キノフィルムズ

公開終了
2020年2月14日(金)公開

グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~

女がほっとけないダメ男×人生の伴侶はお金!パワフル女
水と油のような二人による<嘘(ニセ)夫婦>の企みがはじまる!?

イントロダクション

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戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。闇稼業で小金を稼いでいた文芸誌編集長の田島周二は、優柔不断なくせに、なぜか女にはめっぽうモテる。気づけば何人もの愛人を抱え、ほとほと困っていた。そろそろまっとうに生きようと、愛人たちと別れる決心をしたものの、別れを切り出すのは至難の業。一計を案じた田島は、金にがめつく大食いの担ぎ屋・キヌ子に「嘘(にせ)の妻を演じてくれ」と頼み込む。そう、キヌ子は泥だらけの顔を洗えば誰もが振り返る女だったのだ!男は女と別れるため、女は金のため―。こうして、水と油のような二人による“嘘(にせ)夫婦”の企みが始まった。ヒューマン・ドラマの名手、成島出監督と実力派俳優の豪華共演で贈る至福のひと時。

ストーリー

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終戦から3年が経ち、人々が活気を取り戻しつつある昭和ニッポン。文芸誌の編集長を務める田島周二(大泉洋)は、かなり情けないダメ男だが、気弱で優しすぎる性格が女たちに「ほっとけない」と思わせるようで、いまや何人もの愛人を抱えていた。闇稼業で稼いだ小金を持っているというのに、妻子は青森に疎開させたきりである。このままではまずい。そろそろ妻と娘を呼び戻し、愛人たちと「グッドバイ」してまともに生きよう! そう決心したものの、愛人たちに別れを切り出す勇気はまるでない。
ホトホト困った田島は、文士の漆山連行(松重豊)に相談。連行は「すごい美人をどこかから見つけてきて嘘女房になってもらい、彼女を連れて愛人ひとりひとりを訪ね歩く。女たちは黙って引き下がる」という“名案”をひねり出す。
さて、どこへ行ったら「すごい美人」にお目にかかれるのか。あてもなく闇市をさまよっていた田島は偶然、「すごい美人!」を発見。水場で洒落た服に着替えてめかし込む美女を覗き見し、たちまち心を奪われて後を追ったのだ。しかし、映画館に入っていったその女は、人混みに紛れて姿を消してしまった。
翌日、再び途方に暮れていた田島に、ひとりの女が声をかけてくる。「田島さん、今日は何を探してるのさ?」泥にまみれ、抜け目なく、たくましく、闇市で暗躍する力持ちの担ぎ屋、永井キヌ子(小池栄子)だ。事情を説明すると、彼女は言う。「それ、あたしよ」。まさか!? 泥だらけの顔を洗い流すと……、確かにキヌ子は絶世の美女だった! ただし声は、ひどいカラス声だったが。
食堂でキヌ子にご馳走しながら自らの窮状を訴え「頼む、僕の嘘女房になって協力してくれ! 礼は弾むから!」と必死で口説く田島。「しょうがないわね」。これでもかと大食いっぷりを発揮しつつ、がめついキヌ子はカネのため、田島の依頼を受けることにする。
話はまとまり、さっそくエレガントなワンピースを纏い、艶やかな化粧を施したキヌ子が田島の待つ編集部に現れる。その美しさに、言葉もなくうっとりと見惚れる部下の清川伸彦(濱田岳)の姿を確認した田島は、しめしめとほくそ笑むのだった。
嘘夫婦の愛人訪問が幕を開けた。日本橋の花屋で働く戦争未亡人、青木保子(緒川たまき)。若い挿絵画家、水原ケイ子(橋本愛)。美人内科医の、大櫛加代(水川あさみ)。途中、連行の「モノにしちゃえばタダで済むぞ」という入れ知恵に従い、キヌ子の部屋を訪ねて無理やり押し倒す田島だったが、激しく拒否されベランダから投げ飛ばされてしまう始末。しかし、ふたりの「グッドバイ」作戦はうまくいっているかに見えた。
ところが突然、田島にとっては驚愕の事態が発覚。なんと妻、静江(木村多江)に愛人たちの存在がバレ、愛想尽かしをされてしまったのだ!「娘には会わせない」という妻の言葉に「すべてを失った」と絶望する田島。キヌ子の慰めも、田島には響かない。思い詰めた表情で食堂を飛び出していった田島は、道端で遭遇した易者にある“希望”を見せられるのだが、その直後、ひどい災難が彼に降りかかる。果たして、田島とキヌ子の運命は……?

