キノフィルムズ

公開終了
2016年3月12日(土)公開

母よ、

全世界の映画祭で絶賛された、
円熟期を迎えた名匠ナンニ・モレッティが"家族"を描いた最高傑作

イントロダクション

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エンドロールが流れた時、観客は、円熟期を迎えて真の名匠となった瞬間に立ち会えたことを喜んだ。2015年のカンヌ国際映画祭、ナンニ・モレッティの『母よ、』が上映された時のことである。
自身の監督作品のほとんどで、製作・脚本・出演も兼ねるモレッティは、『監督ミケーレの黄金の夢』(81)でヴェネチア国際映画祭特別金獅子賞、『ジュリオの当惑(とまどい)』(85)でベルリン国際映画祭銀熊賞、『親愛なる日記』(93)でカンヌ国際映画祭監督賞、『息子の部屋』(01)で同映画祭パルム・ドールを受賞し、世界三大映画祭を制するという快挙を成し遂げた。
そして本作『母よ、』で、家族とは、人生とは何かという普遍的なテーマに真正面から挑み、表現者として次のステージに進んだことを証明したのだ。重いテーマとイタリアが抱える深刻な社会情勢なども背景としてさらりと描きながら、登場人物それぞれを愛嬌たっぷりに描くことで、人間の愛すべき部分を絶妙なユーモアとともに描く。作家性と娯楽性とを見事に両立し、笑いと涙が相互に観客をつかむ、モレッティ作品の魅力が満喫できる。本作でカンヌではエキュメニカル審査員賞を獲得、トロント、ニューヨーク、ウィーンなど数々の国際映画祭にも出品され、世界各国で絶賛を浴びた。
さらに本国イタリアでは、アカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞、監督賞など主要部門を含む10部門にノミネートされ、うち2部門で受賞した。また本作はフランスの映画批評誌カイエ・デュ・シネマの2015年ベスト1に輝いている。

ストーリー

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仕事に生きてきた映画監督のマルゲリータは母が余命わずかと知り、貴重な家族との時間を過ごそうとするが──。
映画監督のマルゲリータは恋人とは別れたばかりで、娘は反抗期の真っただ中、新作映画の撮影は思うように進まない。一番心配なのは、兄のジョヴァンニと共に世話している入院中の母アーダのことだった。アメリカから到着した主演俳優のバリーが撮影に加わるが、気性が激しく自己主張が強いという共通点を持つ監督と主役は、現場で何かと言い争うようになる。そんな折、医師から最新の検査結果と共に、母が余命わずかだと宣告される。「母は生きたいの」と取り乱すマルゲリータが、やがて心を落ち着け、選んだ道とは──。

マルゲリータ・ブイ

-マルゲリータ
1962年1月15日生まれ、ローマ出身。イタリアを代表する女優。本作でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の最優秀主演女優賞を受賞、通算7度目となった。
主な出演作に『殺意のサン・マルコ駅』(90)『心のおもむくままに』(95)『もうひとつの世界』(98未)『イタリア的、恋愛マニュアル』(05)『題名のない子守唄』(06)『ローマ法王の休日』(11)『ローマの教室で~我らの佳き日々』(12)『はじまりは5つ星ホテルから』(13)がある。

ジョン・タトゥーロ

-バリー・ハギンズ
1957年2月28日生まれ。アメリカ、ニューヨーク市ブルックリン出身。ニューヨーク州立大学とイェール・ドラマ・スクールで修士号を得てデビュー。84年に「セールスマンの死」でブロードウェイに初出演。その後85年には幾つかの演劇賞を受賞して活躍。映画では『ドゥ・ザ・ライト・シング』以降、スパイク・リーに常連。更に『ミラーズ・クロッシング』(90)以降はコーエン兄弟の常連としても知られるようになり、91年の『バートン・フィンク』ではカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。『天井桟敷のみだらな人々』(98)など、監督業にも挑戦して多彩な才能を発揮している。
85年にキャサリン・ボロウィッツと結婚。その他の主な出演作品は『クイズ・ショウ』(94)『クロッカーズ』(95)『ガール6』『グレイス・オブ・マイ・ハート』(96)『ビッグ・リボウスキ』(98)『N.Y.式ハッピー・セラピー』(03)『シークレット・ウィンドウ』(04)『グッド・シェパード』(06)『トランスフォーマー』(07)『トランスフォーマー リベンジ』(09)『サブウェイ123 激突』(09)『カーズ2』(11、声の出演)、自ら監督を務めた『ジゴロ・イン・ニューヨーク』(13)『エクソダス:神の王』(14)。監督としては、「マック/約束の大地」(92未)でカンヌ映画祭でカメラ・ドールを受賞している。

ジュリア・ラッツァリー二

-アーダ
本作で、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2015の最優秀助演女優賞に選ばれている。
主な出演作に“DESTINO”(51)“NON HO PAURA DI VIVERE”(52)、『PRIGIONIERI DELLE TENEBRE(52)、“HO FATTO SPLASH”(81)“GRAZIE DI TUTTO”(98)、“CAPITAN BASILICO“(08)、“IL PICCOLO”(09)、マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の『フォンターナ広場 イタリアの陰謀“(12)がある。

スタッフ

  • 監督・脚本・制作:ナンニ・モレッティ

    1953年8月19日生まれ。40歳にして世界三大映画祭すべてで賞を受賞した、イタリアを代表する監督である。監督作品では脚本も書き、主演をすることもある。癖のあるユーモラスな作風で、世界中にファンを持つ。
    北イタリアのトレンティーノ=アルト・アディジェ州ブルーニコに、教師の両親の下に生まれる。父ルイジは俳優としても彼の作品に6度登場している。学生時代は映画と水球に熱中し、後に水球を舞台にした映画『赤いシュート』(89)を製作するきっかけとなる。これまでのほとんどをローマで過ごしている。20歳で短編映画を撮り始め、76年に最初の長編映画“Io sono un autarchico”を監督。77年には俳優として出演した『父 パードレ・パドローネ』がパルム・ドールを受賞。81年の『監督ミケーレの黄金の夢』でヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞受賞。85年には『ジュリオの当惑(とまどい)』ではベルリン国際映画祭、審査員グランプリを受賞。93年の『親愛なる日記』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、三大映画祭を制覇。
    2001年の『息子の部屋』でパルム・ドールを受賞。この2作はカイエ・デュ・シネマ誌の年間ベスト1にも選ばれている。2007年にはカンヌ国際映画祭にゆかりの深い監督たちのオムニバス作品『それぞれのシネマ』に参加。2011年には『ローマ法王の休日』がパルム・ドールにノミネート、2012年には審査委員長を務めるなど、カンヌ国際映画祭と縁が深い。

  • 脚本:フランチェスコ・ピッコロ、ヴァリア・サンテッラ

  • 編集:クレリオ・ベネヴェント

  • 美術:パオラ・ビザーリ

  • 撮影:アルナルド・カティナーリ

  • 衣装:ヴァレンティーナ・タヴィアーニ

  • 音響:アレッサンドロ・ザノン

母よ、

2015年/イタリア・フランス/原題:MIA MADRE/107分/ビスタサイズ/5.1ch/イタリア語/G
配給:キノフィルムズ
© Sacher Film . Fandango . Le Pacte . ARTE France Cinéma 2015