キノフィルムズ

ルース・エドガー

誰からも愛され、称賛される少年は何者なのか。
完璧な優等生か、それとも恐ろしい怪物なのか?
注目の次世代スター×実力派キャストが“真実”をめぐって衝突する圧巻のアンサンブル

イントロダクション

アフリカ系移民の高校生ルースはオバマの再来と呼ばれる文武両道の優等生だが、ある日教師のウィルソンが彼のロッカーから違法な火薬を発見したことをきっかけに、たちまち疑惑の人物に。家族の中でも、様々な疑念や軋轢が生じ始める。本当にルースに非があるのか?それともウィルソンが彼に偏見を持っているだけなのか?両親にも教師にも自分を信じてもらえずに苦しむルース。果たして、真実を語っているのはいったい誰なのか?
人間の謎めいた本質、アメリカの理想と現実をえぐり全米で絶賛されたサスペンスフルなヒューマン・ドラマ

ストーリー

バージニア州アーリントンの高校に通うアフリカ系アメリカ人のルース・エドガー(ケルヴィン・ハリソン・Jr.)は、文武両道の模範的な優等生だ。陸上部で活躍し、討論部の代表として全米大会に出場したこともあるルースは、さまざまなルーツの生徒が通う学校で誰からも慕われている。戦火の国エリトリアで生まれ、7歳の時にアメリカへ渡ってきた彼は、養父母となったエイミー(ナオミ・ワッツ)、ピーター(ティム・ロス)のエドガー夫妻から現在の名前を授かり、幼少期に戦場へ駆り出された悲惨なトラウマを克服した。今や若きバラク・オバマを彷彿とさせる聡明な若者に成長し、将来を嘱望されるルースは、人種のるつぼであるコミュニティの希望の星となっていた。
そんなある日、エイミーはベテランの歴史教師ハリエット・ウィルソン(オクタヴィア・スペンサー)から学校へ呼び出される。息子のルースが歴史上の人物をテーマにした課題のレポートで、アルジェリア独立運動の革命家フランツ・ファノンを取り上げ、彼の過激な思想について記したというのだ。そして、その内容を問題視したウィルソンはルースのロッカーを捜索し、危険な違法の花火を発見したという。息子のプライバシーを無視して調査を行ったウィルソンに反発するエイミーだったが、不安に駆られて夫のピーターに相談することに。「たかが花火だ。心配するな。息子がテロリストだとでも?」と事もなげに答えるピーター。
帰宅したルースと夕食を囲んでその話題を向けると、ルースもウィルソンへの微妙なわだかまりを抱いていることが判明する。ウィルソンは教育熱心な反面、生徒たちにレッテルを貼る傾向があり、彼らを従わせて自分の政治的な主張に利用しているというのだ。「僕に与えられた役は“悲劇を乗り越えた黒人”で“アメリカの良心の象徴”なんだ。責任を感じて重荷だよ」。
その後もルースとウィルソンの緊張関係はじわじわと高まっていった。エイミーは愛する息子を信じ、彼を守り抜きたいと思っているが、嫌な胸のざわめきを抑えられない。「なぜ違法の花火をロッカーに?」とルースを問い詰め、彼が以前交際していた同級生ステファニー(アンドレア・バング)から事情を聞き出そうと試みる。それでもルースへの疑念を払拭できないエイミーは、息子が自分のまったく知らない別の顔を隠し持っているのではないかと苦悩を深めていく。ピーターもまた「ルースに深い愛情を感じている」と前置きしながらも、エイミーに彼を引き取ったことの“代償”を認めるべきだと複雑な思いを打ち明ける。
その頃、ウィルソンの周辺ではトラブルが続発していた。心を病んで療養施設に入所している妹ローズマリー(マーシャ・ステファニー・ブレイク)が、学校に突然押しかけてきて大暴れし、駆けつけた警官に取り押さえられる騒ぎが発生。その様子をルースが無言でじっと見つめていた。その夜、自宅で真っ赤なスプレーによる差別的な落書きを目の当たりにしたウィルソンは、それがルースの仕業だと確信する。
翌日、ウィルソンは落書きの件を校長に相談するが、ずば抜けて優秀なルースを信頼しきっている校長には彼女の主張が理解できない。するとウィルソンは、かつてステファニーが同級生とのパーティーで性的暴行を受けた疑惑を持ち出し、ルースがその犯人だと告発した。一方、精神的な混乱が頂点に達したエイミーは、自宅で「何を隠してるの? 本当のことを言いなさい!」と言葉を荒げてルースに詰め寄る。ルースは迷いをさらけ出した母親に、「本当は皆、心から僕のことを信じていないんだ……皆にとって、僕は聖人でなければ怪物だ。息ができない。窒息しそうだ」とつらい心情を吐露するのだった。
そして校長の呼びかけで、エドガー家の親子3人とウィルソンの面談が学校の一室で行われることになった。まったく言い分が噛み合わず、完全に対立した両者は激しく互いを責め立て合う。はたしてルースは評判通りの“完璧な優等生”なのか、それともウィルソンが主張する“過激な危険分子”なのか。面談終了後、学校でさらなる大事件が勃発するなか、ルースへの愛と疑惑の狭間で胸を引き裂かれるエイミーがたどり着いた真実とは……。

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劇場公開日
2020年6月5日(金)
時間
110分
スタッフ
監督・製作・共同脚本:ジュリアス・オナー
キャスト
ナオミ・ワッツ
オクタヴィア・スペンサー
ケルヴィン・ハリソン・Jr.
ティム・ロス