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2018年11月7日(水)より各種プラットフォームにて配信開始
今年93歳になった、演劇界の<生きる伝説>、ピーター・ブルック。1968年に激化したベトナム戦争を痛烈に批判した監督作、『テル・ミー・ライズ』はその年のカンヌ映画祭に選出されるも、上映取消し。しかし同年のヴェネツィア映画祭に選出され、審査員特別賞とルイス・ブニュエル審査員賞の2部門受賞する。だが本作はアメリカやイギリスの一部の劇場でしか公開されず、しかも様々な妨害を受け、短期間しか上映できなかった。また本編も紛失し、幻の作品とされてきた。しかし、2011年に本編が発見され、修復し2012年に復活上映。そして50年の月日を経て、ついに日本でも劇場公開される!
“なぜ、人は争い、なぜ、それを終えることができないのか?”
巨匠・ピーター・ブルックが全人類へ問いかけた、衝撃と叛逆の問題作。
ギンズバーグのビート・ジェネレーションとブラックパンサー、カウンター・カルチャー・ポップが交差する1968年のスウィンギング・ロンドンを舞台に、傷ついたベトナム人の子供の写真に慄いた3人のイギリス人の若者が、ベトナム戦争における暴力のスパイラルを理解し、自分たちの無力感を乗り越えようとする…歌、証言、大衆デモを通して、ピーター・ブルックは彼の作品の中でも最も重要な作品の一本を監督した。戦争の不条理に対する破壊的なアイロニーを含んだ風刺映画である。
1925年3月21日、ロンドン生まれ。オックスフォード大学在学中の17歳の時に、初めて舞台監督を務める。若干21歳の時にシェイクスピア記念劇場(現ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)の最年少招待演出家となる71年にミシュラン・ロザンとパリに国際演劇研究センター(CIRT)を創設し、74年から2010年まで、ブッフ・デュ・ノール劇場の芸術監督を務める。97年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞している。最近では2011年にモーツァルト・オペラの翻案「ピーター・ブルックの魔笛」でモリエール賞を受賞している。