イントロダクション

ロンドンに緊急事態発生。長年にわたる大麻の大量栽培／販売で財を成したアメリカ人ミッキーが、ビジネスを売却し、引退するというウワサで暗黒街に激震が走った。その利権なんと500億円。目の色変えた強欲なユダヤ人大富豪、ゴシップ紙の編集長、ゲスな私立探偵、チャイニーズ&ロシアン・マフィア、さらには下町のチーマーまで、一筋縄ではいかないジェントルメン＝一流のワルたちが、莫大な利権をめぐってスリリングな駆け引きを繰り広げる。
『ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ』『スナッチ』以来、ガイ・リッチー監督は、晴れて地元ロンドンのクライム・ワールドに帰還。自ら手掛けた小粋なダイアローグを詰め込んだ脚本を、緩急自在にギア・チェンジしながらスタイリッシュに演出。超豪華キャストが演じるクセの強過ぎるキャラクターたち、CAN、ロキシー・ミュージック、ファーサイド、ザ・ジャムらのクールなサウンドトラック、さらに映画ファンが唸る小ネタ・珍ネタの数々に世界中が熱狂。世界興収は1億ドル超のスマッシュヒットを記録し、すでにTVシリーズ化が始動。愉快・爽快・痛快の3拍子が揃ったノンストップ・クライム・サスペンス、いよいよ日本上陸！

ストーリー

ロンドン、昼。パブに入ってきたハンサムな紳士、ミッキー・ピアソン(マシュー・マコノヒー)は、バーテンにビールとピクルドエッグを注文し、ジュークボックスにコインを落とした。渋いアメリカン・ロックが流れる中、スマホで話し始めたミッキーの背後で男が銃を構え、銃声が響いた瞬間、ビールグラスが血に染まった―。
夜。ミッキーのビジネス・パートナー、レイ(チャーリー・ハナム)の自宅リビングに私立探偵フレッチャー(ヒュー・グラント)が忍び込んでいた。刺し殺すぞと怒鳴るレイをなだめながら、フレッチャーは語り始める―。ミッキーに激しい恨みを持つゴシップ紙の編集長ビッグ・デイヴ(エディ・マーサン)に雇われたフレッチャーは、秘かにミッキーとレイの行動を監視し、様々な犯罪の証拠を集めていたというのだ。それが公になれば一大スキャンダルとなって二人の組織は壊滅する。それが嫌なら2000万ポンド払え、オレが書いた映画の脚本「ブッシュ」(大麻の意)も付けてやるという、早い話がユスリなのだった。
アメリカ生まれのミッキーは、アタマはイイが貧乏な奨学生だった。イギリスの名門オックスフォード大に合格し、だが、勉強そっちのけで非合法の“園芸”を学んだ彼は、卒業も帰国もしなかった。上流階級の金持ち同級生たちに園芸品＝大麻を売り始めたのを皮切りに、それから数十年、時にはあくどく乱暴な手段を使って勢力を拡大、ロンドンのアンダーワールドで大麻王国を築き上げたのだった。現在の総資産4億ポンド（約500億円）ともいわれるミッキーの人生はしかし、今大きな岐路に差し掛かっていた。
裕福な中年になり、美しい妻ロザリンド(ミシェル・ドッカリー)とあらためて安らかな人生を送ろうと考えたミッキーは、ヤバいビジネスから足を洗い、この商売を誰かに譲ろうと思案していた。さる会食で大富豪のユダヤ系アメリカ人マシュー・バーガー(ジェレミー・ストロング)と知り合ったミッキーは、金持ちの犯罪者同士意気投合し、マシューに大麻ビジネスの売却を持ち掛ける。
年間栽培量５０トン、売り上げ2億、収入1億ポンドを上げる自ら築いた大麻ビジネスの仕組みを見せるため、ミッキーはマシューを秘密の農園見学に案内する。大麻農園はイギリス国内12か所にあり、そのすべては上流階級の貴族たちの所有する敷地の地下に作られていた。公爵や公爵夫人たちは、土地はあるが金はない。豪邸をきれいに保つには金がかかる。そこに目を付けたミッキーは、豪邸の管理費を負担する代わりに無償で土地を借り受けていたのだった。もしもこの先大麻が合法化されれば、年間売り上げは2000億から5000億ポンドになると見立てるミッキーは、12か所の農園、栽培士と大麻ソムリエ、栽培テクノロジー、そして顧客リスト込み総額4億ポンドで売却するとマシューにオファーした。
後日、ロザリンドが経営する高級車専門のガレージに、ジョージ卿(トム・ウー)率いるチャイニーズ・マフィアの若頭ドライ・アイ(ヘンリー・ゴールディング)が現れた。10万ポンドの車のパーツと引き換えに、ロザリンドに夫との面会を仲介してもらったドライ・アイは、手下のファック(ジェイソン・ウォン)を従えてミッキーのオフィスを訪れた。どこから嗅ぎつけたのか、ミッキーが引退すると知っていると語るドライ・アイは、電卓を叩き、縄張りの買い取り金額を提示した。だが、ミッキーから「俺は売り物じゃないんだ。売るとしても桁が違う。そんなはした金じゃ朝食の材料も買えない」と軽くあしらわれ、面会時間終了となった。
その一件の後、秘密農園で騒ぎが起きた。覆面マスクのアタマにデジカメを装着したトラックスーツ姿の4人の男たちが侵入し、従業員たちを叩き伏せ、大麻強奪をはかったのだ。録画されていた強奪の様子はラップ・ミュージックに合わせて編集され、「よちよち仲間」(トドラーズ)提供と記され、ネットにアップされていた。この「よちよち仲間」の正体は、スラムの不良たちの指導と更生に務めるジムの“コーチ”(コリン・ファレル)が面倒を見ている若者たちだった。彼らはどうやって秘密農園の場所を知ったのか？
マシューとの商談がまとまりかけ、ミッキーがドライ・アイと会った直後に農園が襲われた。これは偶然か、それとも何者かの策略か。疑惑が広がる中、ミッキー懇意のプレスフィールド卿から娘のローラ(エリオット・サムナー)がヤク中のロック歌手と失踪したので連れて帰って欲しいという連絡が入る。命を受けたレイは、二人が潜む南ロンドンの団地に向かう。しかしそこで起きた出来事により、ロシアン・マフィアがミッキーの命を狙うことになるとは、誰もが予想していなかった。総額【500億円】の大麻ビジネスの利権を巡り、紳士の顔をした悪党たちの争いは、さらにヒートアップしていく―。

