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2020年12月16日（水）より各種プラットフォームにて配信開始
世界がミレニアムに浮かれていた2000年、英国では驚愕のニュースが国内を駆け抜けた。ソ連のKGBに核開発の機密を漏洩していた“核時代最後のスパイ”が、MI5の手によって暴かれたと報道されたのだ。だが、人々に衝撃を与えたのは、その事実よりも容疑をかけられた“その人物”だった。まさに私たちの隣に住んでいるような80代の老女だったのだ。ジョーンは信じられないほどの過去を隠し続けて静かに生活を送っていた…。この数奇な実話をもとに、英国の作家ジェニー・ルーニーが書き上げ、ベストセラーとなった小説の映画化が実現した。
優しく温かな表情の下に、ドラマティックな半生を、実の息子にも隠していたジョーンには、アカデミー賞®に7度ノミネートされ、『恋におちたシェイクスピア』で受賞した、英国映画・演劇界の至宝、ジュディ・デンチ。ケンブリッジ大学で物理学を学び、第二次世界大戦中に、核開発の機密任務についた若かりし頃のジョーンには、大ヒットシリーズ『キングスマン』で人気を獲得したソフィー・クックソン。恋と政治の駆け引きで彼女を翻弄するロシア人の恋人レオには、TVシリーズ「女王ヴィクトリア」のアルバート役で高く評価されたトム・ヒューズ。監督は、「マクベス」や「冬物語」などジュディ・デンチの名作舞台を何作も演出し、絶大なる信頼を受けるトレヴァー・ナン。
ジョーンは祖国を裏切ったのか、KGBに利用されたのか、レオへの愛のためなのか、それとも──スリリングな謎解きに息をのみ、クライマックスのジョーンのスピーチに、今を生きる私たちに深くつながる物語であることに気づかされる衝撃作。
夫に先立たれ、仕事も引退したジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、イギリス郊外で穏やかな一人暮らしを送っていた。ところが、2000年5月、ジョーンは突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。ソ連に機密情報を流したというスパイ容疑だった。ジョーンは無罪を主張するが、先ごろ死亡した外務事務次官のW・ミッチェル卿が遺した資料から、彼とジョーンがKGBと共謀していた証拠が出てきたというのだ。
捜査官の取り調べは、1938年まで遡る。ジョーンがケンブリッジ大学で物理学を学んでいた頃だ。事の始まりは、同じ学年のユダヤ系ロシア人ソニア(テレーザ・スルボーヴァ)との出会いだった。ジョーン(ソフィー・クックソン)は、彼女に誘われて参加した共産主義の会合で、ソニアの従弟のレオ・ガーリチ(トム・ヒューズ)に紹介される。カリスマ性を放つレオと、たちまち恋におちるジョーン。ミッチェル卿と知り合ったのもその会だった。
監視付きの帰宅が許されたジョーンのもとへ、彼女の息子で弁護士を務めるニック(ベン・マイルズ)が訪ねて来る。事情を聴いたニックは、母の取り調べに立ち会うことにする。次の尋問は、1941年、原子力開発機関で事務員として働き始めた頃に及ぶ。ケンブリッジでトップの成績だったジョーンは、プロジェクトリーダーであるマックス・デイヴィス教授(スティーヴン・キャンベル・ムーア)にその才能を認められ、原爆開発という機密任務に参加することになる。すると、その情報を仕入れたレオに、原爆の設計図や研究結果をロシア側に提供するよう要求される。レオのことは愛していたが、共産主義に賛同できないジョーンはきっぱりと断り、レオに利用されているだけなのかと傷つくのだった。
1945年、アメリカ、イギリス、カナダの協力が実り原爆実験は成功、アメリカが広島と長崎に原爆を落とす。ジョーンは何十万もの人々が亡くなったというニュースを聞き、焼け野原の映像を見て激しく動揺する。
捜査官の厳しい追及は続き、全く知らなかった母の過去にニックは愕然とする。やがてジョーンの名前と容疑が報道され、ジョーンは自宅前で記者会見を開くことを決意する。果たして、彼女が発表した“真相”とは──？
｜ジョーン・スタンリー｜
1934年12月9日生まれ、イギリス・ヨーク州出身。これまで数多くの舞台・映画で活躍。
