2019年11月2日(土)配信
2019年11月2日(土)発売
“ホワイト・クロウ”
―類稀なる人物 ―はぐれ者
伝説のダンサーの誕生秘話を描いた 情熱と勇気の物語
バレエの歴史を変えたと言われる伝説的ダンサー、ルドルフ・ヌレエフ。『愛と哀しみのボレロ』のモデルとなり、最近では羽生結弦選手を評する海外メディアが彼の名前を引き合いに出すなど、その影響は時とジャンルを超えてとどまるところを知らない。しかし、あの日、彼が異なる決断をしていれば、<伝説>になることもなく、20世紀の芸術史も今とは違っていただろう。
名前の通り芸術史に燦然と輝く活躍を見せたヌレエフの飽くなき情熱に魅せられ、構想20年を経て映画化したのは名優レイフ・ファインズ。ダイナミックで圧倒的なダンスシーンだけでなく、エルミタージュ美術館やルーブル美術館で実際に撮影するなど、本物志向で創り上げた。身に危険が迫る中、ヌレエフが人生を懸けた決断をくだす空港でのシーンは、サスペンス映画さながらの手に汗握る緊迫感に満ちている。
主演はタタール劇場の現役プリンシパル、オレグ・イヴェンコ。共演は、アデル・エグザルホプロスやラファエル・ペルソナ、そして、“バレエ界の異端児”セルゲイ・ポルーニン。芸術を愛し、踊りに人生を捧げた青年の気高く勇敢な物語が、ここに生まれた―。
1961年。ルドルフ・ヌレエフはキーロフ・バレエ(現マリインスキーバレエ)の一員として、パリ公演のために生まれて初めて祖国ソ連を出た。傲慢・我儘・反逆児と評される一方で、踊りへの情熱は誰よりも強いルドルフは、異国で得られるものすべてを吸収しようとするが、その行動はKGBに監視され、政府の圧力は強まるばかりだった。 6月16日、次の公演地へ向かおうとするルドルフは、突然帰国を命じられる。それは、収容所に連行され、踊りを続けることすらままならない未来を暗示していた。団員たちが旅立ち、KGBと共に空港に残されたルドルフが、不安と恐怖に襲われる中くだした決断とは一。
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