2023年12月6日(水)配信
2023年12月6日(水)発売
監督・脚本は、二ノ宮隆太郎。主演の光石研を深くリスペクトし、脚本をアテ書きするだけでなく、光石本人の人生を取材し、そのエッセンスを物語に注入した。二ノ宮は、2012年に初の長編映画監督作品『魅力の人間』で、「第34回ぴあフィルムフェスティバル・PFFアワード2012」で準グランプリを受賞すると共に、バンクーバー、ロッテルダムなどの国際映画祭に出品。さらに2017年には、監督・主演を務めた『枝葉のこと』が、「第70回ロカルノ国際映画祭・新鋭監督コンペティション部門」に選出される。徹底的にリアリティを追求し、生きることの真実に迫ろうとする作品が高く評価され、今、最も世界から新作を熱望される大注目の若き才能だ。本作のシナリオで「2019フィルメックス新人監督賞」グランプリを受賞、映像化が実現。ついに商業デビューを飾る。撮影は、『ドライブ・マイ・カー』の撮影監督を務めた四宮秀俊。二ノ宮監督の前2作に続くタッグとなり、新たな挑戦を支えた。
周平を演じるのが、映画デビューから45年、映画、TVドラマ、舞台、CMと縦横無尽に活躍し、日本のエンターテインメントで欠かせない重要な存在として高く評価される名優、光石研。『あぜ道のダンディ』以来、12年ぶりの映画単独主演作となる。生徒想いの教頭というキャラクターをまとっているが、周平はもっとレイヤーの多い人間味あふれる男だ。カッコ悪くてずるくて、自分勝手。それでも、どこか憎めない愛らしさがにじみ出る周平を、光石ならではの情感と品性で演じきった。共演には、周平の元教え子の平賀南に吉本実憂が扮し、光石と対峙するシーンを緊張感と切なさが交錯する忘れ得ぬ場面へと昇華させた。周平の娘の由真には工藤遥。父と娘のジェネレーションギャップに、温かなユーモアをもたらした。さらに、周平の妻に坂井真紀、学生時代の同級生に松重豊と、味わい深い実力派が顔をそろえた。
誰にでも必ず訪れる、人生のターニングポイント。そのきっかけは何であれ、人は目の前の一歩から「変える」ことができる。立ち止まり、見つめ直し、向き合い、じたばた生きる周平の可笑しくも切ない姿を通して、ターニングポイントに立つすべての人にエールを贈る希望の物語。
北九州で定時制高校の教頭を務める末永周平(光石研)。ある日、元教え子の平賀南(吉本実憂)が働く定食屋で、周平はお会計を「忘れて」しまう。記憶が薄れていく症状に見舞われ、これまでのように生きられなくなってしまったようだ。待てよ、「これまで」って、そんなに素晴らしい日々だったか? 妻の彰子(坂井真紀)との仲は冷え切り、一人娘の由真(工藤遙)は、父親よりスマホの方が楽しそうだ。旧友の石田啓司(松重豊)との時間も、ちっとも大切にしていない。
新たな「これから」に踏み出すため、「これまで」の人間関係を見つめ直そうとする周平だが──。
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