キノフィルムズ

公開終了
2019年8月2日(金)公開

世界の涯ての鼓動

偶然と呼ぶにはあまりにも深い出逢い
男はテロリストの待つ国、女は前人未踏の深海へ
絶体絶命の「死地」でのミッションが二人を引き裂く──
巨匠、ヴィム・ヴェンダース監督が送るラブサスペンス

イントロダクション

イントロダクション画像

ノルマンディーの海辺に佇むホテルで出会い、わずか5日の間で情熱的な恋におちたダニー(アリシア・ヴィキャンデル)とジェームズ(ジェームズ・マカヴォイ)は、別れの朝の引き裂かれるような痛みに、互いに生涯の相手だと気付く。だが、生物数学者のダニーには、グリーンランドの深海に潜り地球上の生命の起源を解明する調査が、MI-6の諜報員であるジェームズには、南ソマリアに潜入し爆弾テロを阻止する任務が待っていた。ダニーには地球の未来が、ジェームズには世界の運命がかかっている。二人は、たった一つのミスで命を落とすという危険な仕事へと旅立つのだった。
やがて恐れは現実となり、ダニーの潜水艇が海底で操縦不能となり、ジェームズはジハード戦士に拘束されてしまう。死が目前まで迫る闇に閉じ込められ、愛の記憶に救いを求める二人。果たして彼らは、この極限の死地を抜け出し、最愛の人を再びその胸に抱きしめることができるのか──?
『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』のヴィム・ヴェンダース監督が世界の果てと涯てに引き裂かれた恋人たちを描く、狂おしくも切ないラブサスペンス

ストーリー

ストーリー画像

ダニー・フリンダーズ(アリシア・ヴィキャンデル)は、ひたすら1本の電話を待っていた。水道事業の指導をするために、ケニアへ行くと言った恋人、ジェームズ・モア(ジェームズ・マカヴォイ)からの連絡を切望していたのだ。だが、ジェームズは南ソマリアにいた──。
二人が出会ったのは、1か月ほど前のこと。ジェームズの本当の仕事は、MI-6の諜報員。南ソマリアに潜入し、爆弾テロを計画中の組織を阻止するという命がけの任務を控えていた。その前に5日間の休暇を取ったジェームズは、ノルマンディーの海辺に佇む瀟洒なホテルを訪れたのだ。
同じホテルに、やはりバカンスで泊まっていたのが、海洋生物数学者のダニーだった。彼女には探査艇で、超深海層からさらに数キロ下に潜る調査が待っていた。すべての生命が深海から誕生したことを証明するためだが、もし艇に亀裂が入ったら酸素が無くなって窒息死するのを待つしかないという、死と隣り合わせの危険な任務でもあった。
二人は初めて会った瞬間から強く惹かれ合い、会話の中で互いのエスプリと知性に魅了され、初めてキスを交わした時には、すでに激しい恋におちていた。だが、最初は互いにどんなに燃え上がっても、ひと時の恋だと思っていた。人生を捧げてきた仕事より、大切なものに出会ったことなどなかったのだ──今までは。しかし、別れの朝、身体を引き裂かれるようなあまりの辛さに、二人は互いが運命の相手だと気付く。それでも、ジェームズは人々の命を救うため、ダニーは人類の謎を解明するために、どうしても成し遂げなければならないミッションへと旅立つのだった。
そうして、ジェームズはソマリアへ降り立ったのだが、まもなくジハード戦士に拘束されてしまう。ろくに食べ物も飲み物も与えられず、太陽の光がわずかにしか差さない石造りの小屋に監禁されたジェームズは、心が折れそうになるたびに、ダニーとの愛に満ちた時間を思い出す。やがてアルカイダの司令官の元へ連れて行かれたジェームズは改宗を迫られるが、きっぱりと断り、さらに危険な奥地へと連行されていく。
一方のダニーは、船舶アタラント号でアイスランドのその先のヤンマイエン島へ向かっていた。そして遂に、潜水艦ノチール号に3人のチームで乗り込み、深海へと潜る。だが、海底に到着した時、ノチール号は操縦不能になってしまう。ちょうどその頃、ジェームズはアルカイダの海岸の基地で、銃を突き付けられていた。果たして二人は絶体絶命の死地を抜け出し、海の果てと涯てに引き裂かれた最愛の人と、再会することが出来るのか──?

