キノフィルムズ

天国でまた会おう

戦場で死にかけた歳の離れた二人が
何もかも奪った国を相手にひと儲けしようと企てた大胆な詐欺
その裏に秘められた感動の物語とは──!?

イントロダクション

1918年、休戦目前の西部戦線。生き埋めにされたアルベールを救ったエドゥアールは、その時に顔に重傷を負ってしまう。パリに戻った二人を待っていたのは、戦没者は称えるのに帰還兵には冷たい世間だった。仕事も恋人も失ったアルベールと、生還を家族にひた隠しにするエドゥアール。そこに、声を失ったエドゥアールの想いを“通訳”する少女が加わった。一度は負けた人生を巻き返すために、彼らは国を相手にひと儲けする大胆な詐欺を企てる。だが、そこには隠された本当の目的があった──。
原作は、世界的ベストセラー作家ピエール・ルメートルのゴンクール賞に輝いた同名小説。アートのような本物志向の美術と衣裳、100%先の読めない展開が観る者の魂を揺さぶり、2018年のセザール賞を席巻した話題の逸品。

ストーリー

二人の“始まり”は、1918年11月、第一次世界大戦終結の頃だった。百十三高地でドイツ軍と戦っていた、フランス軍の中年兵アルベール・マイヤール(アルベール・デュポンテル)は、上官のプラデル中尉(ロラン・ラフィット)が“大好きな”戦争を続けるために働いた悪事に気付いたことから、塹壕に落とされて生き埋めになる。そんなアルベールを、若き兵士エドゥアール・ペリクール(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)が救い出してくれるが、次の瞬間、彼は爆撃に吹き飛ばされ、顔の半分を失う重傷を負ってしまう。
パリの病院へ移されるエドゥアールから、家に帰りたくないと訴えられたアルベールは、エドゥアールの戦死を偽装し、彼の家族に手紙を送る。エドゥアールは画家になることを夢見ていたが、大企業の総裁の父マルセル(ニエル・アレストリュプ)は認めなかった。最愛の母は幼い頃に亡くなり、姉のマドレーヌ(エミリー・ドゥケンヌ)だけが味方だったが、絶望したエドゥアールは姉に会う気力さえなかった。
1919年11月、世間は戦没者を称えるが帰還兵には冷たかった。銀行に復職できず、婚約者にも逃げられたアルベールは、粗末な部屋を借りてエドゥアールの面倒を見ていた。画材を揃えても見向きもせず、身体と心の痛みを和らげるモルヒネばかり欲しがるエドゥアールを養うためにも、アルベールはエレベーター係として百貨店で働き始める。
そんなエドゥアールの心を、給付金目当てのベルモン夫人に育てられた孤児のルイーズ(エロイーズ・バルステール)が癒す。マスクを外したエドゥアールの傷あとを見ても驚かず、そっと優しく撫でる少女を、エドゥアールはしっかりと抱きしめて感謝を伝えるのだった。再び生きる気力を取り戻したエドゥアールは、口元の傷をかくすための“仮面”を猛然と作り始める。
その夜、アルベールが帰宅すると、美術品のように美しい仮面が完成していた。言葉を紡げなくなったエドゥアールの心の声を、なぜかすべて理解するルイーズは、彼が立てたある詐欺計画をアルベールに“通訳”する。小心者のアルベールは、最初は「ムショ行きは嫌だ」と拒んでいたが、自分にはもう失うものなどないと気付く。それは、戦没者の記念碑のカタログを作って宣伝し、制作費をいただいてあとは逃げるという計画だった。国や町など権力を相手にひと儲けしようというたくらみだ。
画才を活かし、遂にカタログを完成させたエドゥアールは、さっそくあちこちに送りつける。まもなく注文が殺到し、莫大な制作費が入金され、アルベールとエドゥアールは、“逃亡”する日を7月14日の革命記念日に決める。だが、運命のいたずらか、記念碑の発注者の中にマルセルがいた。まさか息子が生きて描いているなどと夢にも思わないマルセルが、エドゥアールの絵を見て“ある事実”に気付き、今や友情で結ばれた二人とルイーズの未来は思わぬ方向へと動き始める──。

© 2017 STADENN PROD. – MANCHESTER FILMS – GAUMONT – France 2 CINEMA ©Jérôme Prébois / ADCB Films
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劇場公開日
2019年3月1日(金)
時間
117分
スタッフ
監督:アルベール・デュポンテル
キャスト
ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート
アルベール・デュポンテル
ロラン・ラフィット
ニエル・アレストリュプ
エミリー・ドゥケンヌ
メラニー・ティエリー