新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほかにて絶賛公開中!
2020年の日本で現実に起きた事件をモチーフに、『SR サイタマノラッパー』シリーズや『AI崩壊』の入江悠監督が映像化。19年のデビュー以来、数多の映画賞に輝いてきた最注目俳優・河合優実が、底辺から抜け出そうともがく主人公・杏を演じる。また、杏に更正の道を開こうとするベテラン刑事に佐藤二朗。2人を取材するジャーナリストに稲垣吾郎と、実力派が脇を固めた。社会の中で「見えない存在」にされてしまった人々を、鎮魂と後悔の思いを込めてまっすぐに見つめる、入江監督渾身の一作。杏はたしかに、あなたの隣にいた。
21歳の主人公・杏は、幼い頃から母親に暴力を振るわれ、十代半ばから売春を強いられて、過酷な人生を送ってきた。ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べを受けた彼女は、多々羅という変わった刑事と出会う。大人を信用したことのない杏だが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていく。週刊誌記者の桐野は、「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」というリークを得て、慎重に取材を進めていた。ちょうどその頃、新型コロナウイルスが出現。杏がやっと手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまう。行く手を閉ざされ、孤立して苦しむ杏。そんなある朝、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけない頼みごとをされる──。
2000年12月19日生まれ、東京都出身。
2021年出演『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』での演技が高く評価され、第43回ヨコハマ映画祭<最優秀新人賞>、第35回高崎映画祭<最優秀新人俳優賞>、第95回キネマ旬報ベスト・テン<新人女優賞>、第64回ブルーリボン賞<新人賞>、2021年度全国映連賞<女優賞>を受賞。2022年は『愛なのに』、『女子高生に殺されたい』、『PLAN 75』をはじめ計8本もの映画に出演し、第35回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞<新人賞>を受賞。その他の出演作に、『ちょっと思い出しただけ』、『冬薔薇』、『百花』、『線は、僕を描く』、『ある男』(22)、『少女は卒業しない』、『ひとりぼっちじゃない』(23)、『四月になれば彼女は』(24)など。
*コメント*
この映画を作ること、杏のことを演じるということで、何ができるのか、何をすべきなのか、何がしたいのか。繰り返し問いながら、でも彼女と心の中でしっかりと手を繋いで、絶対に離さずに、毎朝、今日もよろしく、いってきますとお祈りして撮影に向かっていました。強く信じながら作った映画です。よろしくお願いいたします。
1969年5月7日生まれ、愛知県出身。
俳優、脚本家、映画監督などマルチに活躍。1996年に演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げ、本格的に俳優活動を開始。「浦安鉄筋家族」(20)、「ひきこもり先生」(21)などのドラマや、「勇者ヨシヒコ」シリーズ(11、12、16)、 『HK変態仮面』(13)、『銀魂』シリーズ(17、18)などの福田雄一監督作品で圧倒的な存在感を放ち、一躍人気を集める。『memo』(08)や『はるヲうるひと』(21)では監督・脚本・出演を務め、クリエイターとしての才能も発揮。その他の出演作に、『blank13』(17)、『宮本から君へ』(19)、『今日から俺は‼劇場版』(20)、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』(21)、『さがす』(22)、『変な家』(24)など。
*コメント*
実話に基づいた本作。新聞の小さな三面記事から炙り出されたこの物語を、絶対にこんなことを起こさせてはいけないという思いと、この腹を抉られるような事実をなんとしても人々に伝えたいという思いで演じました。この、ほとんど祈るような思いが、一人でも多くの方々の胸に届くことを願っています。
1973年12月8日、東京都出身。
1991年に歌手デビューし、2017年に「新しい地図」をスタート。2010年に『十三人の刺客』(三池崇史監督)で第23回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞助演男優賞、第65回毎日映画コンクール男優助演賞を受賞。2018年に公開された映画『クソ野郎と美しき世界』が2週間上映ながら28万人を超える動員を記録。2019年に『半世界』(阪本順治監督)で第31回東京国際映画祭観客賞、第34回高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞。その他の出演作に『海辺の映画館─キネマの玉手箱』(20)、『ばるぼら』(20)、『窓辺にて』(22)、『正欲』(23)、『風よ あらしよ 劇場版』(24)など。
*コメント*
最初にシナリオをいただいた時に受けた動揺を今も忘れられません。
人は生まれながらに誰かと繋がり生きていく権利を持っている。
その思いを信じて作品に参加させていただきました。
杏の声がどうか皆様の心に届きますように。
1981年11月16日生まれ、東京都出身。
10代からモデル活動を始め、20代で女優活動をスタート。以降、多くの映画・ドラマで活躍。『お盆の弟』、『さよなら歌舞伎町』(15)で第37回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。『偶然と想像』(21)で第35回高崎映画祭最優秀主演俳優賞を受賞。主な出演作は『私の男』(14)、『続 深夜食堂』『二重生活』(16)、『あゝ、荒野』(17)、『愛しのアイリーン』(18)、『ミドリムシの姫』(22)、『雑魚どもよ、大志を抱け!』(23)など。
1965年5月31日生まれ。千葉県出身。
1987年に劇団東京乾電池の一員としてデビュー。2001年よりケラリーノ・サンドロヴィッチ氏とユニット「オリガト・プラスティコ」を主宰している。舞台を中心に数々のテレビドラマや映画でも活躍し、主な出演作として『悪人』(10)、『横道世之介』(13)、『母と暮らせば』(15)、『家族はつらいよ』(16)、『キネマの神様』(21)『梅切らぬバカ』(21)、『前科者』(22)、『はい、泳げません』(22)、『こんにちは、母さん』(23)など。
