BD・DVD
2020年3月3日(火)発売
毎日をふらふらと無為に過ごしていた郁男は、恋人の亜弓とその娘・美波と共に彼女の故郷、石巻で再出発しようとする。少しずつ平穏を取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう―。ある夜、亜弓から激しく罵られた郁男は、亜弓を車から下ろしてしまう。そのあと、亜弓は何者かに殺害された。恋人を殺された挙句、同僚からも疑われる郁男。次々と襲い掛かる絶望な状況から、郁男は次第に自暴自棄になっていく――。
映画史上最も切ない暴力を描く、愚か者たちのヒューマンサスペンス!
毎日をふらふらと無為に過ごしていた木野本郁男(香取慎吾)は、ギャンブルから足を洗い、恋人・亜弓(西田尚美)の故郷・石巻に戻る決心をした。そこには、末期がんであるにも関わらず、石巻で漁師を続ける亜弓の父・勝美(吉澤健)がいた。亜弓の娘・美波(恒松祐里)は、母の発案で引っ越しを余儀なくされ不服を抱いている。
美波を助手席に乗せ、高速道路を走る郁男に美波の声が響く。
「結婚しようって言えばいいじゃん」
半ばあきらめたように応える郁男。
「言えないよ。仕事もしないで毎日ぶらぶらしてるだけのろくでなしだし…」
実家では、近隣に住む小野寺(リリー・フランキー)が勝美の世話を焼いていた。人なつっこい小野寺は、郁男を飲み屋へ連れていく。そこで、ひどく酒に酔った村上(音尾琢真)という中学教師と出会う。村上は、亜弓の元夫で、美波の父だった。
新しい暮らしが始まり、亜弓は美容院を開業し、郁男は印刷会社で働きだす。そんな折、郁男は、会社の同僚らの誘いで競輪のアドバイスをすることに。賭けてはいないもののノミ屋でのレースに興奮する郁男。
ある日、美波は亜弓と衝突し家を飛び出す。その夜、戻らない美波を心配しパニックになる亜弓。落ち着かせようとする郁男を亜弓は激しく非難するのだった。
「自分の子供じゃないから、そんな暢気なことが言えるのよ!」
激しく捲くし立てる亜弓を車から降ろし、ひとりで探すよう突き放す郁男。
だが、その夜遅く、亜弓は遺体となって戻ってきた。郁男と別れたあと、防波堤の工事現場で何者かに殺害されたのだった。
突然の死に、愕然とする郁男と美波――。
「籍が入ってねえがら、一緒に暮らすごどはできねえ」
年老いた勝美と美波の将来を心配する小野寺は美波に言い聞かせるのだった。
一方、自分のせいで亜弓は死んだという思いがくすぶり続ける郁男。追い打ちをかけるかのように、郁男は、社員をトラブルに巻き込んだという濡れ衣をかけられ解雇となる。
「俺がいると悪いことが舞い込んでくる」
行き場のない怒りを職場で爆発させる郁男。
恋人も、仕事もなくした郁男は、自暴自棄となっていく――。
|木野本郁男|
1977年1月31日生まれ。91年にCDデビュー。主なドラマ出演に、『新選組』(04/NHK)、『西遊記』(06/CX)などがある。主な映画出演に、『THE 有頂天ホテル』(06/三谷幸喜監督)、『西遊記』(07/澤田鎌作監督)、『ザ・マジックアワー』(08/三谷幸喜監督)、『座頭市 THE LAST』(10/阪本順治監督)、『こちら葛飾区亀有公演前派出所 THE MOVIE~勝鬨橋を封鎖せよ!〜』(11/川村泰祐監督)、『人類資金』(13/阪本順治監督)、『ギャラクシー街道』(15/三谷幸喜)、2週間限定公開で話題となった『クソ野郎と美しき世界』(18)などがある。2017年には稲垣吾郎・草彅剛らと共に出演したAbemaTVの「72時間ホンネテレビ」で次々と記録を樹立。また、日本財団パラリンピックサポートセンターのスペシャルサポーター、及び国際パラリンピック委員会特別親善大使に任命。2018年8月に香取と祐真朋樹がディレクターを務める「JANTJE_ONTEMBAAR」スタート。9月パリ、ルーヴル美術館で初個展「NAKAMA des ARTS」展を開催。2019年3月~6月「サントリーオールフリーpresents BOUM! BOUM! BOUM!香取慎吾NIPPON初個展」開催。150万人を超えるフォロワーを持つオフィシャルインスタグラム、オフィシャルブログ「空想ファンテジー」も更新中。
|昆野美波|
1998年生まれ、東京都出身。子役としてデビュー。主なテレビドラマの出演作は、NHK連続テレビ小説「まれ」(15/NHK)、NHK大河ドラマ「真田丸」(16/NHK)などがある。主な映画出演作は、『くちびるに歌を』(15/三木孝浩監督)、『ハルチカ』(17/市井昌秀監督)、『サクラダリセット前篇・後篇』(17/深川栄洋監督)、『散歩する侵略者』(17/黒沢清監督)、『3D彼女 リアルガール』(18/英勉監督)、『虹色デイズ』(18/飯塚健監督)などがある。公開待機作に、『アイネクライネナハトムジーク』(19/今泉力哉監督)、『殺さない彼と死なない彼女』(19/小林啓一監督)などがある。
|昆野亜弓|
1970年生まれ。広島県出身。モデルを経て女優へ。主な作品に、映画『ひみつの花園』(97/矢口史靖監督)、『ナビィの恋』(99/中江裕司監督)、『南極料理人』(09/沖田修一監督)、『綱引いちゃった!』(12/水田伸生監督)、『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』(14/矢口史靖監督)、『図書館戦争シリーズ』(13・15/佐藤信介監督)、『追憶』(17/降旗康男監督)、『ポンチョに夜明けの風はらませて』(17/廣原暁監督)、『友罪』(18/瀬々敬久監督)、『生きてるだけで、愛。』(19/関根光才監督)、『ラ』(19/高橋朋広監督)。近年のドラマに「紙の月」(NHK)、「マッサン」(NHK)、「三匹のおっさんシリーズ」(TX)、「メゾン・ド・ポリス」(TBS)、「集団左遷!!」(TBS)、WOWOWでは「楽園」「監査役 野崎修平」「坂の途中の家」など。舞台『新世界ロマンスオーケストラ』『すべての四月のために』『クラッシャー女中』。待機作に『初恋 お父さん、チビがいなくなりました』(小林聖太郎監督/5月10日公開)、『WE ARE LITTLE ZOMBIES』(長久允監督/6月14日公開)、『新聞記者』(藤井道人監督/6月28日公開)、『五億円のじんせい』(文晟豪監督/7月20日公開)などが控えている。
