2017年11月1日(水)配信
これまで幾度となく映画で描かれてきた第二次世界大戦期のドイツだが、ナチ幹部の家族の《その後》は、あまり語られてこなかった。今まで目を向けられることが少なかった、戦争犯罪人の子供たちの戦後。そして、彼らが不安と恐怖の果てに見つける真実。主人公・ローレの絶望と葛藤を通してそれらを描いた本作は、“ヒトラーの子供”に課せられた余りにも過酷な運命と、戦争の深い傷跡を浮き彫りにし、観る者に問いかけてくる。
両親、祖国、そして信じてきた価値観・・・、すべてを失ったとき、自分ならどうするだろうか?
愛する両親が想像を絶する大量虐殺を犯していたと知ったとき、子供は何を思い、何を見つけるのだろう?
―映画史上かつて誰も描いたことのない新たな物語が、あなたの心を強烈に揺さぶるだろう。
脚本・監督は、オーストラリアの俊英ケイト・ショートランド。主人公・ローレを演じるのは、ドイツの若手女優サスキア・ローゼンダール。第63回ベルリン映画祭で次世代の注目女優として“シューティングスター2013”に選ばれた実力派が、険しい運命に対峙する難役に挑んでいる。これまで映画で描かれたことのない“ヒトラーの子供”の《その後》を描いた新たな衝撃作は、オーストラリア国内だけでなく世界各国の国際映画祭で高く評価され、第85回アカデミー賞®外国語映画賞のオーストラリア代表作品に選出された。
幼い妹弟と共に900キロ離れた祖母の家を目指す“ヒトラーの子供”ローレ
初めて知る残酷な真実とユダヤ人青年との出会いが 彼女を大人にする
1945年春。敗戦後のドイツで、ナチ親衛隊の高官だった父と母が連合軍に拘束され置き去りにされた14歳の少女・ローレは、幼い妹・弟たちと遠く900キロ離れた祖母の家を目指す。終戦を境に何もかもが変わってしまった国内では、ナチの身内に対する目は冷たく、相手が子供であっても救いの手を差し伸べてくれる者はいなかった。そんな中、ナチがユダヤ人にしてきた残虐行為を初めて知り、戸惑うローレ。更に、ローレたちを助けてくれるユダヤ人青年・トーマスが旅に加わったことで、ローレがこれまで信じてきた価値観やアイデンティティが揺らぎ始める――。
©2012 Rohfilm GmbH, Lore Hoildings Pty Limited, Screen Australia, Creative Scotland and Screen NSW.
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