2021年10月13日(水)配信
自身が生まれ育ったマルセイユ周辺を舞台に、労働者階級や移民など社会的に弱い立場の人々の人生を温かな眼差しで見つめ続け、〈フランスのケン・ローチ〉と称えられるロベール・ゲディギャン監督。
本国で半年以上のロングラン上映を成し遂げた大ヒット作『マルセイユの恋』や『幼なじみ』『キリマンジャロの雪』などで高く評価され、ベルリン、ヴェネチアや、審査員も務めたカンヌ国際映画祭の常連でもある名匠が、映画人生40年の集大成となる傑作を完成させた。
空と海を一望できる美しい入り江沿いにあり、かつては別荘地として賑わったが、今ではすっかり寂れた町で、過去にとらわれて絆を見失い、明日へと踏み出せない家族が描かれる。だが、彼らが〈人生を変える新しい出会い〉を受け入れたことで、再び未来が輝き始める。
こんな時代だからこそ、人と人の繋がりが何よりも大切だと、忘れられないラストシーンが教えてくれる感動作。今、世界が忘れた優しさが、ここにある。
マルセイユ近郊の海辺の家に、父との最期の日々を過ごすために集まる3人の子供たち
それぞれが胸に秘めた過去と向き合う時間を、漂着した難民の子供たちが思わぬ希望に変えていく──
パリに暮らす人気女優のアンジェルは、20年ぶりにマルセイユ近郊の故郷へと帰って来る。家業である小さなレストランを継いだ上の兄のアルマンと、最近リストラされて若い婚約者に捨てられそうな下の兄のジョゼフが迎えてくれる。兄妹3人が集まったのは、父が突然、倒れたからだ。
意識はあるもののコミュニケーションが取れなくなった父と、家族の思い出の詰まった海辺の家をどうするのか、話し合うべきことはたくさんあった。だが、それぞれが胸に秘めた過去が、ひとつひとつあらわになっていく。
昔なじみの町の人々も巻き込んで、家族の絆が崩れそうになったその時、兄妹は入り江に漂着した3人の難民の子供たちを発見する──。
© AGAT FILMS & CIE – France 3 CINEMA – 2016
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