キノフィルムズ

ジョーンの秘密

ジョーンの秘密

スパイ容疑で告発されたジョーン。
仲間や家族を裏切ってまで、彼女は何を守ろうとしたのか―
ジョーンを突き動かしたものとは?

イントロダクション

世界がミレニアムに浮かれていた2000年、英国では驚愕のニュースが国内を駆け抜けた。ソ連のKGBに核開発の機密を漏洩していた“核時代最後のスパイ”が、MI5の手によって暴かれたと報道されたのだ。だが、人々に衝撃を与えたのは、その事実よりも容疑をかけられた“その人物”だった。まさに私たちの隣に住んでいるような80代の老女だったのだ。ジョーンは信じられないほどの過去を隠し続けて静かに生活を送っていた…。この数奇な実話をもとに、英国の作家ジェニー・ルーニーが書き上げ、ベストセラーとなった小説の映画化が実現した。
優しく温かな表情の下に、ドラマティックな半生を、実の息子にも隠していたジョーンには、アカデミー賞®に7度ノミネートされ、『恋におちたシェイクスピア』で受賞した、英国映画・演劇界の至宝、ジュディ・デンチ。ケンブリッジ大学で物理学を学び、第二次世界大戦中に、核開発の機密任務についた若かりし頃のジョーンには、大ヒットシリーズ『キングスマン』で人気を獲得したソフィー・クックソン。恋と政治の駆け引きで彼女を翻弄するロシア人の恋人レオには、TVシリーズ「女王ヴィクトリア」のアルバート役で高く評価されたトム・ヒューズ。監督は、「マクベス」や「冬物語」などジュディ・デンチの名作舞台を何作も演出し、絶大なる信頼を受けるトレヴァー・ナン。
ジョーンは祖国を裏切ったのか、KGBに利用されたのか、レオへの愛のためなのか、それとも──スリリングな謎解きに息をのみ、クライマックスのジョーンのスピーチに、今を生きる私たちに深くつながる物語であることに気づかされる衝撃作。

ストーリー

夫に先立たれ、仕事も引退したジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、イギリス郊外で穏やかな一人暮らしを送っていた。ところが、2000年5月、ジョーンは突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。ソ連に機密情報を流したというスパイ容疑だった。ジョーンは無罪を主張するが、先ごろ死亡した外務事務次官のW・ミッチェル卿が遺した資料から、彼とジョーンがKGBと共謀していた証拠が出てきたというのだ。
捜査官の取り調べは、1938年まで遡る。ジョーンがケンブリッジ大学で物理学を学んでいた頃だ。事の始まりは、同じ学年のユダヤ系ロシア人ソニア(テレーザ・スルボーヴァ)との出会いだった。ジョーン(ソフィー・クックソン)は、彼女に誘われて参加した共産主義の会合で、ソニアの従弟のレオ・ガーリチ(トム・ヒューズ)に紹介される。カリスマ性を放つレオと、たちまち恋におちるジョーン。ミッチェル卿と知り合ったのもその会だった。
監視付きの帰宅が許されたジョーンのもとへ、彼女の息子で弁護士を務めるニック(ベン・マイルズ)が訪ねて来る。事情を聴いたニックは、母の取り調べに立ち会うことにする。次の尋問は、1941年、原子力開発機関で事務員として働き始めた頃に及ぶ。ケンブリッジでトップの成績だったジョーンは、プロジェクトリーダーであるマックス・デイヴィス教授(スティーヴン・キャンベル・ムーア)にその才能を認められ、原爆開発という機密任務に参加することになる。すると、その情報を仕入れたレオに、原爆の設計図や研究結果をロシア側に提供するよう要求される。レオのことは愛していたが、共産主義に賛同できないジョーンはきっぱりと断り、レオに利用されているだけなのかと傷つくのだった。
1945年、アメリカ、イギリス、カナダの協力が実り原爆実験は成功、アメリカが広島と長崎に原爆を落とす。ジョーンは何十万もの人々が亡くなったというニュースを聞き、焼け野原の映像を見て激しく動揺する。
捜査官の厳しい追及は続き、全く知らなかった母の過去にニックは愕然とする。やがてジョーンの名前と容疑が報道され、ジョーンは自宅前で記者会見を開くことを決意する。果たして、彼女が発表した“真相”とは──?

© TRADEMARK (RED JOAN) LIMITED 2018
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劇場公開日
2020年8月7日(金)
時間
101分
スタッフ
監督:トレヴァー・ナン
キャスト
ジュディ・デンチ
ソフィー・クックソン
トム・ヒューズ
スティーヴン・キャンベル・ムーア
ベン・マイルズ