2017年4月26日(水)配信
世界一有名な美術館、ルーヴル美術館。「ルーヴルのないフランスは必要なのか?」と言われるまでの価値を持つこの美術館は、1793年の誕生から、223年に渡りヨーロッパを見続けてきた。そして、ルーヴルの眼差しの先には、常に"美"と"戦争"によって作られた時代があった。 そんなルーヴルが見たヨーロッパの一大叙事詩を映像化したのは、ロシアの巨匠アレクサンドル・ソクーロフ。これまでヒトラーを題材にした『モレク神』(99)では第52回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞、ゲーテの同名小説を映画化した『ファウスト』(11)では第68回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞するなど、高い評価を得てきた。絢爛豪華な映像美で多くの人を魅了した『エルミタージュ幻想』(02)以来の美術館をテーマにした本作では、第二次世界大戦期のドイツによるフランス侵攻時の物語を入り口に、現在と過去を往来して展開していく。ナポレオンやフランスのシンボル、マリアンヌなど時代を象徴する亡霊、息をのむほど美しい数々の美術品、そして美を奪うものと守るもの―。"記憶の迷宮"への旅がはじまる。
第二次世界大戦中の1939年、ルーヴル美術館長ジョジャールは、ナチス・ドイツから館内の美術品を守るためにパリ郊外へ密かに運び出すよう指示。その翌年、ナチスの将校メッテルニヒが芸術品の管理のため、ジョジャールの元を訪れる。二人は敵同士だが美術品を守る使命で繋がってゆく。一方、人気のない美術館では、フランス共和国の象徴であるマリアンヌの傍らで、ナポレオン1世が美術品を前に「これも自分が集めてきたものだ」とかつての栄光を語る。争いを繰りかえす人類の歴史の中でルーヴル美術館が見てきたものは?そしてナチスのパリ侵攻をどう潜り抜けたのか?
© 2015 - Idéale Audience - Zero One Film - N279 Entertainment - Arte France Cinéma - Musée du Louvre
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