キノフィルムズ

公開終了
2018年1月5日(金)公開

ジャコメッティ 最後の肖像

たった1日の約束が、来る日も来る日も完成しないポートレート――
あなたは本当に天才なのか――
迷宮のアトリエへようこそ

イントロダクション

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没後50年を過ぎてなお、長く縦に引き延ばされたような人物のブロンズ像が強烈な印象を残す、スイス出身の芸術家アルベルト・ジャコメッティ。2017年夏、東京の国立新美術館で11年ぶりに開催された大回顧展「ジャコメッティ展」が、約2ヶ月半の開催期間中におよそ14万人の観客を動員したことも記憶に新しいだろう。ジャコメッティは彫刻家と分類されるが、実は日常的にデッサンを描き、肖像画などの油彩作品の制作も精力的に行っていた。“見えるものをそのままに”を信条に、時間を惜しんでアトリエに籠もり、いったん作った作品を壊すことに躊躇がなかったと伝えられている。妥協なき精神の持ち主だった天才の素顔とは?

1964年、パリ。個展が始まったばかりのジャコメッティがアメリカ人の作家で美術評論家のロードに、「肖像画のモデルになってほしい」と声を掛けた。憧れの作家直々の指名に名誉と好奇心を感じたロードは、2日あれば終わるとの言葉を信じてイポリット=マンドロン通り46番地にある巨匠のアトリエへ向かった。ところが、愛人カロリーヌの突撃訪問やジャコメッティのスランプもあり、セッションを重ねても肖像画は進まない。いつになったら肖像画は完成するのか。本能と信念のままに生きるジャコメッティのすべてを記しながら、ロードは不安に駆られていた。

本作は、ジャコメッティが最後に手掛けた肖像画のモデルを務めたジェイムズ・ロードの回顧録「ジャコメッティの肖像」(みすず書房)を、『プラダを着た悪魔』『ラブリーボーン』などで名声を確立した性格俳優のスタンリー・トゥッチが脚色、監督した知的コメディだ。ジャコメッティの大ファンだった監督は10年間も脚本を温め、ついに長編第5作目として完成させた。描くほどに苦悩し暴発する複雑な天才と、そんな彼に翻弄されつつも創作過程と日々の出来事を尊敬の念で観察するロードの奇妙な関係を再現。ジャコメッティの創作活動を支える弟のディエゴ、妻のアネット、愛人のカロリーヌ、日本人哲学者の矢内原伊作が織りなす複雑な関係をも暴露し、アートファンの喝采を浴びた。

ジャコメッティに扮するのは『シャイン』のアカデミー賞®俳優、ジェフリー・ラッシュ。特殊メイクとダボダボの衣装でジャコメッティそのものに変身し、鬼気迫る表情で天才作家を熱演する。監督とラッシュは『ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方』(14/スティーヴン・ホプキンス監督)で共演済みで、気心の知れた関係がうかがえる。後に美術評論家になる若き青年ロード役には『コードネーム U.N.C.L.E.』のアーミー・ハマー。ハマー自身も、石油王でその名を冠した美術館がある曾祖父を持つ筋金入りの美術愛好家だ。

肖像画はいつ、どのように完成したのか? 彫刻の天才を見る目が一変するほどに、衝撃的で笑劇的な18日間のセッションを目撃せよ!

ストーリー

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パリ、1964年。 アルベルト・ジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)の個展が開かれている。友人で作家のジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)は肖像画のモデルを依頼される。アメリカに帰国寸前だったロードは、彼の「2日で描き上げる」との言葉を信じて、イポリット=マンドロン通り46番地にあるアトリエへ向かった。作家であるロードにとって、巨匠の仕事を間近で見られるチャンスと張り切るが、18日にも及ぶ地獄のセッションになるとは予想もしていなかった。

当時すでに名声を得ていたジャコメッティだが、自宅兼アトリエは狭く汚く古びており、そこに妻のアネット(シルヴィー・テステュー)と右腕的存在の弟ディエゴ(トニー・シャルーブ)の3人で暮らしている。アトリエに乱雑に置かれた未完成の作品の数々に圧倒されるロードの心中なぞ気にも留めず、ジャコメッティは真っ白なカンバスをイーゼルに立てかけた。ロードの顔の角度を微妙に調整し、パレットに絵の具を出し、たばこをくわえながら描き始める。「肖像画とは決して完成しないものだ」と不吉な言葉を発しながら……。