キャスト

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  マシュー・マコノヒー

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  チャーリー・ハナム

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  ヘンリー・ゴールディング

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  ミシェル・ドッカリー

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  ジェレミー・ストロング

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  エディ・マーサン

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  コリン・ファレル

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  ヒュー・グラント

スタッフ

• 監督・脚本・製作：ガイ・リッチー

  1968年9月10日、イギリス、ハートフォードシャー州ハットフィールド出身。少年時代に『明日に向って撃て！』(69)を見て映画制作を志す。15才で学校を中退し、雑用係として業界入り。MTVやCMを演出しながら、20分の短編映画『The Hard Case』(95)を監督。それを基にした犯罪ドラマ『ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)で長編監督デビューを果たす。同作は英国アカデミー賞・観客賞、MTVムービー・アワード・新人監督賞、東京国際映画祭・監督賞など数多くの賞を受賞し、一躍注目を集める。第2作『スナッチ』(00)には、当時人気絶頂のブラッド・ピット、ベニチオ・デル・トロ、前作でデビューしたジェイソン・ステイサムらが参加、またもや大きな話題を集めた。同2000年、歌手のマドンナと結婚。彼女を主演にイタリア映画『流されて…』(74)のリメイク『スウェプト・アウェイ』(02)を監督したが、批評、興行ともに大敗を喫し、ラジー賞ワースト監督賞他5部門を受賞。マドンナとは2009年に離婚した。リュック・ベッソン製作『リボルバー』(05)、ジェラルド・バトラー、トム・ハーディ共演『ロックンローラ』(08)の後、ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウ主演『シャーロック・ホームズ』（09)を監督。世界興収5億2000万ドルを超える大ヒット作となり、続編『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(11)も監督した。TVシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」のリメイク『コードネーム U.N.C.L.E.』(15)、新解釈のアーサー王伝説『キング・アーサー』(17)の後、ディズニー・アニメの実写版『アラジン』(19)を監督。世界興収10億ドルを突破するスーパーヒットとなった。次回作はフランス映画『ブルー・レクイエム』(04)のリメイク、ジェイソン・ステイサム主演『Cash Trunk』(2021年公開予定)。

• 原案・製作：アイヴァン・アトキンソン

  『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(11)と『コードネーム U.N.C.L.E.』(15)でリッチーのアシスタントを務める。『キング・アーサー』(17)にも参加後、『アラジン』(19)では製作補に昇格。本作に続き、ライター／製作者としてリッチーの次回作にも参加している。

• 原案：マーン・デイヴィース

  短編映画やTVドキュメンタリーの助監督、撮影、編集などを手掛けていたが、リッチーと知り合い、『シャーロック・ホームズ』(09)に警官役で端役出演。アイヴァン・アトキンソンと共にリッチーの次回作に脚本参加。

