2020年9月2日(水)配信
2020年9月2日(水)発売
戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。闇稼業で小金を稼いでいた文芸誌編集長の田島周二は、優柔不断なくせに、なぜか女にはめっぽうモテる。気づけば何人もの愛人を抱え、ほとほと困っていた。そろそろまっとうに生きようと、愛人たちと別れる決心をしたものの、別れを切り出すのは至難の業。一計を案じた田島は、金にがめつく大食いの担ぎ屋・キヌ子に「嘘(にせ)の妻を演じてくれ」と頼み込む。そう、キヌ子は泥だらけの顔を洗えば誰もが振り返る女だったのだ!男は女と別れるため、女は金のため―。こうして、水と油のような二人による“嘘(にせ)夫婦”の企みが始まった。ヒューマン・ドラマの名手、成島出監督と実力派俳優の豪華共演で贈る至福のひと時。
終戦から3年が経ち、人々が活気を取り戻しつつある昭和ニッポン。文芸誌の編集長を務める田島周二(大泉洋)は、かなり情けないダメ男だが、気弱で優しすぎる性格が女たちに「ほっとけない」と思わせるようで、いまや何人もの愛人を抱えていた。闇稼業で稼いだ小金を持っているというのに、妻子は青森に疎開させたきりである。このままではまずい。そろそろ妻と娘を呼び戻し、愛人たちと「グッドバイ」してまともに生きよう! そう決心したものの、愛人たちに別れを切り出す勇気はまるでない。
ホトホト困った田島は、文士の漆山連行(松重豊)に相談。連行は「すごい美人をどこかから見つけてきて嘘女房になってもらい、彼女を連れて愛人ひとりひとりを訪ね歩く。女たちは黙って引き下がる」という“名案”をひねり出す。
さて、どこへ行ったら「すごい美人」にお目にかかれるのか。あてもなく闇市をさまよっていた田島は偶然、「すごい美人!」を発見。水場で洒落た服に着替えてめかし込む美女を覗き見し、たちまち心を奪われて後を追ったのだ。しかし、映画館に入っていったその女は、人混みに紛れて姿を消してしまった。
翌日、再び途方に暮れていた田島に、ひとりの女が声をかけてくる。「田島さん、今日は何を探してるのさ?」泥にまみれ、抜け目なく、たくましく、闇市で暗躍する力持ちの担ぎ屋、永井キヌ子(小池栄子)だ。事情を説明すると、彼女は言う。「それ、あたしよ」。まさか!? 泥だらけの顔を洗い流すと……、確かにキヌ子は絶世の美女だった! ただし声は、ひどいカラス声だったが。
食堂でキヌ子にご馳走しながら自らの窮状を訴え「頼む、僕の嘘女房になって協力してくれ! 礼は弾むから!」と必死で口説く田島。「しょうがないわね」。これでもかと大食いっぷりを発揮しつつ、がめついキヌ子はカネのため、田島の依頼を受けることにする。
話はまとまり、さっそくエレガントなワンピースを纏い、艶やかな化粧を施したキヌ子が田島の待つ編集部に現れる。その美しさに、言葉もなくうっとりと見惚れる部下の清川伸彦(濱田岳)の姿を確認した田島は、しめしめとほくそ笑むのだった。
嘘夫婦の愛人訪問が幕を開けた。日本橋の花屋で働く戦争未亡人、青木保子(緒川たまき)。若い挿絵画家、水原ケイ子(橋本愛)。美人内科医の、大櫛加代(水川あさみ)。途中、連行の「モノにしちゃえばタダで済むぞ」という入れ知恵に従い、キヌ子の部屋を訪ねて無理やり押し倒す田島だったが、激しく拒否されベランダから投げ飛ばされてしまう始末。しかし、ふたりの「グッドバイ」作戦はうまくいっているかに見えた。
ところが突然、田島にとっては驚愕の事態が発覚。なんと妻、静江(木村多江)に愛人たちの存在がバレ、愛想尽かしをされてしまったのだ!「娘には会わせない」という妻の言葉に「すべてを失った」と絶望する田島。キヌ子の慰めも、田島には響かない。思い詰めた表情で食堂を飛び出していった田島は、道端で遭遇した易者にある“希望”を見せられるのだが、その直後、ひどい災難が彼に降りかかる。果たして、田島とキヌ子の運命は……?
Ⓒ2019「グッドバイ」フィルムパートナーズ
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