キノフィルムズ

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公開終了
2019年9月6日(金)公開

台風家族

世界一“クズ”な一家だけれど何故か憎めない、
そんな愛すべき鈴木家の“台風”のようなめまぐるしい夏の一日

イントロダクション

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ある夏の日、鈴木家の4人きょうだいは10年ぶりに実家へ戻ってきた。銀行で2000万円を強盗したまま行方が分からなくなっていた両親の”見せかけ”の葬儀をするために_。けれども本当の”目的”は、財産分与を行うためだった!! 台風のようなめまぐるしい鈴木家の夏の一日には、果たしてどんな結末が待っているのか・・・・・・?
『箱入り息子の恋』の市井昌秀監督が草彅剛を主演に迎えて贈る、クズだけど憎めない家族のものがたり。

ストーリー

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紙袋を覆面代わりに被った老人が地方銀行で2000万円を強盗。金ピカの宮型霊柩車で逃走し、妻と共に行方をくらました。強盗事件はあっという間にニュースになったが、老夫婦の行方も、霊柩車も、奪われた2000万円も不明のまま月日は過ぎていった──。
時は流れ2018年。台風が近づくある夏の日、鈴木小鉄は妻の美代子と娘のユズキを連れて実家へと車を走らせていた。10年前に銀行強盗をして世間を騒がせた両親の葬儀に参列するためだ。葬儀といっても、死体はおろか霊柩車すら見つかっていない。にもかかわらず形式的な葬儀をする理由は、きょうだいで財産分与を行うためだった。
すっかり朽ち果てた実家に一番乗りで到着したのは小鉄たちだ。葬儀屋を併設した古びた二階建ての日本家屋、表札には「鈴木一鉄」とある。店のシャッターには「盗人」「バカ」などとペンキで描かれ、当時の記憶がよみがえる。鈴木家の居間には2つの棺桶が並び、小さな写真立てには28年前の両親が映っている。
しばらくして長女の麗奈がやって来る。麗奈は両親の事件のせいで離婚、現在付き合っている男性はいるが独身だ。ほどなく住職の満福寺さんがやって来て、“見せかけ”の葬儀が始まり、遅れて次男の京介も到着する。兄の小鉄とはあまり仲は良くなく、小鉄が遺産を独り占めしようとしているのではないかと勘ぐっている。残るは兄姉から可愛がられていた末っ子の千尋だが、なかなか姿を現さない。葬儀開催のハガキが届いていないのだろうか……。葬儀が終わっても千尋がやって来る気配はなく、仕方なく3人で財産分与についての話し合いをすることにする。
「預金や保険も一通り調べたけど、大した額じゃないから、遺産はこの家と土地だけだ」と、いかにも長男らしく振る舞いその場を仕切ろうとする小鉄。どんな仕事も長続きしない彼にとって「遺産」という二文字は何にも代えがたいほど魅力的だったのだ。おまけに少し前、勤務中に玉突き事故に巻き込まれてむちうちになり、首にはサポーター、頭には包帯が巻いてある。何としても遺された家や土地をお金に換えたい、一番多くもらいたい、というのが小鉄の本音だ。
財産分与について話し合う最中、玄関のインターフォンが鳴る。ようやく千尋が来たのだろうか? しかし、そこに立っていたのは千尋ではない、茶髪のチャラチャラした男だった。見知らぬ訪問者によって、話し合いは思いがけない展開に転がっていく。きょうだい同士がこれまで溜めてきた想い、小鉄とユズキの間にある親子の溝、そして10年前に両親が起こした強盗事件の背景に何があったのか? 刻々と台風が近づくなか、鈴木家にも嵐が渦巻いていた……。

草彅 剛

|長男:鈴木小鉄|
1974年7月9日生まれ。1991年CDデビュー。主な出演作は、『黄泉がえり』(03/塩田明彦監督)、『日本沈没』(06/樋口真嗣監督)、『あなたへ』(12/降旗康男監督)、またテレビドラマは「僕の彼女と彼女の生きる道」(04/CX)、「任侠ヘルパー」(09/CX)など、多数作品に出演を果たす。2017年9月にはオフィシャルファンサイト「新しい地図」を立上げ、その後自身主演の『光へ、航る』(太田光監督)を収めたオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』(18)は2週間限定公開の中、28万人以上を動員し、大ヒット。また、脚本家エンダ・ウォルシュによる戯曲「バリーターク」(18/演出:白井晃)や、音楽劇「道」(18/演出:デヴィッド・ルヴォー)など、舞台作品にも出演。
映画出演最新作は、西加奈子原作の『まく子』(19/鶴岡慧子監督)。