モデル1日目のセッションが終了した。カンバスは完成にはほど遠い。そこへジャコメッティのミューズ的存在の娼婦のカロリーヌ(クレマンス・ポエジー)がフラリと現われる。苦虫を噛み潰したような表情で作業していた時とは一転、陽気なカロリーヌにジャコメッティはメロメロだった。アトリエの外には悲しそうに見つめるアネットが。2人は3年間も、妻の目の前で堂々と不倫しているのだ。

2日目。ジャコメッティはなぜか集中力を欠き、「絶対に完成しない」と叫び始めた。肖像画は未完成で、ロードは帰国を延期する。

3日目。筆は遅々として進まない。モデル経験のあるアネットと話すうちに、ロードは肖像画が完成しないのではと不安を感じる。

4日目。ジャコメッティは「明日は本格的に始める」と上機嫌だ。しかし、突然現れたカロリーヌに邪魔されて、セッションは終了。アトリエの外では、ジャコメッティの親友、矢内原伊作とアネットがお楽しみ中だ。

5日目。ジャコメッティは行方不明になったカロリーヌのせいで癇癪を起こし、セッションは絶不調に。

数日後、カロリーヌが舞い戻り、セッションが再開される。さらなる帰国の延長でロードは恋人に愛想を尽かされるが、創作の合間にジャコメッティから聞くピカソとの裏話や、目に見える現実を作品で表現するために葛藤するジャコメッティとのセッションは、何物にも代えがたい貴重な体験だ。

14日目。ジャコメッティは完成間近の肖像画を太い筆で消す。絶望するロードに「希望が最高潮になると、私は投げ出すんだ」と笑う。15、16、17日目。描き、叫び、消すが繰り返される。果たして、ロードは恋人の待つNYへ帰れるのだろうか。肖像画は無事、完成するのか――。

ジェフリー・ラッシュ

│アルベルト・ジャコメッティ│
問題を抱えた天才役を得意とする一方で、娯楽大作の悪役やアニメのキャラクターまで幅広く活躍するベテラン。
1951年7月6日、オーストラリア・クイーンズランド州出身。クイーンズランド大学在学中、20歳で地元クイーンズランド・シアター・カンパニーの舞台に立つ。英語学位取得後、パリのルコック演劇学校(Jacques Lecoq School of Mime, Movement and Theatre)で2年間演技を学ぶ。その後帰国し、シェイクスピアなどの古典劇の舞台を踏む。79年にはメル・ギブソンと4ヶ月間アパートをシェアしながら舞台「ゴドーを待ちながら」で共演した。80年代初めには、ジム・シャーマンの実験的劇団ライトハウス・アンサンブルの主要メンバーとして、多くの古典劇で主役を務める。
81年には犯罪ロマンス『フェイク野郎』(クロード・ホワッタム監督)の端役で映画デビュー。その後、いくつかのオーストラリア映画に出演するが、96年の『シャイン』(スコット・ヒックス監督)で大成功を収める。ピアノの天才と賞賛されながら精神を病み、ハンディキャップを乗り越えて復活した実在のピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴッドの半生を描く感動作で、世界的には無名だったラッシュの熱演が絶賛された。アカデミー®主演男優賞のほか、ゴールデングローブ賞、映画俳優組合賞、英国アカデミー賞、オーストラリア映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞など、その年の賞レースを総なめにした。
その後、ハリウッドからの出演オファーが殺到し、『レ・ミゼラブル』(97/ビレ・アウグスト監督)や『恋に落ちたシェイクスピア』(98/ジョン・マッデン監督)、『エリザベス』(98/シェカール・カプール監督)では得意の古典劇経験を生かして強い存在感を残す。フランス文学の異端、マルキ・ド・サド役に全裸で体当たりした『クイルズ』(00/フィリップ・カウフマン監督)では再びアカデミー®主演男優賞にノミネートされ、日本で劇場公開されたテレビ映画『ライフ・イズ・コメディ!ピーター・セラーズの愛し方』(04/スティーヴン・ホプキンス監督)では壊れゆく天才喜劇俳優のセラーズに扮しと、一癖ある天才役で評価を高めていった。
アート系の作品以外に、世界的ヒット作『パイレーツ・オブ・カリビアン』(06、07、11、17/ゴア・ヴァービンスキー監督など)シリーズにも参加して、キャプテン・バルボッサ役でやんちゃな一面を見せている。人気アニメ『ファインディング・ニモ』(03/アンドリュー・スタントン監督、リー・アンクリッチ監督)では、歯科診療所をのぞくオーストラリア・ペリカンのナイジェルの声を担当。11年のアカデミー®作品賞受賞作『英国王のスピーチ』(10/トム・フーパー監督)では助演と製作総指揮を兼任した。同年にはオーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞を設立し、現在も会長を務める。オーストラリアン・アカデミーのメンバーによる投票で決まるこの賞は、オーストラリア映画界最大の栄誉とされている。現在、オーストラリアが舞台の家族ドラマ『Storm Boy』(18/ショーン・シート監督)の撮影中。また、ナショナル・ジオグラフィックなどで放送中のドラマ『ジーニアス:世紀の天才アインシュタイン』ではタイトルロールを演じている。
他の代表作に『鑑定士と顔のない依頼人』(13/ジュゼッペ・トルナトーレ監督)、『ミュンヘン』(05/スティーヴン・スピルバーグ監督)、『ディボース・ショウ』(03/ジョエル・コーエン監督)など多数。