1957年に『ハムレット』のオフィーリア役で舞台デビュー以来、イギリスでもっとも権威ある賞のひとつローレンス・オリヴィエ賞を史上最多の8度受賞。映画では、007シリーズの“M”役で世界的に知られ『007スカイフォール』（12）まで17年間演じた。『恋におちたシェイクスピア』（98）では第71回アカデミー賞助演女優賞を受賞。さらに『Queen Victoria:至上の恋』（97）では第51回英国アカデミー賞主演女優賞、第55回ゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞し、アカデミー賞主演女優賞にもノミネート。その後も、『アイリス』（01）、『あるスキャンダルの覚え書き』（06）、『ヘンダーソン夫人の贈り物』（05）、『あなたを抱きしめる日まで』（13）でもアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。近年の主な出演作に、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』（12）、『ヴィクトリア女王 最期の秘密』（17）、『オリエント急行殺人事件』（17）、『シェイクスピアの庭』（18）、『キャッツ』（19）など。
｜ジョーン・スタンリー（若い時代）｜
1990年5月15日生まれ、イギリス・サセックス出身。オックスフォード演劇学校を卒業。在学中にテレビドラマ「Moonfleet」（13）で女優デビュー。その後『キングスマン』（15）で映画初出演、スパイ候補生の紅一点として注目を集める。主な出演作に、『スノーホワイト/氷の王国』（16）、『死霊院 世界で最も呪われた事件』（17）、『キングスマン：ゴールデン・サークル』（17）など。
｜レオ・ガーリチ｜
1986年4月18日生まれ、イギリス・チェスター出身。王立演劇学校を卒業し、学士号取得。卒業後はドラマを中心に活躍、2013年に人気ドラマ「ミス・マープル」シーズン6に出演、BBCドラマ「THE GAME」（15）に主演。70年代初期を背景にしたスパイ・スリラーでMI5の若き機密情報部員を演じて話題となる。さらに「女王ヴィクトリア 愛に生きる」（16～）で夫アルバート王子役を演じ人気を博す。主な出演作に、『アバウト・タイム 愛おしい時間について』（14）、『フラワーショウ！』（16）、『嘆きの王冠 ホロウ・クラウンリチャード二世』（17）、『マダムのおかしな晩餐会』（18）など。
｜マックス・デイヴィス教授｜
1977年11月30日生まれ、イギリス・ロンドン出身。テレビドラマ、映画、舞台などで活躍。主な出演作に、『理想の女』（05）、『ヒストリーボーイズ』（06）、『バンク・ジョブ』（08）、『デビルクエスト』（11）、『ムーンウォーカーズ』（15）、『ダウントンアビー』（19）など。
｜息子/ニック｜
1967年9月29日生まれ、イギリス・ウィンブルドン出身。BBCの人気コメディドラマ「カップリング」（00～04）に出演し一躍人気を集める。近年は、大ヒットドラマ「ザ・クラウン」（16～）でのピーター・タウンゼント役が話題となる。また、サム・メンデスが演出した舞台『リーマン・トリロジー』（20）に出演しブロードウエイでの公演を果たす。
1940年1月14日生まれ、イギリス・イプスウィッチ出身。
舞台を中心に活躍する演出家。ロイヤルシェイクスピアカンパニー、ロイヤルナショナルシアター、シアターロイヤルヘイマーケットなどの芸術監督を務めた。「マクベス」や「キャッツ」「レミゼラブル」などのオペラやミュージカルも監督し、トニー賞やローレンス・オリヴィエ賞など数々の賞を受賞し、高く評価されている。
映画監督作品は、『レディ・ジェーン/愛と運命のふたり』(85)『十二夜』（96）など。またテレビドラマの監督も務める。
2020年12月16日（水）より各種プラットフォームにて配信開始
2018年／イギリス／原題：REDJOAN／英語／カラー／スコープ／5.1ch／101分／PG12
配給：キノフィルムズ／提供：木下グループ
© TRADEMARK (RED JOAN) LIMITED 2018
※配信開始日・終了日は各プラットフォームにより異なる場合がございます。Blu-ray・DVDはメーカーウェブサイト、各小売店等にてお買い求めください。