キノフィルムズ

モーリタニアン 黒塗りの記録

モーリタニアン 黒塗りの記録

黒く塗りつぶされた衝撃の手記を映画化!
9.11同時多発テロの首謀者の1人として不当に拘禁された男はアメリカを訴える。

イントロダクション

2015年、全米が驚愕した。アメリカ政府による検閲で多くが黒く塗りつぶされた、ある男の〈手記〉が出版されたのだ。しかも筆者の男はその時、アメリカが設置したキューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていた。異例尽くしのこの本は、またたく間にアメリカで大ベストセラーを記録し、その後、世界20か国で刊行された。
どうしても、この手記を映画化したいと切望したのが、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でアカデミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされ、名実ともに英国俳優の頂点に躍り出たベネディクト・カンバーバッチ。自身の製作会社でプロデューサーに専念するはずが、出来上がった脚本に感銘を受けて出演も望み、遂に歴史と国家の闇を暴く問題作を完成させた。
ナンシーには、『羊たちの沈黙』でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞してハリウッドのトップ俳優を極めた後、監督・プロデュース業でも目覚ましい活躍を見せているジョディ・フォスター。情に流されず常にクールだが、心の芯は人間味にあふれたナンシーを堂々たる存在感で体現し、本作でゴールデングローブ賞を受賞した。モハメドゥには、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した『預言者』の主演で、セザール賞に輝いたタハール・ラヒム。どんな辛苦の中でも他者を許すモハメドゥの人間としての威厳を全身で表現し、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。カンバーバッチが扮したのが、スチュアート中佐。パイロットの親友がハイジャックされた機に搭乗していたという怒りと悲しみを抱えながら、法律家としての正義を貫く中佐を清廉に演じた。ナンシーのサポートをする未熟だが真っすぐな弁護士テリー・ダンカンには、『ファミリー・ツリー』でゴールデングローブ賞にノミネートされたシャイリーン・ウッドリー。
監督は、ドキュメンタリーに定評があり『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』でアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞し、『ラストキング・オブ・スコットランド』でも高く評価されたケヴィン・マクドナルド。
政府と弁護士の激しい対決で明かされる驚愕の真実とは―アメリカの闇を暴く実話。

ストーリー

2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)はアフリカのモーリタニア出身、モハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)の弁護を引き受ける。9.11の首謀者の1人として拘束されたが、裁判は一度も開かれていない。キューバのグアンタナモ収容所で地獄のような投獄生活を何年も送っていた。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。時を同じくして、テロへの“正義の鉄槌”を望む政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当する。真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まる。モハメドゥから届く手紙による“証言”の予測不能な展開に引き込まれていくナンシー。ところが、再三の開示請求でようやく政府から届いた機密書類には、愕然とする供述が記されていた──。

グアンタナモ収容所とは
キューバのグアンタナモ湾にあるグアンタナモ米軍基地内に設置。同時多発テロ以降、米国がアルカイダ幹部やテロリストを収容するために設けられた。少なくとも15人の子どもを含む約780人がアフガニスタンなど南西アジア、中東やアフリカから連行され、司法手続きなしに厳しい尋問や拷問、長期拘禁を強いられている。この実態が明らかとなり、国際社会や人権団体からの非難が相次ぎ、2009年オバマ政権が閉鎖を表明したが難航、現在も実現には至っていない。

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劇場公開日
2021年10月29日(金)
時間
129分
スタッフ
監督:ケヴィン・マクドナルド
キャスト
ジョディ・フォスター
ベネディクト・カンバーバッチ
タハール・ラヒム
シャイリーン・ウッドリー
ザッカリー・リーヴァイ