キノフィルムズ

公開終了
2020年6月5日(金)公開

アンティークの祝祭

大女優カトリーヌ・ドヌーヴがキアラ・マストロヤンニとの実母娘共演で魅せる最新主演作
アンティークが見つめ続けた波瀾万丈な人生――その最期の日を鮮やかに締めくくる感動の人間ドラマ

イントロダクション

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「今日が私の最期の日」・・・ある朝、そう確信したクレール(C・ドヌーヴ)は、からくり人形、仕掛け時計、肖像画など長年かけて集めてきたアンティークの数々を売って処分することに。売り出されたアンティークたちは、彼女の劇的な生きざまの断片であり、切なく悲劇的な記憶を鮮明に蘇らせるものでもあった。一方、疎遠になっていた娘マリー(C・マストロヤンニ)は、母のこの奇妙な行動を聞きつけ20年ぶりに帰ってくる――。
世界的大女優のC・ドヌーヴが、実娘のC・マストロヤンニと母娘役で共演を果たした最新主演作。監督は『やさしい嘘』(03)、『パパの木』(10)などのジュリー・ベルトゥチェリ。自身の終焉を察した主人公が、半生を共にしてきたアンティークを処分することで浮かび上がる「劇的な人生」と「本当に遺したい思い」を、女流監督らしい繊細でしなやかな視点で描き出した1作。

ストーリー

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夏のある朝、クレール(カトリーヌ・ドヌーヴ)の決意は突然だった――。
70年以上におよぶ長い人生。ここのところ意識や記憶がおぼろげになることが増えてきた。「今日が私の最期の日」と確信した彼女は、長年かけて集めてきたからくり人形、仕掛け時計、肖像画など数々のコレクションをガレージセールで処分することにする。見事な品々の大安売りに、庭先はすぐにお客と見物人で賑わいはじめた。
大きな家財から小さな雑貨まで家中を彩り続けたアンティークたちは、いつもクレールの人生と共にあった。それは、彼女の劇的な生きざまの断片であり、切なく悲劇的な記憶を鮮明に蘇らせるものでもあった。
一方、疎遠になっていた娘マリー(キアラ・マストロヤンニ)は、母のこの奇妙な行動を友人のマルティーヌ(ロール・カラミー)から聞きつけ、20年ぶりに帰ってくるが――。

カトリーヌ・ドヌーヴ

|クレール・ダーリング|
1943年10月22日生まれ。フランス・パリ出身。1957年にデビュー。ロジェ・ヴァディム監督の『悪徳の栄え』(62)、ジャック・ドゥミ監督の『シェルブールの雨傘』(63)の主演でスターの座を獲得する。ドゥミ監督作品は、『ロシュフォールの恋人たち』(66)と『ロバと王女』(70)にも出演。さらに、ルイス・ブニュエル監督の『昼顔』(67)と『哀しみのトリスターナ』(70)での妖艶な魅力で新境地を開拓する。名匠フランソワ・トリュフォー監督とは『暗くなるまでこの恋を』(69)とセザール賞を受賞した『終電車』(80)で組み、『インドシナ』(92)では2度目のセザール賞に輝くと共にアカデミー賞Rにもノミネートされ、フランス映画のアイコンとして君臨する。
近年では、ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『8人の女たち』(02)、セザール賞にノミネートされた『しあわせの雨傘』(10)などフランソワ・オゾン監督作品でも高く評価され、2008年にはカンヌ国際映画祭で特別賞を贈られる。その他、アンドレ・テシネ監督の『海辺のホテルにて』(81)と『夜の子供たち』(96)、ヴェネチア国際映画祭女優賞を受賞した『ヴァンドーム広場』(98)、レオス・カラックス監督の『ポーラX』(99)、セザール賞にノミネートされた『太陽のめざめ』(15)など。是枝裕和監督の仏日合作『真実』(19)ではジュリエット・ビノシュとの母娘役共演で話題となった。

