ブループリント・ピクチャーズが製作する『17歳のエンディングノート』(原題:「NOW IS GOOD」)は、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(12) や『四角い恋愛関係』(05・未)などで脚本家として活躍するオル・パーカーが、イギリスの若手作家に贈られるブランフォード・ボウズ賞を受賞したジェニー・ダウンハムのベストセラー小説「16歳。死ぬ前にしてみたいこと」を元に脚本化し、監督を手がけた。
余命宣告された17歳の少女を等身大で演じるのは、ハリウッドでキャリアを重ね天才の名を欲しいままにしてきたダコタ・ファニング。死の淵の絶望と愛する歓びの狭間で、情熱を持って生きようとするテッサを、圧巻の演技力で魅せてくれる。彼女を愛するアダムには、スピルバーグの大作『戦火の馬』(12)で主演に抜擢され一躍世界の注目を集めたイギリスのホープ、ジェレミー・アーヴァイン。また、娘の過酷な運命に対峙する一家の父親には、初監督作『思秋期』(11)が各国の映画賞を席巻したパディ・コンシダイン、母親にはアカデミー賞®にノミネートされた『17歳の肖像』(09)のオリヴィア・ウィリアムズら実力派俳優が扮している。
死ぬとわかったら、絶望してる場合じゃないことに気づいた。
白血病で大人になるまで生きられないと医者に宣告された少女テッサは、自分が何者にもなれないと知り、自宅で引きこもり生活を送っていた。
会社を辞めて治療法探しにのめり込む父親と、現実を受け止められず看病できない母親、「死んだら僕にとり憑く?」と本気で怯える弟を前に、「なんであたしより弱いの!」とキレながらも、どうすれば生きている実感を得られるのか考えていた。
17歳になり、いよいよ‘その時’が近いことを知ったテッサは、親友のゾーイを呼び出し、残り9ヶ月で一生分の経験をするための「TO DO リスト」を作り上げる。“SEX”や“DRUG”など危険な事柄に満ちたリストだったが、“恋をする”だけは無かった。未来に目を向けることなく、今この瞬間を限界まで生きるつもりだった。
ところが隣の家に越してきた、若いくせにガーデニングが趣味のアダムをどうしようもなく好きになってしまう。大学を休学して、事故で夫を亡くしその喪失から立ち直れない母親の面倒を見ているアダムは、これまで会ったこともない種類の男の子だった。しかし、テッサのそんな気持ちを知って父親は大反対、ゾーイまでがルール違反だと良い顔をしない中、アダムはテッサを外の世界に連れ出して行く――。
テッサ役 DAKOTA FANNING
ジョージア州コンヤーズ出身。5歳のときにタイド社のコマーシャルに出演し、演技キャリアをスタートさせた。米NBC放送の「ER 緊急救命室」(94~09)でTVドラマに初出演したのち、ショーン・ペン、ミシェル・ファイファーと共演した『I am sam アイ・アム・サム』(01)のルーシー役で映画デビューを飾る。この演技で放送映画批評家協会賞の最優秀ヤング俳優賞を受賞し、全米映画俳優組合賞にノミネートされた史上最年少の俳優となった。その後すぐに、スティーヴン・スピルバーグが製作するミニシリーズ「TAKEN テイクン」(02)に主演。この番組はサイファイ・チャンネルで最高視聴率を獲得した番組になっただけでなく、2003年度エミー賞の最優秀ミニシリーズ賞を受賞した。さらに快進撃は続き、『コール』(02/シャーリーズ・セロン共演)、『ハットしてキャット』(03/マイク・マイヤーズ共演)、『アップタウン・ガールズ』(03/ブリタニー・マーフィ共演)、リース・ウィザースプーンの少女時代を演じた『メラニーは行く!』(02)などの映画に続々出演した。04年には、トニー・スコット監督の『マイ・ボディ・ガード』(デンゼル・ワシントン共演)に出演。この演技で放送映画批評家協会賞にノミネートされた。05年、『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』(ロバート・デ・ニーロ共演)に出演。この演技で、05年度MTV映画賞の“最も怯えた演技”賞を獲得。05年6月、スティーヴン・スピルバーグ監督がH・G・ウェルズの古典小説をリメイクした『宇宙戦争』でトム・クルーズと共演し、娘のレイチェル役を演じて2度目の放送映画批評家協会賞を獲得した。05年10月、『夢駆ける馬ドリーマー』でカート・ラッセルと共演。この作品はハートランド映画祭で“本当に感動する映画賞”を受賞。また『美しい人』(05)では、グレン・クローズ、ホリー・ハンター、シシー・スペイセク、ロビン・ライト・ペンなど傑出する女優たちが出演するアンサンブルキャストの一員として参加。