“アイアンクロー=鉄の爪”を得意技とし、1960~70年代に日本でもジャイアント馬場やアントニオ猪木らと激闘を繰り広げた、アメリカの伝説的なプロレスラー、フリッツ・フォン・エリック。
本作は、そんな絶対的な権力者である父の教えに従ってプロレスの道を選び、世界ヘビー級王者になることを宿命づけられた兄弟の実話をもとにした知られざる衝撃のドラマである。
いつしか“呪われた一家”と呼ばれるようになったフォン・エリック家は、リック・フレアー、ハリー・レイス、ファビュラス・フリーバーズといった人気レスラーたちとの激闘のなかで、プロレス界で栄光を築き上げながらも相次ぐ悲劇によって引き裂かれそうになっていく。
そのなかで彼らが辿った壮絶な道のりを、長男ケビンの視点からドラマチックに描いた作品となっている。
1980年初頭、熾烈な競争のプロレス界に歴史を刻んだ“鉄の爪”フォン・エリック一家。父フリッツ(ホルト・マッキャラニー)は元AWA世界ヘビー級王者。そんな父親に育てられた息子の次男ケビン(ザック・エフロン)、三男デビッド(ハリス・ディキンソン)、四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)、五男マイク(スタンリー・シモンズ)ら兄弟は、父の教えに従いプロレスラーとしてデビュー、“プロレス界の頂点”を目指す。デビッドが世界ヘビー級王座戦へ指名を受けた直後、日本でのプロレスツアー中に急死する。ここからフォン・エリック家は次々と悲劇に見舞われる。いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになったその真実と、ケビンの数奇な運命とは――
Zac Efron / ケビン・フォン・エリック役
1987年10月18日生まれ、アメリカ・カリフォルニア州出身。2000年代初頭からテレビドラマに出演しキャリアをスタートさせる。ディズニー・チャンネルの「ハイスクール・ミュージカル」(06)シリーズの主人公ボルトン役で大ブレイクする。ミュージカル映画『ヘアスプレー』(07)、『ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー』(08)、『セブンティーン・アゲイン』(09)など大ヒット作への出演が続き人気俳優として活躍する。主な出演作に『ニューイヤーズ・イブ』(11)、『ペーパーボーイ 真夏の引力』(12)、『ネイバーズ』シリーズ(14~16)、『ダーティ・グランパ』(16)、『グレイティスト・ショーマン』(17)、『テッド・バンディ』(19)、『ビーチ・バム まじめに不真面目』(19)、『炎の少女チャーリー』(22)など。ニコール・キッドマンと2度目の共演となるNETFLIX製作のロマンティック・コメディ「A Family Affair(原題)」の配信が控えている。また、2023年12月にはハリウッド殿堂入りを果たした。
Jeremy Allen White / ケリー・フォン・エリック役
1991年2月17日生まれ、アメリカ・ニューヨーク・ブルックリン出身。テレビシリーズを中心に活躍。大ヒットドラマシリーズ「シェイムレス 俺たちに恥はない」(2011~21)で演じたリップ・ギャラガー役で注目を集める。さらに「一流シェフのファミリーレストラン」(2022~放送中)では主人公の悩めるシェフ役を演じ、一躍人気を博す。第80、81回ゴールデングローブ賞男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を2年連続受賞、第29回全米映画俳優組合賞男優賞(コメディシリーズ)、第28回クリティクス・チョイス・アワードテレビ部門コメディシリーズ主演男優賞を受賞するなど、その演技力が高く評価されている。主な映画出演作に、『アフタースクール』(08)、『アフター・エブリシング』(18)、『サイコハウス 血を誘う家』(20)、『フィンガーネイルズ』(23)など。
Harrison Dickinson / デビッド・フォン・エリック役