MEGUMI

|長女:鈴木麗奈|
1981年9月25日生まれ。2001年デビュー。多くのバラエティ番組・ラジオ・CMで活躍、その後、女優としてテレビドラマや映画にも出演。主な出演作品に、大河ドラマ「八重の桜」(13/NHK)、「デイジー・ラック」(18/NHK)、「偽装不倫」(19/NTV)、映画は『へルタースケルター』(12/蜷川実花監督)、『潔く柔く』(13/新城毅彦監督)、『トイレのピエタ』(15/松永大司監督)、『巫女っちゃけん』(18/グ・スーヨン監督)、『孤狼の血』(18/白石和彌監督)など多数。映画の公開待機作は、今泉力哉監督の『アイネクライネナハトムジーク』。

中村倫也

|三男:鈴木千尋|
1986年12月24日生まれ。所属事務所の養成所にて演技を学び、映画『七人の弔』(05/ダンカン監督)で俳優デビュー。2014年に「ヒストリーボーイズ」にて舞台初主演。同作で読売演劇大賞優秀男優賞受賞。2018年のYahoo!検索大賞俳優部門を受賞するなど、いま最も旬な俳優の一人。NHK連続テレビ小説 「半分、青い。」(18/NHK)の朝井正人役が注目され、その後も「崖っぷちホテル!」(18/NTV)、「ドロ刑-警視庁捜査三課-」(18/NTV)、「初めて恋をした日に読む話」(19/TBS)、「凪のお暇」(19/TBS)などに出演。
主な映画出演作は、『SPINNING KITE』(主演・12/加瀬聡監督)、『星ガ丘ワンダーランド』(主演・16/柳沢翔監督)、『愚行録』(17/石川慶監督)、『3月のライオン』(17/大友啓史)、『伊藤くん A to E』(18/廣木隆一監督)、『孤狼の血』(18/白石和彌監督)、『長いお別れ』(19/中野量太監督)など多数。

尾野真千子

|小鉄の妻:鈴木美代子|
1981年生11月4日まれ。主演作『萌の朱雀』(97/河瀨直美監督)でデビュー。同作で第10回シンガポール国際映画祭主演女優賞を受賞。主な出演作品にNHK連続テレビ小説「カーネーション」(11年~12年)、「十月十日の進化論」(15/WOWOW・市井昌秀監督)、映画では『殯の森』(主演・07/河瀨直美監督)、『クライマーズハイ』(08/原田眞人監督)、『真幸くあらば』(主演・10/御徒町凧監督)、『そして父になる』(13/是枝裕和監督)では日本アカデミー賞・主演女優賞を受賞。
近年の映画出演作には、『ミュージアム』(16/大友啓史監督)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17/廣木隆一監督)、『いつまた、君と ~何日君再来~』(主演・17/深川栄洋監督)、『クソ野郎と美しき世界「光へ、航る」』(18/太田光監督)、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18/冨永昌敬監督)など。公開待機作は『影踏み』(19/篠原哲雄監督)。

甲田まひる

|小鉄の娘:鈴木ユズキ|
2001年5月24日生まれ。小学6年生の時に始めたインスタグラムをきっかけにファッションスナップサイトでブロガーデビュー。ファッションアイコンとして業界の注目を集め、東京コレクションのフロントロウに招待される。以降、ファッション誌の連載やモデルとしても活躍。2017年から都内のライブハウスを中心にジャズピアニストとしての活動を開始、2018年5月にメジャーデビューし、アルバムを発売。本作品にて演技に初挑戦、初出演映画となる。

若葉竜也

|麗奈の彼氏:佐藤登志雄|
1989年6月10日生まれ。陰のある役から、アクの強い役まで幅広い演技力で数多くの作品に出演。映画『葛城事件』(16年)で、第8回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞を受賞。主な出演作品に、ドラマ「ブラックスキャンダル」(18/YTV)、連続ドラマW「コールドケース2~真実の扉〜」(18/WOWOW)、映画『雷桜』(10/廣木隆一監督)、『GANTZⅠ・Ⅱ』(11/佐藤信介監督)、『DOG×POLICE』(11/七高剛)、『明烏』(15/福田雄一監督)、『美しい星』(17/吉田大八監督)、『南瓜とマヨネーズ』(17/冨永昌敬監督)、『サラバ静寂』(18/宇賀那健一監督)、『パンク侍、斬られて候』(18/石井岳龍監督)、『愛がなんだ』(19/今泉力哉監督)など多数。