この作品は05年度サンダンス映画祭でプレミア上映され、アンサンブルキャストは05年度のゴッサム賞にノミネートされた。06年12月、E・B・ホワイトの小説を映画化した『シャーロットのおくりもの』が公開された。この作品で、実写版のファーン役を演じ、アニメキャラクターたちの声を担当したジュリア・ロバーツ、オプラ・ウィンフリー、ロバート・レッドフォードなどと共演。この演技で、06年度放送映画批評家協会賞の最優秀ヤングアクトレス部門にノミネートされ、さらに06年には、ショーウェストの年間最優秀助演女優賞に輝いた。07年、『Hounddog』(ロビン・ライト・ペン、デヴィッド・モース共演)に出演。その年の後半には、ポール・マクギガン監督のSFサスペンス『PUSH 光と闇の能力者』(09)に出演し、クリス・エヴァンス、ジャイモン・フンスーと共演した。08年、スー・モンク・キッドのベストセラー小説に基づく『リリィ、はちみつ色の秘密』に出演。リリィ・オーウェンズ役を演じ、クイーン・ラティファ、アリシア・キーズ、ソフィー・オコネドー、ジェニファー・ハドソンたちと共演した。パームスプリングス国際映画祭でライジングスター賞を受賞し、この演技で放送映画批評家協会賞にもノミネートされた。09年、ステファニー・メイヤーのベストセラー小説シリーズに基づく大ヒットシリーズの第2弾『ニュームーン/トワイライト・サーガ』に出演。ヴォルトゥーリ一族のヴァンパイア、ジェーン役を演じ、クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナーと共演。同役をその続編となる『エクリプス/トワイライト・サーガ』(10)および『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーンPart2』(12)でも再演している。10年、シェリー・カーリーの小説「Neon Angels」に基づいて、70年代の女性だけのロックバンドの自伝的物語を描く『ランナウェイズ』に出演。この作品はサンダンス映画祭でプレミア上映されて高い評価を獲得した。11年、インディペンデント映画『The Motel Life』(12)に出演し、エミリー・ハーシュ、スティーヴン・ドーフと共演。本作に続く歴史ドラマ『Effie』(13/リチャード・ラックストン監督)では、グレッグ・ワイズ演じるラスキンの妻エフィー役を演じている。ほか、13年公開予定で『Night Moves』や『The Last of Robin Hood』など多くの作品に精力的に参加している。
アダム役
ロンドン音楽演劇アカデミーで学び、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの「Dunsinane」などの舞台に出演。11年、スティーヴン・スピルバーグ監督の大作『戦火の馬』で映画デビューを飾る。第二次世界大戦を舞台とするこの作品で、召集された自分の馬を探す若者アルバート役を演じている。本作に続いて、待機作『Great Expectations』(マイク・ニューウェル監督)で主人公ピップ役を演じている。チャールズ・ディケンズの古典小説を映画化したこの作品には、ほかにレイフ・ファインズ、ヘレナ・ボナム・カーターなどが出演している。
パパ役
友人シェーン・メドウス監督の『A Room for Romeo Brass』(99)の主人公に配役され、演技キャリアをスタート。次にパヴェル・パヴリコフスキー監督の『Last Resort』(00)に主演し、テッサロニキ映画祭で最優秀男優賞を受賞。それ以来、『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』(02)、『シンデレラマン』(05)、『ボーン・アルティメイタム』(07)などのハリウッド映画に出演。再びシェーン・メドウス監督と組んだ『Dead Man’s Shoes』(04)ではイブニング・スタンダード賞やエンパイア映画賞の最優秀男優賞を含め、数多くの賞にノミネートされた。最近では、イギリス映画『サブマリン』(10)および『ブリッツ』(11)に出演。2007年、短編映画『Dog Altogether』の脚本と監督を担当し、英アカデミー賞およびベネチア映画祭銀賞を受賞した。11年、長編デビュー作として脚本と監督を担当した『思秋期』(10/オリヴィア・コールマン、ピーター・ミュラン、エディ・マーサン出演)は、英アカデミー賞最優秀デビュー賞および英インディペンデント映画賞で作品賞、最優秀デビュー監督賞を受賞。さらにサンダンス映画祭の世界のドラマ部門最優秀監督賞、サテライト賞最優秀功労賞も受賞、インディペンデント・スピリット賞の最優秀外国映画賞にもノミネートされた。
