キノフィルムズ

公開中
2024年3月22日(金)公開

ペナルティループ

新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサ他にて絶賛公開中!

それは、何度でも復讐できるプログラム。

イントロダクション

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おはようございます。6月6日、月曜日。晴れ。今日の花はアイリス。花言葉は「希望」です。——岩森淳が朝6時に目覚めると、時計からいつもの声が聞こえてくる。岩森は身支度をして家を出て、最愛の恋人・砂原唯を殺めた溝口登を殺害し、疲労困憊で眠りにつく。翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、溝口もなぜか生きている。そしてまた今日も、岩森は復讐を繰り返していく——。

復讐の6月6日を繰り返す主人公の岩森を演じるのはキャラクターをリアルに存在させることができる若き名優・若葉竜也。恋人を殺されて復讐を繰り返す中で変化していく青年の心境を、セリフに頼らずに繊細に表現する。岩森に復讐される溝口に扮するのは伊勢谷友介。若葉とのケミストリーが生まれた本作は、俳優としての新章の幕開けとなった。さらに岩森の恋人・唯役には山下リオがミステリアスな磁場として存在感を放ち、『ドライブ・マイ・カー』で知られるジン・デヨンがタイムループの謎を握るキーパーソンとして躍動する。メガホンをとったのは、ディストピア・ミステリー『人数の町』が国内外で称賛を浴びた鬼才・荒木伸二。本作でもオリジナル脚本を手がけ、仇討ちという古典的なテーマを、「ペナルティループ」という新たなアイデアに落とし込んだ。
奇想天外なアイデアに個性派が結集し、これまでのタイムループものと一線も二線も画す突然変異、唯一無二の異色作が誕生した。

ストーリー

ストーリー画像

恋人の唯を素性不明の男・溝口に殺された岩森淳は大きな喪失感を抱えながら、自らの手で犯人に復讐することを決意。綿密な計画を立て、完璧に実行したはずだったが、岩森が翌朝目覚めると、周囲の様子は昨日のまま。確かに殺したはずの溝口も生きている。そう、時間が昨日に戻っているのだ。困惑しながらも復讐を繰り返す岩森だが、何度殺しても翌朝は来ず、その度に恋人の敵を討ち続けることになる。昨日殺した敵を、今日もまた殺す。自らが選んだはずの復讐のループは否応なく繰り返され、先の読めない展開が待ち受ける異色作。何度でも復讐できるプログラム=「ペナルティループ」の果てには何があるのか——?

若葉竜也

若葉竜也 /【岩森】役
*コメント*
荒木監督とお会いしたのは確か、2022年1月の真ん中あたりでした。そこから監督、プロデューサー、スタッフと話し合いを何度も重ねて脚本を組み立てはバラシ、組み立てはバラシ、一年以上かけてやっと撮影まで辿り着きました。はしゃぐことなく、粛々と向き合いたいと思います。しっかりと血の通った映画にします。

*プロフィール*
1989年6月10日生まれ、東京都出身。2016年、『葛城事件』(赤堀雅秋監督)で第8回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞。主な出演作に『愛がなんだ』(19/今泉力哉監督)、『台風家族』(19/市井昌秀監督)、『生きちゃった』(20/石井裕也監督)、『朝が来る』(20/河瀨直美監督)、『罪の声』(20/土井裕泰監督)、『AWAKE』(20/山田篤宏監督)、『あの頃。』(21/今泉力哉監督)、初主演した『街の上で』(21/今泉力哉監督)、『くれなずめ』(21/松居大悟監督)、『前科者』(22/岸善幸監督)、『神は見返りを求める』(22/𠮷田恵輔監督)、『ぜんぶ、ボクのせい』(22/松本優作監督)、『窓辺にて』(22/今泉力哉監督)、『ちひろさん』(23/今泉力哉監督)などがある。本作が主演2作目となる。

伊勢谷友介

伊勢谷友介 /【溝口】役
*クランクアップコメント*
僕は芝居が好きなんだろうか?
現場で殺されている時も、分からなかった。でも、その予定調和(ループ)から抜け出し始めた瞬間、監督の絶妙な演出を受け感動し、若葉君のこだわりと素直さとの調和が生まれた時、それは動き始めました。キャラクターの気持ちとシンクロし始めます。役者をやる上でそれは全ての事で、僕が芝居を好きな理由そのものです。
ループしている撮影中、監督と話した時、不思議な事を言っていました。「一つの状況で多くの出来事が同時に起きている事が大好きなんだ」と。この作品が編集を経て、監督の特殊な世界観の中で、何が生まれているのか、それが楽しみです。