キアラ・マストロヤンニ

|マリー・ダーリング|
1972年5月28日生まれ。フランス・パリ出身。
マルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴの間に生まれ、93年にアンドレ・テシネ監督の『私の好きな季節』でデビュー。母と共演した同作で翌年のセザール賞有望若手女優賞にノミネートされ、注目を浴びる。また父の遺作の監督マノエル・ド・オリヴェイラの『クレーヴの奥方』(99)で主役を努めた事も話題になる。その他主な出演作に、ロバート・アルトマン監督作『プレタポルテ』(94)、『そして僕は恋をする』(96)、『クリスマス・ストーリー』(08)、『愛のあしあと』(11)、『チャップリンからの贈りもの』(14)などがある。

アリス・ダグリオーニ

|若いころのクレール・ダーリング|
1976年7月26日生まれ。フランス・エルモン出身。
幼少期は音楽院でピアノを習っていたが、あがり症を克服するため演劇コースに通いはじめ、それを機にドラマなどに出演するようになる。『好きと言えるまでの恋愛猶予』(02)でスクリーンデビュー。その他代表作として『ナイト・オブ・ザ・スカイ』(05)、『プレイ‐獲物‐』(11)、『ゼロ タウン 始まりの地』(12)、『ブルゴーニュで会いましょう』(15)などがある。

ロール・カラミー

|マルティーヌ|
1975年フランス・オルレアン生まれ。
高校卒業後、パリに移りフランス国立高等演劇学校で学ぶ。『女っ気なし』(11)でフランス国内において注目される。他の作品に『バツイチは恋のはじまり』(12)、『パパは奮闘中!』(18)など。映画と並行して舞台においてもコンスタントに活動を続けており、2018年には「Le Jeu de l’amour et du hasard」の演技でフランス演劇界最高賞であるモリエール賞最優秀女優賞に輝いた。

サミール・ゲスミ

|アミール|
1967年10月7日生まれ。フランス・パリ出身。
『Jaune revolver 』(88/未)で映画デビュー。主な代表作に『ソフィー・マルソーの過去からきた女』(07)、『クリスマス・ストーリー』(08)、『イリュージョン』(11)、『カミーユ、恋はふたたび』(12)、『オーケストラ・クラス』(17)など。また、短編映画『C’est dimanche!』(08/未)で監督デビューも果たしている。

スタッフ

  • 監督・脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ

    1968年2月12日生まれ。フランス・ブローニュ=ビヤンクール出身。
    1993年にアトリエ・ヴァランのドキュメンタリー・コースで学んだ後、彼女はアルテ、フランス3、フランス5で10本ほどのドキュメンタリーを製作した。初の長編映画『やさしい嘘』は2003年カンヌ国際映画祭の批評家週間のグランプリ、セザール賞の新人監督賞、マルグリット・デュラス賞、ミシェル・ドルナノ賞など、フランス国内外で20以上の賞を受賞した。長編2本目の『パパの木』はシャーロット・ゲンズブール主演で、オーストラリアで撮影され、2010年カンヌ国際映画祭のオフィシャル・セレクションのクロージング作品として上映された。『バベルの学校』(13)、『Dernières nouvelles du Cosmos』(16/未)の2本のドキュメンタリーは、どちらもセザール賞候補となった。本作は自身にとって長編映画3本目となる。

  • 脚本:ソフィー・フィリエール

  • 原作:リンダ・ラトレッジ著「La dernière folie de Claire Darling」

  • 製作:ヤエル・フォギエル、レティシア・ゴンザレス

  • 撮影監督:イリナ・ルブチャンスキー

  • 編集:フランソワ・ジェディジェ

  • 舞台デザイン:エマニュエル・ド・ショヴィニ

  • 衣装デザイン:ナタリー・ラウール

  • 音楽:オリヴィエ・タヴィオー

配信

2020年9月23日(水)より各種プラットフォームにて配信開始

アンティークの祝祭

2019年/フランス/原題:La dernière folie de Claire Darling/英題:CLAIRE DARLING/フランス語/カラー/スコープサイズ/5.1ch/94分/G
配給:キノフィルムズ・木下グループ 
© Les Films du Poisson - France 2 Cinéma - Uccelli Production – Pictanovo
※配信開始日・終了日は各プラットフォームにより異なる場合がございます。Blu-ray・DVDはメーカーウェブサイト、各小売店等にてお買い求めください。