ジェームズ・マカヴォイ

|ジェームズ・モア|
1979年、スコットランド生まれ。ロイヤル・スコティッシュ・アカデミーで演技を学び、1995年『The Near Room』(未)で映画デビュー。TVミニシリーズの「バンド・オブ・ブラザース」、「デューン 砂の惑星 II」等を経て、2005年の「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」で世界的に注目される存在に。そして『ラストキング・オブ・スコットランド』(06)では、イギリスやヨーロッパの各映画賞で称賛され、英国アカデミー賞ライジング・スター賞に輝いた。以降、ゴールデングローブ賞 主演男優賞部門にノミネートされロンドン映画批評家協会賞英国主演男優賞を受賞した『つぐない』(07)や、世界的に人気の高い『X-MEN』シリーズ、M・ナイト・シャマラン監督の『スプリット』(17)、『ミスター・ガラス』(19)等の話題作に次々と出演し実力派として有望視されている。最新作に『X-MEN:ダークフェニックス』(19)、『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』(19) が控える。

アリシア・ヴィキャンデル

|ダニー・フリンダーズ|
1988年、スウェーデン生まれ。2002年のTVムービー『Min balsamerade mor(原題)』で女優デビュー。キーラ・ナイトレイ主演作『アンナ・カレーニナ』(12)やマッツ・ミケルセン共演の『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(12)での演技が高く評価され、ガイ・リッチー監督の『コードネーム U.N.C.L.E.』(15)等の話題作に出演。人工知能に扮した『エクス・マキナ』(15)、夫の変化に苦悩する妻を熱演したエディ・レッドメイン主演作『リリーのすべて』(15)がゴールデン・グローブ賞でそれぞれ助演と主演でノミネートされるという快挙を成し遂げ、さらにアカデミー賞助演女優賞に輝き、瞬く間に世界にその名を広めた。近年の出演作に『光をくれた人』(16)、『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』(17)、『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(18)があり、続編の公開も決定している。

アレクサンダー・シディグ

|ドクター・シャディッド|
1965年、スーダン生まれ。テレビドラマ「スタートレック」シリーズ3作目「ディープ・スペース・ナイン」のドクター・ジュリアン・ベシア役で注目される。映画への出演作は、『バーティカル・リミット』(00)、『キングダム・オブ・ヘブン』(05)、『シリアナ』(05)、『カイロ・タイム 異邦人』(09)、『ミラル』(10)。テレビシリーズでは『ダヴィンチと禁断の謎』シリーズ、『GOTHAM/ゴッサム』シリーズ等がある。

レダ・カテブ

|サイーフ|
1977年、フランス生まれ。2015年、『ヒポクラテスの子供達』で第40回セザール賞助演男優賞を受賞。また同年、芸術文化勲章シュヴァリエ(騎士)を受賞。出演作に『預言者』(09)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)、『黒いスーツを着た男』(12)、『不機嫌なママにメルシィ!』(13)、『涙するまで、生きる』(13)、ヴィム・ヴェンダース監督の『アランフエスの麗しき日々』(16)、伝説のジャズギタリストを熱演した『永遠のジャンゴ』(17)等がある。

アキームシェイディ・モハメド

|アミール・ユスフ・アル=アフガニ|
1978年、ソマリア生まれ。戦争で荒れ果てた首都・モガディシュで育ち、ウガンダ、南スーダン等の紛争地帯で生活した後、アメリカに渡り、俳優、監督、プロデューサー業等様々な分野で活躍する。近年の出演作に『The Norwalk Witness』(16・未)『The Pirates of Somalia』(17・未)等がある。