アーミー・ハマー

│ジェイムズ・ロード│
1986年8月28日、アメリカ・ロサンジェルス出身。曾祖父は石油王アーマンド・ハマーであり、世界的に有名な美術収集家としても知られる。アーマンドが寄贈したヨーロッパの印象派のコレクションはアーマンド・ハマー美術館で観賞可能。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校やパサデナシティ・カレッジで演技を学び、05年、ジェイソン・ベイツマン主演のコメディドラマ「Arrested Development」の生徒役で俳優デビュー。翌年『My Friend Flicka』(06未・マイケル・メイヤー監督)で映画デビューし、ドラマ「ヴェロニカ・マーズ」「デスパレートな妻たち」「ゴシップ・ガール」などの話題作に出演を重ねる。
ブレイクスルーが訪れたのは『ソーシャル・ネットワーク』(10/デイヴィッド・フィンチャー監督)。1人2役で演じた双子のキャメロン&タイラー・ウィンクルボス兄弟役で注目され、シカゴ映画批評家協会の新人賞にノミネートされたほか、トロント映画批評家協会賞の助演男優賞を獲得した。端整な顔立ちと190cm超の長身を生かし、12年にはクリント・イーストウッド監督作、レオナルド・ディカプリオ主演『J・エドガー』、ジュリア・ロバーツ主演作『白雪姫と鏡の女王』(12/ターセム・シン監督)、タイトルロールを演じた『ローン・レンジャー』(13/ゴア・ヴァービンスキー監督)と、話題作への出演が続く。日本でもようやく公開となったトム・フォード監督第2作目『ノクターナル・アニマルズ』(16)では、エイミー・アダムス演じるスーザンの美しすぎる夫役で登場。
公開待機作は『クリード チャンプを継ぐ男』で注目されたテッサ・トンプソン主演作『Sorry to Bother You』(18/ブーツ・ライリー監督)、フェリシティ・ジョーンズと共演する『On the Basis of Sex』(18/ミミ・リーダー監督)、デヴ・パテル共演の実話もの『Hotel Mumbai』(18/アンソニー・マラ監督)、『ハイ・ライズ』のベン・ウィートリー監督最新作『Freak Shift』(18)など多数。その他の出演作には、ガイ・リッチー監督のスタイリッシュなスパイアクション『コードネーム U.N.C.L.E.』(15)や、90分もの間ダラダラと仲間割れと銃撃戦が続くアクションコメディ『フリー・ファイヤー』(16・ベン・ウィートリー監督)など。

