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2021年12月15日(水)より各種プラットフォームにて配信開始
<パントマイムの神様>と称えられ、エンターテイメント史に類稀なる足跡を刻むマルセル・マルソー。彼は若かりし頃、第二次世界大戦中にナチと協力関係にあったフランス政権に立ち向かうべく、レジスタンス運動に身を投じていたが、その活動内容を自ら語ることはなかった。没後10年以上の時を経た今、マルセルの知られざる実体験を明かす、力強く温かな感動作が誕生した。
マルセルを演じるのは、『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞🄬にノミネートされたジェシー・アイゼンバーグ。自身もユダヤ人で母親がプロの道化師だったという生い立ちを活かし、アートにのめり込み自分を表現することしか興味がなく、自己中心的だった青年が、傷ついた子供たちと出会い、人間味豊かな魅力的な人物に変わっていく姿を生き生きと演じた。マルセルが恋心を抱くエマには、『テネット』のクレマンス・ポエジー。ナチのクラウス・バルビー親衛隊中尉には、『ワルキューレ』のマティアス・シュヴァイクホファー。また、名優エド・ハリスが、アメリカ陸軍大尉ジョージ・S・パットン役で出演、短いシーンながら作品の格を上げることに貢献している。監督はポーランド系ユダヤ人で、ベネズエラで最も著名な映画監督であり脚本家、ベストセラー作家でもあるジョナタン・ヤクボウィッツ。
子供たちを救うこと、それは自分たちの未来を救うこと──今この時代の目の前の不安から、その先に待ち受ける予測不能の困難さえも吹き飛ばす、生き抜く力を呼び覚ます深く温かな愛を、あなたに──。
1938年フランス。
アーティストとして生きることを夢見るマルセルは、昼間は精肉店で働き、夜はキャバレーでパントマイムを披露していた。
第二次世界大戦が激化するなか、彼は兄のアランと従兄弟のジョルジュ、想いを寄せるエマと共に、ナチに親を殺されたユダヤ人の子供たち123人の世話をする。
悲しみと緊張に包まれた子供たちにパントマイムで笑顔を取り戻し、彼らと固い絆を結ぶマルセル。
だが、ナチの勢力は日に日に増大し、1942年、遂にドイツ軍がフランス全土を占領する。
マルセルは、険しく危険なアルプスの山を越えて、子供たちを安全なスイスへと逃がそうと決意するのだが──。
マルセル・マルソー
1923~2007
幼いころからバスター・キートンやチャーリー・チャップリンに憧れ、俳優を目指すが、戦争の為に演劇学校に通うことができなかったマルセルは、第二次大戦勃発後の1942年にレジスタンス活動に参加する。英語が堪能だったため、アメリカ軍、ジョージ・S・パットン将軍(※)の渉外係を務める。戦後、パリのサラ・ベルナール劇場で演劇を学ぶ。1947年に創造した、白く塗られた顔、ボーダーシャツに花のついたシルクハット姿の「ビップ」というキャラクターは、パントマイムの一般的なイメージとして認知されるほど影響を与えた。1978年にはパリ市マルセル・マルソー国際マイム学院を設立し後進の育成にも力を注いだ。2007年9月22日、パリにて死去。
※ジョージ・S・パットン将軍・・・第二次大戦時、アフリカ戦線・欧州戦線で活躍したアメリカ陸軍の将軍
クラウス・バルビー
1913~1991
22歳でナチ親衛隊に所属、その後、ドイツ占領下のフランスでレジスタンス活動家やユダヤ人を迫害し「リヨンの虐殺者」と恐れられた。戦後はアメリカ軍スパイ、ボリビアでは軍事政権の立役者として活躍。1983年、ボリビアから追放され、フランス領ギアナでフランス当局に逮捕される。4年後の1987年、戦時中の17に及ぶ「人道に対する罪」で終身禁固刑を宣告され、1991年9月25日、刑務所内の病院にて病死。
|マルセル・マルソー|
1983年、アメリカ、ニューヨーク州生まれ。最初に注目されたのは、放送映画批評家協会賞、インディペンデント・スピリット賞にノミネートされた『イカとクジラ』(05)。その後、『ソーシャル・ネットワーク』(10)で、アカデミー賞🄬、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞にノミネートされ、演技派俳優として高い評価を得る。劇作家、小説家としても活躍している。
|エマ|
1982年、フランス、パリ生まれ。14歳で初舞台に立ち、2004年にフランス国立高等演劇学校に入学する。TV映画「レジェンド・オブ・サンダー」(04)での演技を高く評価され、2005年には『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のフラー・デラクール役で世界的にその名を知られる。フランス国内では、『サルトルとボーヴォワール 哲学と愛』(06)、主演を務めたTVシリーズ「戦争と平和」(07)、『あしたは最高のはじまり』(16)などに出演。監督業も始め、短編作品がカンヌ国際映画祭やヴェネツィア国際映画祭で上映される。
|クラウス・バルビー|