大泉 洋

|田島周二|
1973年生まれ、北海道出身。演劇ユニット「TEAM NACS」メンバー。深夜番組「水曜どうでしょう」(HTB)にレギュラー出演後、全国放送のTVドラマと映画に多数出演。『探偵はBARにいる』(11)で日刊スポーツ映画大賞、石原裕次郎賞、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。『青天の霹靂』(14)ではTAMA映画賞最優秀男優賞、『駆込み女と駆出し男』(15)でブルーリボン賞主演男優賞、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。「探偵はBARにいる3」(17)でも日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。舞台では、TEAM NACS第13回公演「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」で脚本・演出を手掛ける。公開待機作に『新解釈・三國志』(2020公開)がある。2013年に「大泉エッセイ~僕が綴った16年」を出版。

小池栄子

|永井キヌ子|
1980年生まれ、東京都出身。主演映画『接吻』(08)で毎日映画コンクール女優主演賞を受賞。映画・舞台・TVと幅広く活躍中。主な出演作に、『パーマネント野ばら』(10)、『乱暴と待機』(10)、『北のカナリアたち』(12)、『許されざる者』(13)、『人生の約束』(16)、『彼らが本気で編むときは、』(17)、『空飛ぶタイヤ』(18)、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18) 、『記憶にございません!』(19)、「わたし旦那をシェアしてた」(19/YTV)、「リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~」(19/TX)、「俺の話は長い」(19/NTV)などがある。成島出監督作品は、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した『八日目の蟬』(11)、『草原の椅子』(13)、『ふしぎな岬の物語』(14)、『ちょっと今から仕事やめてくる』(17)に出演。

水川あさみ

|大櫛加代|
1983年生まれ、大阪府出身。主な出演作は、『今度は愛妻家』(10)、『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』(11)、『バイロケーション』(14)、『太陽の坐る場所』(14)、『福福荘の福ちゃん』(14)、『後妻業の女』(16)、「東京女子図鑑」(18/Amazonプライム)、「ダブル・ファンタジー」(18/WOWOW)、「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」(19/CX)など。待機作に、「喜劇 愛妻物語」(2020公開)がある。

橋本 愛

|水原ケイ子|
1996年生まれ、熊本県出身。中島哲也監督の『告白』(10)で注目される。続く吉田大八監督の『桐島、部活やめるってよ』(12)などでキネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。さらに、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)で圧倒的な人気を獲得する。主な出演作は、『リトル・フォレスト』2部作(14・15)、『バースデーカード』(16)、『PARKSパークス』(17)、『美しい星』(17)、『ここは退屈迎えに来て』(18)など。

緒川たまき

|青木保子|
映画『プ』で女優デビュー。舞台、映画、ドラマのほか、教養番組などのナビゲーターとしても活躍。1997年に舞台「広島に原爆を落とす日」でゴールデンアロー賞・演劇新人賞、1998年に映画『SFサムライ・フィクション』で高崎映画祭・最優秀助演女優賞を受賞している。近年の主な出演作に、テレビ「怪奇恋愛作戦」(15/TX)、「隠れ菊」(16/NHK-BS)、「連続ドラマW メガバンク最終決戦」(16/WOWOW)、「深夜食堂」(17/CX)、「ハルさん~花嫁の父は名探偵!?」(17/EX)、「全力疾走」(17/NHK-BS)、 「大全力疾走」(19/NHK-BS)、『禅と骨』(17)、『春待つ僕ら』(18)などがある。

木村多江

|田島静江|
1971年生まれ、東京都出身。映画初主演となった『ぐるりのこと。』(08)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞に輝く。主な出演作は、『ゼロの焦点』(09)、『東京島』(10)、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(16)、『RANMARU 神の舌を持つ男』(16)、『ユリゴコロ』(17)、「後妻業」(19/CX)、「あなたの番です」(19/NTV)など。待機作に、WOWOW 連続ドラマW「彼らを見ればわかること」(2020.1~OA)、『一度死んでみた』(2020.3.20公開)がある。