1996年6月24日生まれ、イギリス出身。若い頃から俳優、映画制作を志し、高校中退後、ロンドンの演劇学校で学ぶ。初主演作『ブルックリンの片隅で』(17)でフランキー役を演じ、インディペンデント・スピリット・アワードの主演男優とゴッサム・インディペンデント映画賞のブレイクスルー・アクター賞にノミネートされ、ロンドン映画批評家協会賞でヤングブリティッシュ/アイルランド・パフォーマー賞を受賞。さらに2022年には多様な映画・テレビ作品において高い評価を得る。その他の主な出演作に、『ブルックリンの片隅で』(17)、『マレフィセント2』(19)、『マティアス&マキシム』(19)、『キングスマン:ファースト・エージェント』(20)、『ウエスト・エンド殺人事件』(22)、『ザリガニの鳴くところ』(22)、『逆転のトライアングル』など。
Maura Tierney/ ドリス・フォン・エリック役
1965年2月3日生まれ、アメリカ・ボストン出身。1999~2009年まで大ヒットドラマシリーズ「ER 緊急救命室」に看護師アビー・ロックハート役でレギュラー出演し、人気となる。乳がんの治療のため一時期治療に専念する。その後は、「グッド・ワイフ」(2012~2013)に出演、さらに「アフェア 情事の行方」(2014~2019)では、第73回ゴールデングローブ賞テレビドラマ部門で助演女優賞を受賞する。近年の主な出演作に、『Anything』(17)、『ビューティフル・ボーイ』(18)、「ザ・レポート」(19)など。
Stanley Simons / マイク・フォン・エリック役
オーストラリア・シドニー生まれ、上海や香港でも過ごし、現在はニューヨークを拠点としている。2019年、ピーター・リー監督『エンゼルフィッシュ』で長編映画デビューを果たす。2021年サンダンス映画祭でプレミア上映された『スペリオール』に出演し注目を集め、今後の活躍が期待される。
Maura Tierney / フリッツ・フォン・エリック役
1963年9月3日生まれ、アメリカ・ニューヨーク出身。大人気ドラマシリーズ「CSI:マイアミ」(2003~2005年)に出演し広く知られるようになる。また、NETFLIXシリーズ「マインドハンター」(2017~2019)でビル・テンチ刑事を演じ広く称賛された。近年の主な出演作に、『ファイトクラブ』(99)、『ハドソン川の奇跡』(16)、『グリーンランド‐地球最後の2日間』(20)、『キャッシュトラック』(21)、『アイス・ロード』(21)など。
Lily James / パム役
1989年4月5日生まれ、イギリス出身。2012年~2015年まで人気TVシリーズ「ダウントン・アビー」にローズ・マクレア役で出演、注目を集める。世界中で大ヒットを記録した、ケネス・ブラナー監督の『シンデレラ』(15)で主役を務め、大ブレイクを果たす。その後も、『ベイビー・ドライバー』(17)、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(17)などで多種多様な役を演じ、若手演技派女優のひとりとして活躍。その他の出演作に、『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』(18)、『イエスタデイ』(19)、『時の面影』(21)、『きっと、それは愛じゃない』(22)など。
1981年12月9日生まれ、カナダ出身。2011年『マーサ、あるいはマーシー・メイ』で長編デビューを果たす。同年のサンダンス映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、監督賞を受賞。さらに第64回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門、第36回トロント国際映画祭でも上映され、その他数多くの映画賞にノミネート、高い評価を受けた。2作目『不都合な理想の夫婦』(19)は2020年サンダンス映画祭でプレミア上映、翌年の英国インディペンデント映画祭で最優秀英国インディペンデント映画賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を含む6部門にノミネートされた。以降も監督、脚本家、プロデューサーとして幅広く活躍。リミテッドシリーズ「DEAD RINGERS」(22)の監督・製作を担当し、2023年エミー賞の優秀撮影賞などいくつかの賞にノミネートされた。
2023年/アメリカ//原題:THE IRON CLAW/英語/カラー・モノクロ/ビスタ/132分/G
提供:木下グループ/配給:キノフィルムズ
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