|昆野勝美|
1946年生まれ、神奈川県出身。主な出演作は、『その男、凶暴に月』(89/北野武監督)、『われに撃つ用意あり』(90/若松孝二監督)、『キャタピラー』(10/若松孝二監督)、『龍三と七人の子分たち』(15/北野武監督)、『残穢(ざんえ)住んではいけない部屋』(16/中村義洋監督)、『こどもつかい』(17/清水崇監督)などがある。白石和彌監督作での出演は、『牝猫たち』(17)、『私は絶対許さない』(18/和田秀樹監督)、『止められるか、俺たちを』(18)、『麻雀放浪記2020』(19年4月公開)などがある。公開待機作に、『赤い雪RedSnow』(19/甲斐さやか監督)がある。
|村上竜次|
1976年生まれ、北海道出身。演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバー。NHK大河ドラマ「龍馬伝」(10)や連続ドラマ「陸王」(17)などに出演する。主な映画出演作に、『藁の楯』(13/三池崇史監督)、『起終点駅 ターミナル』(15/篠原哲雄監督)、『日本で一番悪い奴ら』(16/白石和彌監督)、『無限の住人』(17/三池崇史監督)、『たたら侍』(17/錦織良成監督)、『関ケ原』(17/原田眞人監督)、『祈りの幕が下りる時』(18/福澤克雄監督)、『サニー/32』(18/白石和彌監督)、『孤狼の血』(18/白石和彌監督)、『検察側の罪人』(18/原田眞人監督)、『止められるか、俺たちを』(18/白石和彌監督)、『七つの会議』(19/福澤克雄監督)、『麻雀放浪記2020』(19/白石和彌監督)などがある。また、4月よりスタートしたNHK連続テレビ小説「なつぞら」に出演中。
|小野寺修司|
1963年11月4日生まれ。福岡県出身。武蔵野美術大学卒業後、イラストやデザインのほか、文筆、写真、作詞・作曲、俳優など、他分野で幅広く活動。初の長編小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」が230万部を超える大ベストセラーとなった。主な映画出演作は、ブルーリボン賞新人賞受賞の『ぐるりのこと。』(08/橋口亮輔監督)、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞の『そして父になる』(13)、アカデミー賞優秀助演男優賞受賞の『凶悪』(13)、『海街diary』(15/是枝裕和監督)、『海よりもまだ深く』(16/是枝裕和監督)、『美しい星』(17/吉田大八監督)、『blanck13』(18/斎藤工監督)、『万引き家族』(18/是枝裕和監督)、『銃』(18/武正晴監督)などがある。
1974年生まれ。北海道出身。1995年、中村幻児監督主催の映像塾に参加。以降、若松孝二監督に師事し、フリーの演出部として活動。若松孝二監督『明日なき街角』(97)、『完全なる飼育 赤い殺意』(04)、『17歳の風景 少年は何を見たのか』(05)などの作品へ助監督として参加する一方、行定勲監督、犬童一心監督などの作品にも参加。2010年、初の長編映画監督作品『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で注目を集める。ノンフィクションベストセラーを原作とした『凶悪』(13)は、2013年度新藤兼人賞金賞をはじめ、第37回日本アカデミー賞優秀作品賞・脚本賞ほか各映画賞を総嘗めし、一躍脚光を浴びる。続いて、『日本で一番悪い奴ら』(16)、『牝猫たち』(17)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『サニー/32』(18)、『孤狼の血』(18)、『麻雀放浪記2020』(19)など多数の話題作が公開。公開待機作品として『ひとよ』(19/秋)などがある。
主な作品に、『雪に願うこと』(2006、第18回[2005年]東京国際映画祭 東京サクラグランプリ)、『クライマーズ・ハイ』(2008、第32 回日本アカデミー賞優秀脚本賞)、『孤高のメス』(2010、第34回日本アカデミー賞優秀脚本賞)、『天地明察』(2012)、『だいじょうぶ3組』(2013)、『ふしぎな岬の物語』(2014、第38回日本アカデミー賞優秀脚本賞)、『エヴェレスト 神々の山嶺』(2016)、「火花」(2016 Netflix 第54回ギャラクシー賞テレビ部門フロンティア賞)、『彼女の人生は間違いじゃない』(2017)などがある。
2020年3月3日(火)発売
2020年3月3日(火)より各種プラットフォームにて配信開始
2019年/日本/124分/PG12
配給:キノフィルムズ・木下グループ
©2018「凪待ち」FILM PARTNERS
※配信開始日・終了日は各プラットフォームにより異なる場合がございます。Blu-ray・DVDはメーカーウェブサイト、各小売店等にてお買い求めください。