1995年3月17日生まれ、東京都出身。
2014年、NHK連続テレビ小説「マッサン」に主人公の妹役で出演し注目を集める。その後もドラマ、映画、舞台など幅広く活動。主な映画出演作に『百瀬、こっちを向いて。』(14)、『忘れないと誓ったぼくがいた』(15)、『愛妻家宮本』、『銀魂』(17)、『走れ!T校バスケット部』(18)、『女の機嫌の直し方』(19)、『シン・ウルトラマン』(22)、『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』、『ミンナのウタ』(23)など。
1979年11月25日、神奈川県出身、埼玉県育ち。
日本大学芸術学部映画学科卒業。
2009年、自主制作による『SR サイタマノラッパー』が大きな話題を呼び、ゆうばり国際ファンタスティック映画オフシアター・コンペティション部門グランプリ、第50回映画監督協会新人賞など多数受賞。2010年に同シリーズ『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』、2012年に『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』を制作。2011年に『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』で高崎映画祭新進監督賞。『AI崩壊』(20)で日本映画批評家大賞脚本賞。
その他の作品に『日々ロック』(14)、『ジョーカー・ゲーム』(15)、『太陽』(16)、『22年目の告白-私が殺人犯です-』(17)、『ビジランテ』(17)、『ギャングース』(18)、『シュシュシュの娘』(21)、『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』(23)など。
*コメント*
2020年、コロナ禍で大切な人を亡くしました。
すこしだけ注意を向ければその人の苦しみに気づけたかもしれないのに、自分のことばかりで精一杯でした。
時代の移り変わりがどんどん早くなり、多くのことを忘れていってしまうから、この映画を作って刻みつけておきたいと思いました。
旅立った人へ向けて映画を作るという行為が正しいのか今もわからないのですが、鎮魂の気持ちをこめて作りました。
1993年渡米後フリーのカメラアシスタントとして撮影現場で研鑽を重ね、現在シンガポールを拠点に国内外で撮影監督として活躍中。2008年ヴィム・ヴィンダースがプロデュースした映画『クローンは故郷をめざす』でモントリオールファンタジア映画祭最優秀撮影監督賞、ニューヨーク・アジア映画祭最優秀ビジュアル賞を受賞。2018年の第71回ロカルノ国際映画祭で金豹賞作品『A Land Imgined』では、第63回バリャドリッド国際映画祭最優秀撮影監督賞、アジア太平洋スクリーンアワードで最優秀撮影監督賞を受賞。近年作は『PLAN75』(22/第75回カンヌ国際映画際カメラドール特別賞、23/アジアフィルムアワード最優秀撮影監督賞ノミネート)、『Last Shadow At First Light』(23・未/第71回サンセバスチャン国際映画祭新人監督賞ノミネート)、『箱男The box man』(24)、『Stranger Eyes』(24・未)など。シンガポール撮影監督協会(SGSC)会員。
追手門学院大学文学部卒業後照明助手となる。27歳で上京、多くの映画やドラマ、CM に照明助手として参加、照明技師となる。本作で撮影を担当した浦田秀穂氏と、『釜焚KAMATAKI』(05)から、『クローンは故郷をめざす』(08)、第71回ロカルノ国際映画祭 金豹賞、第63回バリャドリッド国際映画祭及び第12回アジア太平洋スクリーンアワードにて最優秀撮影監督賞を受賞したシンガポール映画『幻士』(18・未)などでタッグを組んでいる。近年は撮影場所を日本に拘らず参加。また、日本国内においても、様々な作品にジャンルを問わず携わっている。主な作品に『百円の恋』(14/第39回日本アカデミー賞作品賞など5部門ノミネート)、『繕い裁つ人』 (15)、『アンダードッグ 前編/後編』(20/第75回毎日映画コンクール撮影賞他4部門受賞)、『私をくいとめて』(20/第30回東京国際映画祭観客賞)、『インペリアル大阪堂島出入橋』、『ウェディング・ハイ』(22)、『よろこびのうたOde to joy』(22)、『PLAN75』(22/第75回カンヌ国際映画際カメラドール特別賞)など。近年作は『last shadow at first light』(23・未)、『箱男The box man』(24)、『stranger eyes』(24・未)がある。
横浜放送映画専門学院5期卒業。2020年『アンダードッグ』で第75回毎日映画コンクール録音賞を受賞。主な作品に『T.R.Y.』(03)、『真夜中の弥次さん喜多さん』(05)、『容疑者Xの献身』(08)、『アマルフィ 女神の報酬』(09)、『アンダルシア 女神の報酬』、『ジーン・ワルツ』(11)、『脳男』(13)、『氷菓』、『リンキング・ラブ』(17)、『岬の兄弟』(19)、『マチネの終わりに』(19)、『大綱引きの恋』(21)、『沈黙のパレード』(22)など。
近畿大学文芸学部卒業後、渡英し現地で映画制作を学ぶ。帰国後、自主制作映画に美術スタッフとして参加したことを機にキャリアをスタート。初期の美術監督作品『新世界の夜明け』(12)のように国内だけでなく海外の若手映画作家の作品にも携わっている。主な作品に、河瀨直美監督『光』(17)、『Vision』(18)、『朝が来る』(20)、また河瀬監督がエグゼクティブプロデューサーとして運営するNARAtive プロジェクトにも『東の狼』(18)、『再会の奈良』(22)、『霧の淵』(24)など定期的に加わっている。近年は『市子』(23)、『Last Shadow at First Light』(24)など。『PLAN75』(22)では、QCINEMA International Film Festival にてArtistic Contribution Awardを受賞。
2023年/日本/114分/PG12
製作:木下グループ 鈍牛倶楽部/配給:キノフィルムズ
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