*プロフィール*
1976年5月29日生まれ、東京都出身。『ワンダフルライフ』(99)で俳優デビュー。『あしたのジョー』(10)で第35回日本アカデミー賞・優秀助演男優賞を始め数々の賞に輝く。『CASSHERN』(04)、『雪に願うこと』(06)、『カイジ2 人生奪回ゲーム』(11)、『飛んで埼玉』(19)、『るろうに剣心 最終章 The Final』『いのちの停車場』(21)などに出演。

山下リオ

山下リオ /【唯】役
*クランクアップコメント*
初めて監督にお会いした時、この方の頭の中を覗いてみたい!とすごく思いました。
この映画で描かれているのは、監督の頭の中の世界の、ほんのヒトカケラでしょうが、私が感じた人間への興味を満たしてくれるのでは?と思いました。
見えそうで見えない、掴めるようで掴めない、唯という役を噛み砕いていく時間はとても楽しかったです。完成を楽しみにしています。

*プロフィール*
1992年10月10日生まれ、徳島県出身。2008年、『魔法遣いに大切なこと』で映画デビューにして主演を務める。近年の映画出演に、『寝ても覚めても』(18)、『朝が来る』(20)、『あの子は貴族』(21)、『Ribbon』『母性』(22)、『零落』(23)などがある。主演ドラマ「わたしの夫は―あの娘の恋人―」(23/テレビ大阪・BSテレ東)も好評を博す。

ジン・デヨン

ジン・デヨン /【謎の男】役
*クランクアップコメント*
この映画に参加させて頂いたことに心から感謝しています。日本の映画に外国人の自分が出演することが邪魔になるのではないかと思い、撮影のない日でも現場で見学させて頂きながら映画に染み込む為にハーモニーを壊さず静かに自分の役割を果たす為に悩み考えました。監督は丁寧に説明して下さり、私が理解できるのを待ってくださいました。話を聞いて頂けるだけでも自信を持つことができとても心強く有難かったです。脚本、現場が良ければ良い作品になるのは間違いない!誰よりもこの映画の公開を待っています!

*プロフィール*
1981年7月23日生まれ、韓国・釜山出身。韓国で上演された「李舜臣」(09)、「彼女を信じないでください」(13)、「ミラクル」「オセロ」(19)などの数多くの舞台に出演。第94回アカデミー賞・国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』(21)では、演劇祭スタッフ兼韓国語通訳のユンス役を務めた。

スタッフ

  • 脚本・監督:荒木伸二

    *コメント*
    私の身体の中に蠢く情念や思想を一本の映画にしようとした時にループものにするのはどうだろうとある日、思いつきました。数あるループものの傑作のどれとも異なりどれよりも面白い一本をつくれないだろうかと。そんな気概で脚本開発に臨み仲間を巻き込み湯水のように時間を使って決定稿に辿り着きました。若葉竜也さんを始めとした豊かな表現者たちと共にこれからこの映画を撮影することが楽しみで仕方ありません。次の桜が咲く頃に公開予定です。絶対見てください。

    *プロフィール*
    1970年生まれ、東京都出身。東京大学教養学部表彰文化論学科卒。CMプランナー、クリエイティブ・ディレクターとして数々のCM、MVを手掛ける。その傍らシナリオを本格的に学び、テレビ朝日21世紀シナリオ大賞・優秀賞、シナリオS1グランプリ・奨励賞、伊参映画祭シナリオ大賞・スタッフ賞、MBSラジオ大賞・優秀賞など受賞。17年、木下グループ新人監督賞で準グランプリを受賞したオリジナル脚本『人数の町』(20/主演:中村倫也)で長編映画デビュー。同作は新藤兼人賞の最終選考作品に選出され、モスクワ国際映画祭、バンクーバー国際映画祭で招待上映を経て、シカゴで開かれたアジアンポップアップシネマ映画祭のオープニング作品に選ばれた。本作で2作目となる長編演出に挑む。

ペナルティループ

2023年/日本/99分/PG12
製作:木下グループ/制作・配給:キノフィルムズ
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