1981年、ドイツ、アンクラム生まれ。俳優一家で育ち、16歳で映画デビューを果たし、これまでに70本以上の作品に出演し、様々な賞を受賞する。トム・クルーズ主演の『ワルキューレ』(08)などハリウッド映画にも進出し、国際的に活躍する。また、2011年に共同監督と脚本を手掛け、演出デビューとなったコメディ『What a Man』が大ヒットを記録。製作・監督・主演を務めるTVシリーズ「ユー・アー・ウォンテッド」(17~18)も高い人気を集め、ヒットメイカーとしても名を上げる。
|アラン|
1990年、フランス、パリ生まれ。7歳の時に父親が監督したTV映画「Tendre piege(原題)」で俳優デビュー。本格的なキャリアは、2009年の『LOL(ロル) ~愛のファンタジー~』から始まる。続いて『リヴィッド』(11)に出演した後、『Pirate TV(原題)』(12)でセザール賞有望若手男優賞にノミネートされ注目され、『À trois on y va(原題)』でも同賞にノミネートされる。監督業にも進出し、最初の短編映画は、カンヌ国際映画祭の短編映画パルムドールにノミネートされる。
|ジョルジュ|
1967年、ハンガリー、ブダペスト生まれ。ブダペスト演劇映画アカデミーを卒業する。多くの詩集を出版し、詩人としてもリスペクトされている。世界にその存在を知らしめたのは、アカデミー賞🄬外国語映画賞、カンヌ国際映画祭グランプリ、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞、英国アカデミー賞外国語映画賞など、映画界で最も栄誉ある賞を総なめにした作品『サウルの息子』(15)の主演。主人公である収容所で死体処理係を命じられるユダヤ人サウル役を演じて絶賛される。
|マルセルの父シャルル|
1963年、オーストリア、ウィーン生まれ。100本近い作品に出演しているベテラン俳優。アカデミー賞🄬外国語映画賞に輝いた『ヒトラーの贋札』(07)で主演を務めて高く評価され、活躍の場を世界へと広げる。また、4作品を監督し、『Atmen』(11)でカンヌ国際映画祭監督週間でヨーロッパ・シネマ・ラベル賞を受賞する。
|ミラ|
1981年、チェコスロバキア、フィラコヴォ生まれ。ハンガリー人の母親とハンガリー人とスロバキア人の子孫の父親の間に生まれる。ブラチスラヴァ舞台芸術アカデミーで学んだ後、2001年にブダペストに移り、2004年にスロバキアの映画『Konečnástanica(原題)』でデビューを果たす。海外の観客には、アメリカでも公開されたロマンティック・コメディ『Muzi v nadeji(原題)』(11)で知られている。
|エルスベート|
2003年、イギリス、ノッティンガムシャー生まれ。大ヒットTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン6で、猛々しい若い貴族の女性リアナ・モーモント役で俳優デビューを果たす。このキャラクターはファンの間で大人気となり、2016~2019年まで、3シーズンにわたって出演する。その他、TVシリーズ「ミルドレッドの魔女学校」(17~20)ではミルドレッド・ハブル役を務め、TVアニメシリーズ「ヒルダの冒険」(18~20)では声の出演をし、「ダーク・マテリアルズ」(20)にも出演する。
|ジョージ・S・パットン|
1950年、アメリカ、ニュージャージー州生まれ。映画、TV、舞台と幅広く活躍し、数々の賞に輝き、その演技と存在感で世界中から最も尊敬される俳優の一人。『アポロ13』(95)と『トゥルーマン・ショー』(98)、『めぐりあう時間たち』(02)でアカデミー賞🄬とゴールデン・グローブ賞にノミネートされる。また、初監督作で主演も務めた『ポロック 2人だけのアトリエ』(00)ではアカデミー賞🄬主演男優賞にノミネートされる。
|ジグムンド|
1977年、ベネズエラ、カラカス生まれ。駐在武官である父親の仕事の関係で、世界各国で育った経験を活かし国際的に活躍している。オリヴィエ・アサイヤス監督のTVミニシリーズで劇場公開もされた「カルロス」(10)の主演で熱い称賛を浴び、ゴールデン・グローブ賞、全米映画俳優組合賞、エミー賞にノミネートされ、セザール賞有望若手男優賞を受賞する。また、国連ウィメンの親善大使を務める。
1978年、ベネズエラ、カラカス生まれのポーランド系ユダヤ人。ベネズエラ中央大学でコミュニケーション学の学位を取得する。ベネズエラの最も名高い映画監督であり脚本家。長編劇映画初監督作品となる『ベネズエラ・サバイバル』(05)は、英国インディペンデント映画賞外国語映画賞にノミネートされ、2005年にニューヨーク・タイムズ紙の「批評家のお薦め」に選ばれる。また、本国で公開されるや大ヒットを記録し、『タイタニック』、『パッション』といった作品を抜いてベネズエラ史上で最も興行収入をあげた映画となる。第2作となる『ハンズ・オブ・ストーン』(16)は、エドガー・ラミレスが扮するパナマ人のボクサーとロバート・デ・ニーロが演じるトレーナーの関係を描いた作品で、カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、15分間の温かいスタンディング・オベーションを受ける。2016年には初の小説「Las Aventuras de Juan Planchard(原題)」を刊行、スペイン語圏でベストセラーとなり、2017年2月にはアマゾンの外国語フィクション部門ベストセラーの1位となる。