ママ役
大学卒業後、ブリストルのオールドヴィック演劇学校に2年間在籍し、そののち3年間、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに参加。1997年、ケヴィン・コスナーが監督と主演を務めるドラマ『ポストマン』の相手役に抜擢され、それ以降、ウェス・アンダーソン監督の『天才マックスの世界』(98)の主人公や、『シックス・センス』(99)でブルース・ウィリスの妻役などを演じる。近作は、キャストが全米映画俳優組合賞アンサンブル演技賞を受賞し、自身がロンドン映画批評家協会賞最優秀助演女優賞にノミネートされるなど多くの賞に輝いた『17歳の肖像』(09/ロネ・シェルフィグ監督)、ロマン・ポランスキー監督のサスペンススリラー『ゴーストライター』(10/ピアース・ブロスナン、ユアン・マクレガー共演)、ジョー・ライト監督の『ハンナ』(11)など。待機作は、『アンナ・カレーニナ』(12/ジョー・ライト監督)、エレノア・ルーズベルト役を演じる『Hyde Park on Hudson』(12/ロジャー・ミッシェル監督、ビル・マーレイ共演)など。
ゾーイ役
14歳で演技キャリアをスタートさせた。『月に囚われた男』(09)、大作『タイタンの戦い』(10)などに出演、2011年、アンドレア・アーノルド監督が映画化した『嵐が丘』でキャシー役を演じている。待機作としてティム・ファイウェル監督の『Stay with Me』、ジェシカ・ビール、アルフレッド・モリーナ共演の『Emanuel and the Truth About Fishes』、スチュワート・スヴァーサンド監督の『Invisible』が控えている。
脚本家であり、監督。テレビ映画「Loved Up」(95)や、「In Your Dreams」(97)、劇場公開作『It Was an Accident』(00)などの脚本を手がける。05年、ロマンティックコメディ『四角い恋愛関係』の脚本と監督を担当。近作は、ジョン・マッデン監督の『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(11)の脚本を執筆。本作は2本目の脚本、監督作となる。
「ハリウッド・リポーター」誌の99年度版「次世代のエグゼクティブたち」で“必見の才能”に選ばれた。ワーナー・ブラザースにおいて、『プラクティカル・マジック』(98)、『メッセージ・イン・ア・ボトル』(99)などの製作に携わる。05年、イギリスに戻りブループリント・フィルムズをグレアム・ブロードベントとともに創立。08年、ゴールデングローブ賞受賞作『ヒットマンズ・レクイエム』を製作。近作は、ジョン・マッデン監督の『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(11)。12年はマーティン・マクドノー脚本/監督による『Seven Psychopaths』(12/コリン・ファレル、ウディ・ハレルソン、トム・ウェイツ、クリストファー・ウォーケン出演)の製作に携わった。
たった10年で10本の映画を製作したイギリスで最も活躍するインディペンデント系のプロデューサーのひとり。マイケル・ウィンターボトム監督の『ウェルカム・トゥ・サラエボ』でキャリアをスタート、この作品が1997年度カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、「タイム」誌より“年間最優秀作品10本”のうちの1本に選ばれた。ほかの初期作品に、ピーター・ヒューイット監督の『サンダーパンツ!』(02)、ダニー・ボイル監督の『ミリオンズ』(04)など。05年、ピーター・チャーニンとともにロンドンに拠点を置く映画製作会社ブループリント・ピクチャーズを創立。『ヒットマンズ・レクイエム』(08)、『ジェイン・オースティン 秘められた恋』(07)などの製作に携わっている。
ロンドン映画学校で学び、監督兼俳優のリチャード・アイオアディの音楽ビデオを撮影して、カメラマンとしてのキャリアをスタートさせる。アイオアディ初の長編映画で高評価を得た『サブマリン』(10)で撮影監督を務める。この作品に主演していたパディ・コンシダインの長編監督デビュー作となる賞受賞作『思秋期』(10)でも撮影監督を務めている。