トニー・シャルーブ

│ディエゴ・ジャコメッティ│
1953年10月9日、アメリカ・ウィスコンシン州出身。イェール大学で演技を学び、85年にブロードウェイデビュー。86年からテレビに進出し、89年の『ロングタイム・コンパニオン』(ノーマン・ルネ監督)で映画デビューを果たす。『バートン・フィンク』(ジョエル・コーエン監督、イーサン・コーエン監督)などに出演後、96年、スタンリー・トゥッチが主演、初監督した『シェフとギャルソン、リストランテの夜』で全米映画批評家協会賞助演男優賞を獲得。これ以降トゥッチ監督作の常連俳優になる。
97年のブロックバスター作品『メン・イン・ブラック』(バリー・ソネンフェルド監督)では頭を吹き飛ばされてもまた生えてくる雑貨屋のエイリアン役で大人気に。その後シリアスからコミカルな役まで頼れる名脇役として重用される。02年に始まりシーズン7まで続いた長寿ドラマ「名探偵モンク」では、強迫神経症の探偵エイドリアン・モンク役が好評を博し、ゴールデングローブ賞を獲得したほか、プライムタイム・エミー賞に3度輝く。
他の出演作に『マーシャル・ロー』(98・エドワード・ズウィック監督)、『ギャラクシー・クエスト』(99/ディーン・パリソット監督)、『カーズ』シリーズ(06、11、17/ジョン・ラセターなど)がある。

シルヴィー・テステュー

│アネット・ジャコメッティ│
1971年1月17日、フランス・リヨン出身。フローラン演劇学校、フランス国立高等演劇学校にて演劇を学び、91年、短編映画出演を皮切りにキャリアを積み、97年にドイツ映画『ビヨンド・サイレンス』(カロリーヌ・リンク監督)で主演。ドイツ語とクラリネット、手話を取得した渾身の役作りが評価され、ドイツ映画賞の最優秀女優賞に輝く。
他の出演作にマリオン・コティヤール主演作『エディット・ピアフ~愛の讃歌』(07/オリヴィエ・ダアン監督)、ヨーロッパ映画賞の主演女優賞に輝いた『ルルドの泉で』(09/ジェシカ・ハウスナー監督作)など。12年には、ジュリエット・ビノシュ、マチュー・カソヴィッツを迎えた初監督作『マリー、もうひとつの人生』(劇場未公開)を発表した。
公開待機作は、ティルダ・スウィントン、ダコタ・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツらと共演した『Suspiria』(ルカ・グァダニーノ監督)と、恋愛コメディ『Jour J』(リーム・ケリシ監督)、キューバで撮影した『Insumisa』(フェルナンド・ペレス監督)がある。小説家として2作著作を発表している。

クレマンス・ポエジー

│カロリーヌ│
1982年11月30日、フランス・パリ出身。俳優である父の影響を受け、96年、14歳で舞台デビュー。98年にフランス国立高等演劇学校に進学し、99年にはテレビドラマにも出演するようになる。04年に出演したBBCのミニシリーズ「レジェンド・オブ・サンダー」のメアリー女王役をきっかけにして、05年に『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(マイク・ニューウェル監督)のフラー・デラクール役に抜擢され、一躍有名になった。同シリーズでは『ハリー・ポッターと死の秘宝』(10、11)にも出演している。
12年には初の英語舞台劇「シラノ・ド・ベルジュラック」でブロードウェイ・デビューを果たす。16年にはバレリーナに関する短編ドキュメンタリー『A Bout Porte』を初監督するなど、国境、言葉、ジャンルを超えて活躍の場を拡げている。
他の出演作に『あしたは最高のはじまり』(16/ユーゴ・ジェラン監督)、『127時間』(10/ダニー・ボイル監督)など。クロエフレグランスの「ラブストーリー」の広告塔を務める。