スタッフ

  • 監督:ヴィム・ヴェンダース

    1945年ドイツ生まれ。1967年より映画監督の活動をスタート。『アラバマ:2000光年』(69)、『3枚のアメリカのLP』(69)等短編映画8本を製作した後、『都市の夏』(70)で長編監督デビューを果たす。『都会のアリス』(74)『まわり道』(75)『さすらい』(76)が、ロードムービー3部作として高い評価を得た後、『ことの次第』(82)でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、『パリ、テキサス』(84)ではカンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲得。次いで『ベルリン・天使の詩』(87)でカンヌ国際映画祭監督賞を、その続編『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース』(93)ではカンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞する。さらに、音楽ドキュメンタリー『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)が世界的に絶賛され、『Pina/ピナ・バウシュ 躍り続けるいのち』(11)がアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされる等、ドキュメンタリー映画でもその手腕を発揮。また、小津安二郎にオマージュを捧げた『東京画』(85)や、ファッションデザイナー山本耀司を追った『都市とモードのビデオノート』(89)等、日本映画や日本文化に対しての思い入れが深いことでも知られる。その他の代表作に、『アメリカの友人』(77)、『ハメット』(82)、『夢の涯てまでも』(91)、『リスボン物語』(94)、『愛のめぐりあい』(95)、『エンド・オブ・バイオレンス』(97)、『ミリオンダラー・ホテル』(00)、『アメリカ、家族のいる風景』(05)、『それぞれのシネマ』(08)、『もしも建築が話せたら』(14)、『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』(14)、『誰のせいでもない』(15)、『アランフエスの麗しき日々』(16)等がある。

  • 脚本:エリン・ディグナム

    過去作に、監督、脚本を担当した『愛に渇いて』(91・未)、同じく監督と脚本を担当し、インディペンデント・スピリット賞にノミネートされた『ギルティ・オブ・ラブ』(96・未)、エディ・レッドメイン、クリステン・スチュワート出演作『イエロー・ハンカチーフ』(08)、シャーリーズ・セロン、ハビエル・バルデム主演の『ラスト・フェイス』(16・未)等がある。

  • 撮影:ブノワ・デビエ

    1968年、ベルギー生まれ。ギャスパー・ノエ監督の『アレックス』(02)と『エンター・ザ・ボイド』(09)、『LOVE【3D】』(15)、ハーモニー・コリン監督の『スプリング・ブレイカーズ』(13)、ライアン・ゴズリング監督の『ロスト・リバー』(14)等の映画作品で撮影を手がける。2011年、雑誌『バラエティ』で「注目すべき10人の撮影監督」に選出された。ヴェンダース監督とは『誰のせいでもない』(15)『アランフエスの麗しき日々』(16)に続き、本作が3作目のタッグとなる。

  • 音楽:フェルナンド・ベラスケス

    1976年、スペイン生まれ。J・Aバヨナ監督の『永遠のこどもたち』(07)、『インポッシブル』(12)でゴヤ賞音楽賞にノミネートされ、『怪物はささやく』(16)で同賞を初受賞した。その他、『美しすぎる母』(07)、『ロスト・アイズ』(10)、『デビル』(11)、『ラスト・デイズ』(13)、『ヘラクレス』(14)、『クリムゾン・ピーク』(15)、『高慢と偏見とゾンビ』(16)、『マローボーン家の掟』(19)等がある。

配信

2020年2月5日(水)より各種プラットフォームにて配信開始

世界の涯ての鼓動

2017年/ドイツ・フランス・スペイン・アメリカ/原題:Submergence/英語・アラビア語/ビスタサイズ/5.1ch/112分/G
配給:キノフィルムズ・木下グループ
©2017 BACKUP STUDIO NEUE ROAD MOVIES MORENA FILMS SUBMERGENCE AIE
※配信開始日・終了日は各プラットフォームにより異なる場合がございます。Blu-ray・DVDはメーカーウェブサイト、各小売店等にてお買い求めください。