長内映里香

|謎の女:富永月子|
1989年9月9日生まれ。蜷川幸雄主宰のさいたまネクストシアター元2期生。2012年~2016年までに数多くの蜷川演出作品に出演。主な映画出演作に、『帝一の國』(17/永井聡監督)、『22年目の告白 ー私が殺人犯ですー 」(17/入江悠監督)、『寝ても覚めても』(18/濱口竜介監督)、『きらきら眼鏡』(18/犬堂一利監督)、『Diner ダイナー』(19/蜷川実花監督)など。

相島一之

|銀行員:山田稔|
1961年11月30日生まれ。1987年、劇団「東京サンシャインボーイズ」に入団し、1994年の「罠」までの全作品に出演。1991年、映画『12人の優しい日本人』(中原俊監督)でスクリーンデビュー。以降、『図書館戦争』(13/佐藤信介監督)、『望郷』(17/菊地健雄監督)、『しゃぼん玉』(17/東伸児監督)、ドラマでは「花燃ゆ」(15/NHK)、「さくらの親子丼2」(18/THK・CX)、「Iターン」(19/TX)などに出演。舞台では「恋と音楽II」(14)、「紙屋町さくらホテル」(16)、「プライムたちの夜」(17)、「マイ・フェア・レディ」(18)、「ブラッケン・ムーア」(19)のほか、バラエティー、CMと多方面で活躍。
「相島一之&THE BLUES JUMPERS」にてバンド活動も精力的に行う。

斉藤暁

|満福寺さん|
1953年10月28日生まれ。オンシアター自由劇場を経て、東京壱組創立メンバーとして活躍。97年に「踊る大捜査線」(CX)シリーズの秋山副署長役で、北村総一朗、小野武彦とスリーアミーゴスを名乗り大ブレイク。幅広い層から人気を集め、ドラマ・映画のみならず、CMやバラエティーでも活躍中。主な映画出演作に、『天然コケッコー』(07/山下敦弘監督)、『コドモのコドモ』(08/萩生田宏治監督)、『マエストロ!』(15/小林聖太郎監督)などがある。

榊原るみ

|一家の母:鈴木光子|
1951年3月5日生まれ。3歳から雑誌モデル・女優業を行い、舞台・テレビなどで幅広く活躍。映画『男はつらいよ 奮闘篇』(71/山田洋次監督)、テレビドラマ「帰ってきたウルトラマン」(71/TBS)のヒロイン役や「気になる嫁さん」(主演・71/NTV)などへの出演で人気を博す。11 年間のアメリカ生活の後、現在は仕事に復帰。映画『クロスロード』(15/すずきじゅんいち監督)、テレビドラマ「アイドル×戦士ミラクルちゅーんず!」(レギュラー・17/TX))などに出演。掃除が趣味で「榊原るみのおそうじしましょ」、「榊原るみのお片づけしましょ」などを出版。

藤竜也

|一家の父:鈴木一鉄|
1941年8月27日生まれ。大島渚監督『愛のコリーダ』(76)で報知映画賞の最優秀主演男優賞を受賞、『村の写真集』(03/三原光尋監督)で第8回上海国際映画祭の最優秀主演男優賞受賞、『龍三と七人の子分たち』(15/北野武監督)で第25回東スポ映画大賞主演男優賞受賞。その他の主な出演作品に、『愛の亡霊』(78/大島渚監督)、『ションベン・ライダー』(83/相米慎二監督)、『河童 KAPPA』(94/石井竜也監督)、『アカルイミライ』(02/黒沢清監督)、『許されざる者』(03/三池崇史監督)、『海猿』(04/羽住英一郎)、『ミッドナイト・イーグル』(07/成島出監督)、『はやぶさ 遥かなる帰還』(12/瀧本智行監督)、『私の男』(14/熊切和嘉監督)、『東の狼』(主演・16/カルロス・M・キンテラ監督)、本年公開の作品で『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』(19/小林聖太郎監督)、『空母いぶき』(19/若松節朗監督)など多数。

