新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて絶賛公開中!
2011年、ショッキングなニュースが瞬く間に全世界へと流れた。クリスチャン・ディオールのデザイナーとして活躍していたジョン・ガリアーノが逮捕されたのだ。ジョン・ガリアーノは1995年ジバンシィ、1996年クリスチャン・ディオールと、世界的ブランドのデザイナーに次々と抜擢され、ファッション界の至宝と称えられた“ファッション界の革命児”。しかし、絶頂期だった2011年2月、反ユダヤ主義的暴言を吐く動画が拡散、その後有罪となり、関わるブランドから解雇され、文字通り“すべて”を失くした。
事件から13年たった今、ガリアーノ本人がカメラの前に座り、「洗いざらい話す」と語る。『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』でアカデミー賞🄬長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したケヴィン・マクドナルド監督が、ジョン・ガリアーノの人間性にも鋭く踏み込む。そして、本作最大のミステリー「彼の暴言の背景には何があったのか?」に斬りこんでいく。年32回のショーを抱え、超人的な仕事量をこなしながら、相次ぐ大切な人の死、さらにアルコール依存症が加速、「ゆっくりと死に向かっていた」と自ら暴露する、その闇とは・・・
映画は、大胆なスタイルで世界中を魅了していったガリアーノの栄光の道程を、デビューから各ブランド時代の超豪華なコレクションを収めた貴重なアーカイブ映像と共に振り返る。ひとつの映画のように演出される数々のステージの裏側を語るのは、トップモデルであるケイト・モスやナオミ・キャンベル、俳優のペネロペ・クルスやシャーリーズ・セロンなどの錚々たる面々と、「VOGUE」誌の伝説的な編集長アナ・ウィンターやアンドレ・レオン・タリーをはじめとした、著名なファッション評論家たち。さらに、ガリアーノを診断した精神科医、今も心の傷が癒えないという事件の被害者にもカメラを向ける。美しさと醜さ、賢明さと愚かさ、愛と憎しみ、幸福と絶望──全編に人間存在の謎と魅力がつまった、今こそ観たいヒューマン・ドキュメンタリー。
1960年、イギリスの植民地、ジブラルタル生まれ。セントマーチンズ美術学校で学び、84年にモード科を首席で卒業。革新的な卒業制作「Les Incroyables “レ・アンクロワイヤーブル”」を発表し、一躍注目を集める。85年、ロンドンコレクションでデビュー、高い評価を得た。その後はあまりにも革新的過ぎて「売れない服」という烙印を押され苦戦したが、95年、ジバンシィが自身のブランドを引退。後任デザイナーとして、ガリアーノが大抜擢され、英国人デザイナーとしては初めてフランスのオートクチュールメゾンを率いた。続いて96年10月、ジャンフランコ・フェレの後を継いで、クリスチャン・ディオールのデザイナーに就任。ガリアーノの活躍もあり、ディオールのプレタポルテ部門の売上げは驚異的に伸びた。2011年2月、パリのカフェで隣に座ったカップルに対して反ユダヤ主義的発言をし、クリスチャン・ディオールおよび自身の名を冠したブランドを解雇される。現在は、2014年からメゾン・マルジェラのクリエイティブ・ディレクターを務めている。長年のパートナーであるアレクシス・ロッシュとパリで暮らしている。
1974年イギリス・クロイドン生まれ。誰もが知るスーパーモデルの一人である。14歳のとき、ストーム・モデルズのオーナー、サラ・ドゥーカスに見いだされた。1992年、18歳でカルバン・クラインの顔となり、カルバン・クラインと契約した。最初のランウェイショーはジョン・ガリアーノのもとでデビューし、彼のキャリアを通じて親密な仕事関係と友情を築いてきた。2011年、ウエディングドレスのデザインをガリアーノが手掛けた。
1970年イギリス・ロンドン生まれ。誰もが知るスーパーモデルの一人である。15歳のときにフォード・モデルの社長にスカウトされ、エリート・モデル・マネジメントと契約。デビュー以来、数多くのデザイナーたちに愛され、モード界を席巻した。1988年18歳のときに黒人モデルとしてパリ版「VOGUE」の表紙を初めて飾った。その異次元のスーパーボディで現在も現役としてランウェイでも活躍している。女優や歌手としても活動のほか、ブラックアフリカに対する慈善事業も数多く行っている。
1949年、イギリス・ロンドン出身。1970年に「Harpe's & Queen」でキャリアをスタート。その後ニューヨークに渡り、「Harper's BAZAAR」のファッション・エディターに昇格。1983年に、アメリカ版「VOGUE」のクリエイティブ・ディレクターに抜擢され、さらに1986年にイギリス版「VOGUE」編集長に就任、変革をもたらし成功を収める。その後、1988年からアメリカ版「VOGUE」の編集長に就任し、常にトレンドを生み出し確固たる地位を築いている。現在は編集長およびコンデナストのチーフ・コンテンツ・オフィサー兼グローバル・エディトリアル・ディレクターを務めている。ボブスタイルとサングラスがトレードマークで、最先端のファッションを身にまとい、自らファッションアイコンとなっている。2008年には、長年ファッション界の貢献が評価され、大英帝国勲章を授与されている。
1967年10月28日イギリス・グラスゴー生まれ。1999年ミュンヘンオリンピック事件を扱った『ブラック・セプテンバー 五輪テロの真実』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞。2003年『運命を分けたザイル』では英国アカデミー賞最優秀英国映画賞を受賞、『ラスト・キング・オブ・スコットランド』(06/英国アカデミー賞英国作品賞受賞)、『LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語』(11)、『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』(12/英国アカデミー賞ノミネート)、『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』(18/カンヌ国際映画祭公式セレクション)、監督としての最新作『モーリタニアン 黒塗りの記録』は、2021年の最優秀作品賞を含む英国アカデミー賞5部門にノミネートされるなど、数々の賞に輝くドキュメンタリー作品を手掛けてきた。また、プロデューサーとして『Senna』、『The Rescue』、『Rebellion』など数多くのドキュメンタリーを手がける。
2023年/イギリス/原題:High & Low -John Galliano/英語・仏語/カラー/ビスタ/116分/G
提供:木下グループ/配給:キノフィルムズ
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