(25年1月20日スタート)がある。
1950年8月24日生まれ、東京都出身。
早稲田大学第一文学部演劇学科修了後、日活に入社。78年『オリオンの殺意より、情事の方程式』で初監督。81年『遠雷』でブルーリボン賞監督賞、芸術祭選奨新人賞を受賞し、05年『雪に願うこと』で芸術選奨文部科学大臣賞、第18回東京国際映画祭の4部門受賞をはじめ、多くの映画賞を獲得する。09年、映画『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』では、モントリオール世界映画祭 最優秀監督賞受賞。10年には紫綬褒章を受章。主な監督作品に『狂った果実』(81)、『探偵物語』(83)、『ひとひらの雪』(85)、『ウホッホ探検隊』(86)、『永遠の1/2』(87)、『絆-きずな-』(98)、『透光の樹』(04)、『サイドカーに犬』(07)などがある。
1939年東京・日本橋生まれ。
鈴木清順、大和屋竺らと脚本家グループ「具流八郎」で活動、『殺しの烙印』(67)でデビュー。70年代から、『花と蛇』『おんなの細道 濡れた海峡』(80)など、日活ロマンポルノの中心的な脚本家として活躍。その他、鈴木清順監督の大正浪漫三部作、『ツィゴイネルワイゼン』(80)、『陽炎座』(81)、『夢二』(91)、曽根中生監督『嗚呼!! 花の応援団』シリーズ(76~77)、相米慎二監督『セーラー服と機関銃』(81)、『魚影の群れ』(83)、『夏の庭The Friends』(85)、渡邊孝好監督『居酒屋ゆうれい』(94)、杉田成道監督『最後の忠臣蔵』(10)など多数の脚本を手がける。根岸吉太郎監督とは『透光の樹』(04)、『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』(09/第64回毎日映画コンクール脚本賞を受賞)以来のタッグとなる。