2020年8月1日(土)配信
実在の逃亡犯をモデルに“人間の業”を余すところなく表現し、多くの映画賞に輝いた傑作『顔』から16年。日本を代表する舞台女優・藤山直美と阪本順治監督が、再びタッグを組んだ!待望の新作『団地』は、完全オリジナルの会話劇。さまざまな人生が交差する団地という“小宇宙(ミクロコスモス)”を舞台に、ごく平凡な夫婦の普通じゃない日常を、独特のユーモアで描きだす。稀代のコメディエンヌ・藤山直美の未知なる魅力を引き出した、まさに新境地の“人間関係コメディ”だ。絶妙な間合いで藤山の夫役を演じるのは、岸部一徳。二人と絡む自治会長夫婦は、石橋蓮司と大楠道代の名コンビ。阪本組の常連にして最強の“じゃべくりカルテット”がここに実現した。脇を固めるのは今もっとも旬な若手男優・斎藤工をはじめ、磨赤兒、宅間孝行、竹内都子、濱田マリなど芸達者たち――。飛び交うブラックな噂と妄想、やがて訪れる仰天の結末。その隙間から、人が生きていくことのオカシミと切なさがほろほろと零れ落ちてくる。
大阪近郊にある、古ぼけた団地。昭和の面影を残すその一角で、山下ヒナ子(藤山直美)は、夫で元漢方薬局店主の清治(岸部一徳)とひっそりと暮らしていた。半年ほど前に店を閉め、引っ越してきたばかり。腰は低いがどこか世を捨てた雰囲気に、住民たちは好奇心を隠せない。調子のいい自治会長の行徳(石橋蓮司)と、妻で"ゴミ監視役"の君子(大楠道代)。クレーマーで次期会長を狙う吉住(宅間孝行)に、暇を持て余した奥さま連中。ときおり訪れる妙な立ち居振る舞いの青年・真城(斎藤工)だけが、山下夫妻の抱えた過去を知っていた──。
そんなある日、些細な出来事でヘソを曲げた清治が「俺は死んだことにしてくれ」と床下に隠れてしまう。夫の姿が団地から消えても、淡々とパートに通い続けるヒナ子の言動に、隣人たちの妄想は膨らむばかり。「もう殺されてると思う...」。一人がつい口にしてしまった言葉をきっかけに、団地を覆った不安は一気にあらぬ方向へと走りだして......。
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