スタッフ

  • 脚本・監督:スタンリー・トゥッチ

    1960年11月11日、アメリカ・ニューヨーク州出身。高校の美術教師でアーティストだった父と作家の母の影響を受け、アートに囲まれて育つ。82年にニューヨーク州立大学を卒業。高校の同級生で同じく俳優志望だったスコット・キャンベルと共に、彼の母が出演していた舞台の端役でステージに立つ。以後、ブロードウェイとオフブロードウェイを合わせて10作品に出演、演出も手掛けている。85年『女と男の名誉』(ジョン・ヒューストン監督)で映画デビューし、以後、映画通を唸らせる実力派俳優として90本以上の映画およびテレビ番組に出演してきた。ピーター・ジャクソン監督作『ラブリーボーン』(09)で演じた憎き犯人役では、念願のアカデミー®助演男優賞にもノミネートされた。日本で大ヒットした『Shall we ダンス?』のハリウッドリメイク版『Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?』(04/ピーター・チェルソム監督)では、竹中直人が演じたラテン好きのスキンヘッドを熱演して、日本でも話題になる。最近では人気シリーズ『ハンガー・ゲーム』(12~15/ゲイリー・ロス監督など)や『トランスフォーマー』(14、15/マイケル・ベイ監督)での怪演で若い層にも知られるようになった。
    脚本家、監督およびプロデューサーとしても高く評価されており、96年、初監督作で主演も務めた『シェフとギャルソン、リストランテの夜』は、友人で俳優のキャンベル・スコットと共同監督。96年サンダンス映画祭のウォルド・ソルト脚本賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー優秀賞、インディペンデントスピリット賞、ドーヴィル映画祭の批評家賞、ニューヨーク映画批評家協会賞、ボストン映画批評家協会賞など、初監督にして数々の栄誉に輝いた。以後、『インポーターズ』(98)、『Joe Gould's Secret』(00未)、主演も兼任した『Blind Date』(07未)、テレビドキュメンタリーシリーズ『Independent Lens 』(13)と、本作を含めて6作品を世に送り出してきた。
    その他の出演映画は、『美女と野獣』(17/ビル・コンドン監督)、アカデミー作品賞®受賞作『スポットライト 世紀のスクープ』(15/トム・マッカーシー監督)、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(11/ジョー・ジョンストン監督)、『バーレスク』(10/スティーヴン・アンティン監督)、『プラダを着た悪魔』(06/デヴィッド・フランケル監督)、『ターミナル』(04/スティーヴン・スピルバーグ監督)、『ロード・トゥ・パーディション』(02/サム・メンデス監督)、『地球は女で回ってる』(97/ウディ・アレン監督)、『ペリカン文書』(93/アラン・J・パクラ監督)、『イン・ザ・スープ』(92/アレクサンダー・ロックウェル監督)など。本作で主演したジェフリー・ラッシュとは『ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方』(14/スティーヴン・ホプキンス監督)で共演している。
    12年10月に出版した料理本「The Tucci Cookbook」はニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト入り。14年には第2弾「The Tucci Table: Cooking with Family and Friends」が発売された。
    今後の出演作には、『The Silence』(17/ジョン・R・レノッティ監督)、『Patient Zero』(17/ステファン・ルツォヴィツキー監督)、『Show Dogs』(18/ラジャ・ゴスネル監督)など多数。

  • 撮影監督:ダニー・コーエン

    1963年、ロンドン出身。シェフィールド・ハラム大学で社会学を学ぶ。ミドルセクス大学で写真現像技術者として働いた後、映画、ドキュメンタリー、コマーシャルのカメラアシスタントとして8年間修業を積む。撮影監督として初めてクレジットされたのは、ポール・ベタニー主演『デッドベイビーズ』(00/ウィリアム・マーシュ監督)。その後、『0:34 レイジ 34 フン』(04/クリストファー・スミス監督)『THIS IS ENGLAND』(06/シェーン・メドウス監督)、『パイレーツ・ロック』(09/リチャード・カーティス監督)を手掛ける。スティーヴン・フリアーズ監督とは『疑惑のチャンピオン』(15)、『マダム・フローレンス!夢見るふたり』(16)、『Victoria and Abdul』(17)でタッグを組んだ。アカデミー撮影賞®ノミネート作『英国王のスピーチ』(10)で組んだトム・フーパー監督とも相性が良く、『レ・ミゼラブル』(12)、『リリーのすべて』(15)も担当している。
    その他、『ルーム』(15/レニー・アブラハムソン監督)、オリヴァー・パーカー監督作『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』(11)など。現在、フリアーズ監督と共にBBCのミニシリーズ「A Very English Scandal」を撮影中。