スタッフ

  • 監督・脚本:市井昌秀

    1976年4月1日生まれ。富山県出身。漫才グループ「髭男爵」元メンバー。初の長編作品となる自主映画『隼』(04)が、2006年の第28回ぴあフィルムフェスティバルにおいて準グランプリと技術賞を受賞。長編2作目となる『無防備』が08年の第30回ぴあフィルムエスティバルにおいてグランプリと技術賞、Gyao賞も受賞する。そして同年開催の第13回釜山国際映画祭のコンペティション部門にてグランプリ受賞、若い才能に与える「ニューカレンツ」部門で自主映画が受賞する快挙となった。翌年の第59回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品され国内外から高い支持を得た。
    13年、商業映画第1作目となる『箱入り息子の恋』は、単館公開ながらも1億を超えるスマッシュヒットを記録。恋愛経験ゼロの青年と盲目の女性との恋を描き、高い評価を得た。同年、最も期待される新人監督に贈られる、第54回日本映画監督協会新人賞を受賞、主演の星野源を第37回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞に導いた。2017年には、瀬尾まいこ原作『僕らのごはんは明日で待ってる』(中島裕翔・新木優子W主演)、初野晴のベストセラー青春小説『ハルチカ』(佐藤勝利、橋本環奈W主演)の2作品が相次いで公開。 最新作は、朝日放送の連続ドラマ「サウナーマン~汗か涙かわからない~」が8月25日より絶賛放送中。

  • 主題歌:「西陽」 フラワーカンパニーズ

    89年結成。名古屋出身、“日本一のライブバンド”通称フラカン。Vocal:鈴木圭介、Bass:グレートマエカワ、Guitar:竹安堅一、Drums:ミスター小西の4人組。“自らライブを届けに行く事”をモットーにメンバー自ら機材車に乗り込みハンドルを握り、年間 100 本近い怒涛のライブを展開、楽曲「深夜高速」が多数のミュージシャンにカヴァーされるなど、その活動が注目され話題に。17年9月6日、新たに立ち上げたニューレーベル、チキン・スキン・レコードより、16枚目となるフルアルバム『ROLL ON 48』を発売。19年4月23日には「メンバーチェンジ&活動休止一切なし」の、4人揃って結成30周年を迎えた。
    「西陽」は9月4日にリリースされたばかりの最新アルバム『50×4』に収録。

  • 撮影:灰原隆裕

    東京都出身。主な参加作品に、『今日子と修一の場合』(13/奥田瑛二監督)、『0.5ミリ』(14/安藤桃子監督)、『はなればなれに』(14/下手大輔監督)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17/白石和彌監督)、第42回日本アカデミー賞優秀撮影賞を受賞した『孤狼の血』(18/白石和彌監督)、『パラレルワールド・ラブストーリー』(19/森義隆監督)など。

  • 照明:谷本幸治

    神奈川県出身。『チチを撮りに』(12)、『湯を沸かすほど熱い愛』(16)、『長いお別れ』(19)などの中野量太監督作品の照明技師を務める。他の参加作品に、『グレイトフルデッド』(13/内田英治監督)、『家族ごっこ』(15/内田英治監督、木下半太監督)、『蝶の眠り』(18/チョン・ジェウン監督)、『ラスト・ホールド!』(18/真壁幸紀監督)などがある。

  • 録音:田中博信

    1970年生まれ。主な参加作品に、『大人ドロップ』(14/飯塚健)、『リトル・フォレスト 夏・秋/冬・春』(14・15/森淳一監督)、『進撃の巨人 前篇/後篇』(15/樋口真嗣監督)、『森山中教習所』(16/豊島圭介監督)、『ハルチカ』(17/市井昌秀監督)、『ユリゴコロ』(17/熊澤尚人監督)、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(17/曽利文彦監督)、『犬猿』(17/吉田恵輔監督)、『ビジランテ』(17/入江悠監督)、『東京喰種 トーキョーグールー【S】』(19/川崎拓也・平牧和彦監督)など。

  • 美術装飾:大藤邦康

    1966年生まれ。装飾としての主な参加作品は、『雨鱒の川』(04/磯村一路監督)、『寝ずの番』(06/津川雅彦監督)、『劇場版私立バカレア高校』(12/窪田崇監督)、『旅猫リポート』(18/三木康一郎監督)、美術としての参加は『明日泣く』(11/内藤誠監督)、『ちょき』(16/金井純一)など。

  • 編集:森下博昭

    1975年生まれ。主な参加作品は、『ガチ☆ボーイ』(08/小泉徳宏監督)、『ちょんまげプリン』(10/中村義洋監督)、『さくらん』(07)『ヘルタースケルター』(12)、『Diner ダイナー』(19)などの蜷川実花監督作品、『ジャッジ!』(14/永井聡監督)、『パーフェクトワールド 君といる奇跡』(18/柴山健次監督)など。

配信

2020年4月2日(木)より各種プラットフォームにて配信開始

台風家族

2019年/日本/108分/PG12
製作:木下グループ、配給:キノフィルムズ
©2019「台風家族」フィルムパートナーズ
※配信開始日・終了日は各プラットフォームにより異なる場合がございます。Blu-ray・DVDはメーカーウェブサイト、各小売店等にてお買い求めください。