皆川猿時

|水原健一|
1971年生まれ、福島県出身。松尾スズキが主宰する「大人計画」所属。阿部サダヲや宮藤官九郎、三宅弘城らと活動するバンド「グループ魂」では港カヲルとしてMCを担当。主な出演作は、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)、『土竜の唄 香港狂騒曲』(16)、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(16)、NHK大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺~」(19)、「あなたの番です」(19/NTV)、『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』(19)など。公開待機作に『Fukushima 50』(2020.3.公開)がある。

田中要次

|採石場の親方|
1963年生まれ、長野県出身。1989年、『SEEK AND FIND』でデビュー。その後、撮影スタッフとして活動しながら出演作を増やし、2001年の「HERO」(CX)のバーテン役で注目される。主な出演作は、『キル・ビル』(03)、『家路』(14)、『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』(14)、『お盆の弟』(15)、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(15)、「猫とコワモテ」(16/BSジャパン)、主演作『蠱毒 ミートボールマシン』(17)、『愛しのアイリーン』(18)、「あなたの番です」(19/NTV)など。

池谷のぶえ

|デザイナー|
1971年生まれ、茨城県出身。1994年より劇団「猫ニャー」(後に「演劇弁当猫ニャー」)を旗揚げし、2004年の解散公演までのすべての公演に参加。現在は舞台の他、映像作品へも活動の場を広げる。近年の主な映画の出演作は、『ソロモンの偽証 前篇・事件』『ソロモンの偽証 後篇・裁判』(15)、『DESTINY 鎌倉ものがたり』(17)、『モリのいる場所』(18)、『長いお別れ』(19)、『WE ARE LITTLE ZOMBIES』(19)、『アルキメデスの大戦』(19)など。

犬山イヌコ

|佳乃|
東京都出身。ケラリーノ・サンドロヴィッチ主宰の劇団ナイロン100℃所属。大ヒットアニメ『ポケットモンスター』シリーズ(98~)のニャースの声としても広く知られる。主な出演作は、「時効警察」(06/EX)、『綱引いちゃった!』(12)、「明日、ママがいない」(14/NTV)、「怪奇恋愛作戦」(15/TX)、「漱石悶々 ~夏目漱石 最後の恋 京都祇園の二十九日間~」(16/NHKBSプレミアム)、NHK大河ドラマ「西郷どん」(18)、「令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear」(19/NHKBSプレミアム)など。

水澤紳吾

|闇市のブローカー|
1976年生まれ、宮城県出身。初主演作『ぼっちゃん』(13)で、日本映画プロフェッショナル大賞新進男優賞を受賞する。主な出演作は、『SRサイタマノラッパー』シリーズ(09・10・12)、『まほろ駅前狂騒曲』(14)、『怒り』(16)、『闇金ウシジマくん Part3』(16)、『MR.LONG/ミスター・ロン』(17)、『愛しのノラ ~幸せのめぐり逢い~』(17)、『幼な子われらに生まれ』(17)、『まんが島』(17)、『羊の木』(18)、『居眠り磐音』(19)、『五億円のじんせい』(19)、『閉鎖病棟〜それぞれの朝〜』(19)など。

戸田恵子

|易者|
1957年生まれ、愛知県出身。日本で最も有名な声優の一人として、「それいけ!アンパンマン」シリーズ(88~)のアンパンマン役、数多くの外画吹替キャラクターを演じている。女優としても幅広く活躍、最近では、「僕らは奇跡でできている」(18/NTV)、「遺留捜査」シリーズ(17~/EX)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)など。公開待機作に『his』(2020.1.24公開)、『星屑の町』(2020公開)がある。

濱田 岳

|清川伸彦|
1988年生まれ、東京都出身。『青いうた~のど自慢 青春編~』(06)で映画初主演を飾り、『アヒルと鴨のコインロッカー』(07)で高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞。近年の出演作は、映画は『引っ越し大名!』(19)、『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(19)、TVは「釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~」シリーズ(15~18/TX)、NHK連続テレビ小説「わろてんか」(17~18)、「フルーツ宅配便」(19/TX)など。公開待機作に、『決算!忠臣蔵』(2019.11.22公開)、主演作『喜劇 愛妻物語』(2020公開)がある。