  • プロダクション・デザイナー:ジェームズ・メリフィールド

    ケン・ラッセル監督のもとでオペラや演劇、映画の美術を学び、1993年にBBCで放映された、同監督のドラマ「チャタレイ夫人の恋人」でプロダクション・デザイナーとして初クレジットされた。代表作に『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』(15・デヴィッド・コープ監督)、アラン・リックマン監督の遺作『ヴェルサイユの宮廷庭師』(14)、『オースティンランド 恋するテーマパーク』(13/ジェルーシャ・ヘス監督)、レイチェル・ワイズとトム・ヒドルストン主演のロマンス『愛情は深い海の如く』(11/テレンス・デイヴィス監督)など。09年にはBBCのミニドラマ「リトル・ドリット」で高い評価を受け、エミー賞の美術監督賞に輝いた。
    最新作はトロント国際映画祭出品作で俳優のアンディ・サーキス監督作『Breathe』(18)、マーゴット・ロビーとシアーシャ・ローナンの競演で話題の時代劇『Mary Queen of Scots』(18/ジョシー・ルーク監督)など。

  • 編集:カミーラ・トニオロ

    イタリア・ミラノ出身。81年にアルバート・フィニー主演のホラーで、82年度アボリアッツ・ファンタスティック映画祭審査員特別賞を受賞した『ウルフェン』(マイケル・ウォドレー監督)で編集アシスタントとして映画業界に入る。イタリアのTV局RAIニューヨーク支局退職後に本格的に映画の世界に入り、共同編集したジョナサン・デミ監督『サムシング・ワイルド』(86)や、ダイアモンド☆ユカイの映画デビュー作『TOKYO-POP』(87/フラン・ルーベル・クズイ監督)、『リビング・イン・オブリビオン/悪夢の撮影日誌』(95/トム・ディチイーロ監督)などでその名を知られるようになる。映画以外にもプライムタイム・エミー賞クリエイティブアート・エミー賞の編集部門にノミネートされたドラマ「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償」(11/トッド・ヘインズ監督)なども手掛ける。
    コロンビア大学芸術学部とNYUフィルムスクールで准教授として編集を教えている。トゥッチ監督とは『Blind Date』(07)に続き2作目。現在、ケヴィン・スペイシー主演作『Gore』(マイケル・ホフマン監督)を編集中。

  • 衣装デザイナー:リザ・ブレイシー

    96年に衣装アシスタントとして映画界で働き始め、『ラブ・アクチュアリー』(03/リチャード・カーティス監督)、『CODE46』(03/マイケル・ウィンターボトム監督)、『縞模様のパジャマの少年』(08/マーク・ハーマン監督)などを経験した後、『Thorne: Scaredycat』(10未/ベンジャミン・ロス監督)で衣装デザイナーに昇格。
    最近では、ピアース・ブロスナン主演のアクション『Final Score』(17/スコット・マン監督)、トロント国際映画祭に出品された『The Escape』(17/ドミニク・サヴェージ監督)、ダイアン・キートン、ブレンダン・グリーソン、ジェームズ・ノートン主演のロマンティック・コメディ『Hampstead』(17/ジョエル・ホプキンス監督)に参加。ドラマシリーズも多数手掛けている。

  • メーキャップ&ヘア・デザイナー:キャサリン・スコーブル

    イギリスの映画、ドラマ、広告等で活躍。1996年に『The Innocent Sleep』(未/スコット・ミッチェル監督)でメーキャップ&ヘア・デザイナーとして活動を開始する。その後、ガイ・リッチー監督『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)でチーフを務める。11年には80年代のイギリスを舞台にしたドラマシリーズ「This Is England ʼ86」(10)で英国映画テレビ芸術アカデミー最優秀メーキャップ&ヘア賞を受賞。
    近作に、日本でもスマッシュヒットした『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』(16/ロジャー・スポティスウッド監督)、『コードネーム:ストラットン』(17/サイモン・ウェスト監督)がある。

配信

2018年6月20日(水)より各種プラットフォームにて配信開始

ジャコメッティ 最後の肖像

2017年/イギリス/原題:Final Portrait/シネマスコープ/5.1ch/英語・フランス語・イタリア語/90分/G
配給:キノフィルムズ・木下グループ
© Final Portrait Commissioning Limited 2016
※配信開始日・終了日は各プラットフォームにより異なる場合がございます。Blu-ray・DVDはメーカーウェブサイト、各小売店等にてお買い求めください。