• 製作：ビル・ブロック

  タレント・エージェント、アーティザン・エンタテインメント代表を経て、現在ミラマックス代表取締役社長。製作作品に『バニラ・スカイ』(01／総指揮)、『ハンティング・パーティ』(07)、『ブッシュ』(08)、『第９地区』(09／総指揮)、『キリング・フィールズ 失踪地帯』(11／総指揮)、『バーニング・クロス』(12)、『ジゴロ・イン・ニューヨーク』『エリジウム』(13)、『フューリー』『サボタージュ』(14)、『ロック・ザ・カスバ！』(15)、『ダーティ・グランパ』『バッド・ママ』(16／Netflix)、『ハロウィン』『パーフェクション』(18／Netflix)などがある。

• 撮影監督：アラン・スチュワート

  1960年9月5日、イギリス出身。ガイ・リッチーの短編『The Hard Case』(95)でステディカム・オペレーターを務め、後に『シャーロック・ホームズ』(09)の第2班撮影でリッチー作品の現場に復帰。『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(11)でも第2班撮影を担当。以降『キング・アーサー』(17)の追加撮影、『アラジン』(19)では撮影監督に昇格した。その他TVシリーズ「バンド・オブ・ブラザース」(01)のオペレーター、ロブ・マーシャル監督『イントゥ・ザ・ウッズ』(14)と『メリー・ポピンズ リターンズ』(18)の第2班撮影などを務めている。1960年9月5日、イギリス出身。ガイ・リッチーの短編『The Hard Case』(95)でステディカム・オペレーターを務め、後に『シャーロック・ホームズ』(09)の第2班撮影でリッチー作品の現場に復帰。『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(11)でも第2班撮影を担当。以降『キング・アーサー』(17)の追加撮影、『アラジン』(19)では撮影監督に昇格した。その他TVシリーズ「バンド・オブ・ブラザース」(01)のオペレーター、ロブ・マーシャル監督『イントゥ・ザ・ウッズ』(14)と『メリー・ポピンズ リターンズ』(18)の第2班撮影などを務めている。

• 美術デザイン：ジェンマ・ジャクソン

  1951年、イングランド出身。TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」(11)でエミー賞受賞。『ネバーランド』(04)ではオスカー候補に。その他『モナリザ』(86)、『ハマースミスの6日間』『スターダスト』(90)、『スノーホワイト』(97)、『ブリジット・ジョーンズの日記』2部作(01/04)、『キリング・ミー・ソフトリー』(02)、『キング・アーサー』(17)、『アラジン』(19)などがある。

• 衣装デザイン：マイケル・ウィルキンソン

  オーストラリア、シドニー出身。『アメリカン・ハッスル』(13)でオスカー候補に。『ウォッチメン』(09)と『アラジン』(19)でサターン賞を受賞。その他『ダーク・ウォーター』(05)、『バベル』『300』(06)、『ターミネーター4』(09)、『トロン：レガシー』(10)、『エンジェル ウォーズ』『トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン』2部作(11/12)、『マン・オブ・スティール』(13)、『ノア 約束の船』(14)、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(16)、『ジャスティス・リーグ』『エジソンズ・ゲーム』(17)、『アースクエイクバード』(19)などを担当。

• 編集：ジェームズ・ハーバート

  『リボルバー』(05)以降、すべてのガイ・リッチー作品の編集を担当。その他『ブラックブック』(06)、『L.A.ギャング ストーリー』(13)、サターン賞・編集賞受賞作『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)などがある。

• 編集：ポール・マクリス

  1972年4月2日、オーストラリア、メルボルン出身。『ベイビー・ドライバー』(17)で英国アカデミー賞・編集賞を受賞。その他『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』(10)、『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う！』(13)、『クエスト・オブ・キング 魔法使いと4人の騎士』(19)などがある。

• 音楽：クリストファー・ベンステッド

  『セロ・グラビティ』(13)でアカデミー賞・音響賞を受賞。音楽編集、ミキサーが本職だが、本作では作曲を担当。ディズニーの実写版『美女と野獣』(17)とガイ・リッチーの前作『アラジン』(19)では追加作曲／編曲／音楽編集を務めた。音楽編集者として『プロヴァンスの贈り物』(06)、『エラゴン 遺志を継ぐ者』『お気に召すまま』(06)、『紀元前1万年』(08)、『ラスト・ブラッド』(09)、『NINE』(09)、『ブラック・スワン』『タイタンの戦い』(10)、『猿の惑星：創世記』『マイティ・ソー』(11)、『メリダとおそろしの森』(12)、『シンデレラ』『エベレスト３D』(15)、『ワンダーウーマン』(17)、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』(20)などを担当。