松重 豊

|漆山連行|
1963年生まれ、福岡県出身。『しゃべれども しゃべれども』(07)で毎日映画コンクール男優助演賞、『ディア・ドクター』(09)でヨコハマ映画祭助演男優賞を受賞。近年の映画出演作として『孤高のメス』(10)、『さよなら歌舞伎町』(15)、『ソロモンの偽証 前篇・事件』『ソロモンの偽証 後篇・裁判』(15)、『アウトレイジ 最終章』(17)、『検察側の罪人』(18)、『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(19)など。公開待機作に『糸』(2020.4.24公開)がある。FMヨコハマ「深夜の音楽食堂」でパーソナリティも務める。

スタッフ

  • 監督:成島出

    1961年生まれ、山梨県出身。学生時代から自主映画を撮り、『みどり女』でぴあフィルムフェスティバルに入選する。1994年から脚本家として活躍した後、2004年に役所広司を主演に迎えた初監督作品『油断大敵』で、藤本賞新人賞とヨコハマ映画祭新人監督賞を受賞。その後も、岡田准一、堤真一主演の『フライ, ダディ, フライ』(05)、大沢たかお主演の『ミッドナイトイーグル』(07)、堤真一主演の『孤高のメス』(10)、役所広司主演の『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』(11)などのヒット作を世に送り出す。井上真央主演の『八日目の蟬』(11)で絶賛され、自身の監督賞を始め、日本アカデミー賞11部門を独占する。その他の監督作に、『ラブファイト』(08)、『草原の椅子』(13)、吉永小百合との共同企画で吉永が主演も務めた『ふしぎな岬の物語』(14)、『ソロモンの偽証 前篇・事件』『ソロモンの偽証 後篇・裁判』(15)、『ちょっと今から仕事やめてくる』(17)などがある。

  • 原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

    1963年生まれ、東京都出身。劇作家、演出家、映画監督、音楽家。1993年にナイロン100℃を始動し、1999年に「フローズン・ビーチ」で岸田國士戯曲賞を受賞、現在は同賞の選考委員を務める。KERA・MAPなどのユニットも主宰する。2003年、『1980』で映画監督デビュー、『おいしい殺し方』(06)、『グミ・チョコレート・パイン』(07)、『罪とか罰とか』(09) 、「怪奇恋愛作戦」(15/TX)の脚本・監督を手掛け、『北の桜守』(18)では映画中演劇シーンの演出を務める。

  • 音楽:安川午朗

    愛知県生まれ、長野県育ち。石井隆監督と出会い映画音楽の仕事をスタートさせ、石井監督の『死んでもいい』(92)、『ヌードの夜』(93)、『GONIN』(95)、『花と蛇』(04)などを手掛ける。成島出監督作品では、『孤高のメス』(10)、日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞した『八日目の蟬』(11)、『ふしぎな岬の物語』(14)、『ソロモンの偽証 前篇・事件』『後篇・裁判』(15)を担当する。その他の作品に、『凶悪』(13)、『孤狼の血』(18)、『空飛ぶタイヤ』(18)などがある。

  • 脚本:奥寺佐渡子

    岩手県出身。相米慎二監督の『お引越し』(93)でデビュー。成島出監督作品では、日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した『八日目の蟬』(11)、『草原の椅子』(13)を手掛ける。その他の作品に、『学校の怪談』(95・96・99)、『時をかける少女』(06)、『しゃべれども しゃべれども』(07)、『サマーウォーズ』(09)、『パーマネント野ばら』(10)、『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『Nのために』(14/TBS)、『リバース』(17/TBS)、『わたし、定時で帰ります』(19/TBS)などがある。

  • 撮影:相馬大輔

  • 照明:佐藤浩太

  • 美術:西村貴志

  • 録音:松本昇和

  • 編集:今井 剛

  • 衣装:宮本茉莉

  • ヘアメイク:田中マリ子

配信

2020年9月2日(水)より各種プラットフォームにて配信開始

グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~

2019年/日本/106分/G
製作:木下グループ/配給:キノフィルムズ/制作プロダクション:キノフィルムズ、松竹撮影所
Ⓒ2019「グッドバイ」フィルムパートナーズ
※配信開始日・終了日は各プラットフォームにより異なる場合がございます。Blu-ray・DVDはメーカーウェブサイト、各小売店等にてお買い求めください。