2019年8月2日(金)配信
2019年8月2日(金)発売
ニューヨークのブロンクスに暮らす青年・ユリシーズは父親の死をきっかけに「美しくなりたい」という思いを抑えられずにいた。ある夜、ストリートで出会ったトランスジェンダーのグループに「土曜の夜の教会」へと誘われる。そこは静かで厳格な昼間の教会とは異なり、ダンスや音楽を楽しみながら、同じ境遇の仲間と語らう場として開放されていた。学校でも家庭でも孤立していたユリシーズは、その自由な雰囲気に夢中になりながら、少しずつ自分を解放してゆく。ところが、家族にハイヒールを見つけられ、自分の存在そのものを否定されてしまう。家を追い出され街を彷徨うユリシーズに、人生を変える数々の出来事が待ち受けていた―。
主人公と仲間たち、そして家族の想いが重なりあう時、言葉では伝えきれない熱い感情が、歌やダンスとなって溢れ出す。夢を探し追い求める全ての観客の心に、勇気と感動を刻む魂のエンターテインメント!
ニューヨークのブロンクスに暮らすユリシーズ(ルカ・カイン)には、居場所がなかった。家では厳格で口うるさいローズおばさん(レジーナ・テイラー)が、目を光らせている。軍人だった父が亡くなり、母が朝から夜遅くまで働くことになったために、ユリシーズと弟のエイブの世話に来ているのだが、ユリシーズは以前から彼女が苦手だった。さらに学校では、心を許せる友も頼りになる先生もなく、いつもひとりぼっちだ。
そんな中、ユリシーズは女性のように美しくなりたいという願望を抑えられずにいた。こっそりと母親のハイヒールを履いているところを弟に見つかり、ローズおばさんに告げ口されてしまう。おばさんは「あなたは男なの。男らしくして」と頭ごなしに叱りつけるのだった。
耐えられなくなったユリシーズは家を離れ、電車に乗ってクリストファー・ストリートまでやって来る。そこで、トランスジェンダーのエボニー(MJ・ロドリゲス)、ディジョン(インドゥヤ・ムーア)、ヘヴン(アレクシア・ガルシア)、ゲイのレイモンド(マークイス・ロドリゲス)に声をかけられたユリシーズは、“サタデーチャーチ”に行こうと誘われる。
ジョーン(ケイト・ボンスタイン)が主催する“土曜の夜の教会”、そこではLGBTの人たちを支援するプログラムが開かれていた。食事が提供され、自由におしゃべりをして、ダンスのレッスンもできる。ユリシーズは初めて、同じ孤独と葛藤を抱えた人たちと触れ合い、心が満たされていくのだった。
その日からユリシーズは、土曜の夜を心待ちにするようになる。ある時、レイモンドに誘われて“ヴォーグ・ナイト”へ出掛けるユリシーズ。そこでは、美しく着飾ったLGBTの人たちが、ダンスを競い合っていた。その姿にすっかり魅せられたユリシーズは、いつかコンテストに出場することを夢見るようになる。その第一歩として、ハイヒールを買って、エボニーたちの前で晴れ姿を披露するのだった。
ところが、ローズおばさんがユリシーズの留守中に部屋へ勝手に入り、ハイヒールを見つけてしまう。激怒したおばさんに抑えつけられ叩かれたユリシーズは、彼女を突き放して家を飛び出す。行くあてと言えば““サタデーチャーチ””しかなかったが、今日は水曜日でジョーンもいない。やがて夜になり雨が降り出し、ユリシーズはホームレスの保護施設を訪れる。
翌朝、目覚めると、シャツに包んで枕にしたはずの財布が盗まれていた。ユリシーズは、一文無しの本当のホームレスになってしまったことに気付く。そんなユリシーズに待ち受けていた、さらなる出来事とは──?
※“サタデーチャーチ”のプログラムとは
家族や周囲から理解を得られずに家出をするLGBTの若者が後をたたず、ニューヨーク市が宿泊施設を開放するも、粗悪な環境が原因で寄り付かなくなり、ホームレス化が進んでいた。そんな中2011年にフィールド教会が本プログラムに乗り出し24歳までの若者たちに、食事や衣服の提供、安全なセックスの指導、HIV検査、ダンスやバスケ等のスポーツをする場の提供、その他個人の相談に乗る機会を設けた。一番盛んな時期には、本プログラムを約100もの教会が実施しており、今でも約30の教会が続けている。参加しているのは約9割が有色人種である。
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