2021年5月19日(水)配信
ベン・アフレックと共同で執筆した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)の脚本でアカデミー賞Rを受賞し、俳優としてもスターの階段を駆け上がることになったマット・デイモン。同じく『グッド・ウィル・ハンティング』でアカデミー賞監督賞候補になり、『エレファント』(03)や『ミルク』(08) など数々の名作を生み出してきたガス・ヴァン・サント。
この17年、アメリカ映画界を牽引してきた2人が、脚本家兼主演と監督として三度目のタッグを組み、世界をあっと言わせる問題作を作り上げた。
アメリカでナショナル・ボード・オブ・レビューの表現の自由賞、ヨーロッパでベルリン国際映画祭のスペシャルメンションに輝いた本作は、社会派のテーマに裏打ちされたヒューマンドラマ。
出世コースをまっしぐらに歩んできた主人公スティーヴが、仕事への信念を揺るがす出来事に遭遇したことをきっかけに、人生にとって大切なものは何かを見つめ直し、新たな生き方を模索していく姿を、アメリカがいま直面しているエネルギー問題を背景に描いた、心揺さぶる感動作だ。
スティーヴ役のマット・デイモンは、同じく出演のジョン・クラシンスキーと共同で脚本を執筆。それを、デイモンは自身の手で監督するつもりだったが、スケジュールの都合で断念せざるをえなくなり、盟友のガス・ヴァン・サントに助けを求めた。脚本を読んだヴァン・サントはすぐに快諾。
こうして映画化が実現した本作は、奇しくも『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』と同じ製作過程をたどることになった。キャストには『ファーゴ』のオスカー女優フランシス・マクドーマンド、『イントゥ・ザ・ワイルド』でアカデミー賞候補になったハル・ホルブルックら実力派がそろった。
大手エネルギー会社の幹部候補であるスティーヴ(マット・デイモン)は、マッキンリーという農場以外はなにもない田舎町に、仕事のパートナーのスー(フランシス・マクドーマンド)とともにやってくる。マッキンリーには良質のシェールガスが埋蔵されており、近年の不況に大きな影響を受けた農場主たちから、相場より安く採掘権を買い占めるためだった。スティーヴは町の財政再建の救世主として迎えられたが、予期せぬ障害に行く手を阻まれる。
採掘に反対する科学教師(ハル・ホルブルック)と環境活動家(ジョン・クラシンスキー)が現れ町の人々を説得、採掘の賛否は住民投票によって決められることになった。さらにスティーヴは仕事への信念と情熱を根本から揺るがすような、衝撃の真実を知ることになり・・・。ふと訪れた町で、図らずも自分の生き方を見つめ直す必要に迫られるスティーヴ。果たして彼はどんな決断を下すのか?
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